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第20話 技術の限界への挑戦

アスタリスクの成功により、アルバートの名声は頂点に達した。

しかし彼の関心は既に次の段階、超戦艦の建造に向けられていた。


「18インチ砲...口径457mm」


アルバートは設計室で、前世の知識を頼りに新たな巨砲の設計に取り組んでいた。

現在の12インチ砲でも製造限界に近かったが、18インチ砲はその常識を遥かに超える代物だった。


「砲身重量だけで100トンを超える...」


巨大な砲身を製造するには、新たな製造技術の開発が不可欠だった。

従来の旋盤では加工が不可能なため、専用の大型工作機械を設計する必要がある。


「エーテル操作を最大限活用するしかない」


アルバートは自分の特殊能力に頼ることにした。

エーテルの力により金属の分子構造を直接操作すれば、従来不可能だった精密加工も実現できる。


一方で、超戦艦の船体設計も並行して進めていた。


全長:180メートル

全幅:28メートル

排水量:22000トン

最大速力:20ノット

主砲:18インチ(mm)連装砲塔3基

副砲:8インチ(203mm)連装砲塔6基


アスタリスクの3倍の規模を誇る超巨艦の概要が固まった。


「問題は造船所の能力だ」


現在の造船所では、180メートル級の巨艦建造は物理的に不可能だった。

ドライドックの拡張、クレーンの大型化、全ての設備を一新する必要がある。


「父上、造船所の大規模拡張をお許しください」


エドワード男爵に相談すると、さすがに困惑の表情を見せた。


「アルバート、アスタリスクでも十分すぎる戦力ではないのか?」

「いえ、父上。他国も必ず追従してきます。常に一歩先を行く必要があるのです」


アルバートの説得により、ついに超戦艦建造計画が承認された。

国家予算の10%を投じる一大事業の始まりだった。


「造船所拡張には半年を要します」

「その間に18インチ砲の試作に集中しよう」


アルバートは巨砲開発に全力を注いだ。

エーテル操作能力をフル活用し、これまで不可能だった精密加工を実現していく。


3か月の努力の末、ついに18インチ砲の試作品が完成した。

全長20メートル、重量100トンの巨大な砲身は、まさに鋼鉄の芸術品だった。


「射撃試験を実施する」


試験場の緊張が高まる中、砲弾1,460キログラムが装填される。

発射角度15度、初速780メートル毎秒——理論上の飛翔距離は約25キロメートルに達する。


号令と同時に、砲身が激しく反動し、固定された試験装置がわずか数センチ後退した。

轟音は周囲数キロメートルに響き渡り、衝撃波が土煙を巻き上げる。


砲弾は軌道を描きながら空を裂き、試験標的に正確に命中。

25キロ先で大きく衝撃が広がり、試作品の性能は完全に確認された。


「成功だ…18インチ砲の実用化に成功した」


アルバートは胸をなでおろす。

試験データは初速、射程、反動すべて理論通りで、これ以上の調整は必要ないことを示していた。

この瞬間、アルバートは世界で最初に18インチ級巨砲を開発した人物となった。


第20話の成果:

18インチ巨砲の開発成功

射程25kmの超長距離砲撃を実現

22000トン級超戦艦の設計完成

造船所大規模拡張計画の承認

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