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第23話 鋼鉄の咆哮

ブルトニア帝国の首都・港湾都市では、蒸気と鉄の匂いが充満する造船所が昼夜を問わず稼働していた。


ブルトニア新型戦艦「テンペスト号」――排水量5200トン、12インチ連装砲塔2基、6インチ副砲6基、最大速力17ノット――は、アスタリスクに匹敵する巨艦として建造が進められていた。


「我々もようやく、王国に圧力をかけられる戦力を手に入れた」


ブルトニア提督の言葉には焦燥と誇りが入り混じる。

しかし、内部では技術不足が深刻な問題として立ちはだかっていた。

砲塔旋回速度や装甲バランス、蒸気機関の安定稼働――アスタリスクと同等の性能を実現するには、試験と微調整が必要だった。


一方、王国艦隊はアスタリスクを旗艦として海上哨戒に出ていた。


「情報部からブルトニア艦隊が進行中との報告です」


艦橋にて士官が告げる。

アルバートは望遠鏡越しに水平線を観察する。


「彼らの排水量は5000トン級……試作艦であり、運用は不安定だ。だが油断は禁物」


アスタリスクは全長120メートル、全幅20メートル、排水量5000トン、最大速力18ノット。12インチ主砲2基と6インチ副砲6基を備え、ブルトニアの新型艦よりわずかに速力で優る。


水平線上に、黒煙を上げるブルトニア艦隊が姿を現す。


「テンペスト号が旗艦……やはり新造艦か」


アルバートは操舵室で計算機を動かし、砲撃可能距離と速度差を確認する。


「12インチ砲の射程15kmを維持しつつ、17ノットの相手を牽制。副砲で中型艦を抑え込む」


海面が穏やかな午後、両艦隊は静かに接近していく。

ブルトニア艦隊は戦列を組むが、テンペスト号の砲塔旋回にまだ慣れておらず、射撃精度は不十分だった。


アルバートの号令で、アスタリスクの12インチ主砲が火を吹く。

砲弾は空気を切り裂き、テンペスト号の前甲板に命中。

衝撃で旗艦は速度を落とし、艦隊の動きが乱れる。


「副砲、第二艦隊に集中!」


6インチ副砲が連動して中小艦を牽制し、ブルトニア艦隊の進行を遅らせる。


テンペスト号は応戦するが、砲撃の精度が低く、アスタリスクへの損害はほとんどない。

アルバートは冷静に分析し、次の指示を出す。


「射線を左舷に切り、旗艦の側面を狙え。副砲は中距離で随伴艦を牽制」


巨砲と副砲の連携攻撃により、ブルトニア艦隊は混乱し、艦隊指揮系統は崩れかける。

「撤退命令……か……」提督は艦橋で吐息を漏らした。

アスタリスクは無傷のまま、圧倒的な優位を維持していた。


第23話成果:

アルバートの指揮能力の高さ再確認

アスタリスクほぼ無傷

ブルトニア帝国の新型戦艦テンペスト号のおおよそのスペック確認

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