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第14話 砲術の革新

マスカット号の建造が始まる前に、アルバートは武装システムの研究に着手した。

軍艦の戦闘力は火砲に大きく依存するため、砲術技術の革新が不可欠だった。


「この世界の大砲は、まだ前装式か...」


アルバートは王国海軍から提供された標準的な艦載砲を調査した。

火薬を砲口から込める前装式で、発射速度は毎分1発程度。

射程も射精度も現代の基準では著しく劣っている。


「後装式砲の開発が必要だ」


前世の知識により、アルバートは後装式砲の利点を熟知していた。

発射速度の向上、装填作業の安全性、そして長砲身による射程延長が可能になる。


まず取り組んだのは砲身の製造技術だった。

従来の青銅砲では強度が不足するため、鋼鉄製砲身の開発が必要だった。


「内筒外筒構造で行こう」


アルバートは砲身を二重構造にする設計を採用した。

内筒は高強度鋼、外筒は支持用の普通鋼。

この構造により、高い内圧に耐えられる砲身が実現可能になる。


エーテル操作能力を活用して精密な旋条ライフリングも施した。

砲弾に回転を与えることで、射精度が格段に向上する。


「閉鎖機構が最も重要だ」


後装式砲の心臓部である尾栓(閉鎖機構)の設計に、アルバートは最も神経を使った。

高圧ガスの漏れを防ぎつつ、迅速な開閉を可能にする精密機構が必要だった。


試作砲の製造には一ヶ月を要した。

完成した6ポンド砲(口径57mm)は、従来砲とは全く異なる威容を誇っていた。


射撃試験の日、海軍の砲術専門家たちが見守る中でテストが行われた。


「発射!」


轟音と共に砲弾が発射される。

従来砲の3倍の射程、2倍の射精度、そして発射速度は毎分4発を達成した。


「驚異的だ...これほどまでとは」


ネルソン准将は興奮を隠せなかった。


「さらに大口径砲の開発も可能です。12ポンド砲、いえ、24ポンド砲まで製造できます」


アルバートの提案に、海軍関係者たちの目が輝いた。


第14話の成果:

後装式鋼鉄砲の開発成功

射程3倍、精度2倍、発射速度4倍向上

大口径砲開発の技術基盤確立

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