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烙印貴族の下剋上  作者: 宮﨑碧
第1章入学編
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第6話1-C

自分のクラスに到着すると講義室になっており、自分の席が決めていられなかったので、1番後ろの窓際に座った。教室を見渡せる為、死角がなく安心して座っていられるので安心する。まだ教室には、10人弱しかいないので席が余っていたのだが、後から来る人達は皆廊下側に着席していて偏りがでていた。


ん〜。これは、明らかに避けられてるな...。俺ももう少し寄った方がいいのか?


俺が席を立とうと音をたてると、皆肩をビクッと動かしこちらの様子をチラ見してくる。


「...。」


俺は、座り心地が悪かったフリをして、体を動かし再び座り直す。皆ほっとした様に、肩を落とし安心している姿を見て、小動物みたいでかわいいなと思っていると、特徴的な女性が教室に入ってきた。ブロンド縦ロールをなびかせ綺麗な姿勢で、階段を上がってくる。


「...。」

「どうも。こちらの席に座っていいかしら?」

「あ、あぁ。構わないよ。」

「失礼しますわ。」

「...。」

「わたくしの顔に、何かついているのですか?」

「あぁ。すまない。ついつい綺麗だったので、見惚れてしまいました。」

「ふふ。お上手ですね。」


お上品に扇子で顔の下を隠して話しをする。笑った様子に見えるが、目の奥は笑っておらずこちらを観察している様な目だった。そんな事を思っていると、廊下から女性の声が響いてきた。


「お前ら、もう授業の始まる時間だぞー!さっさと自分の教室に戻れー。..たっく。浮かれよって。」


捨て台詞を吐きながら、俺たちの教室に入って来る。


「うちのクラスは、ちゃんと着席してるみたいだな。感心。感心。」

「...」


この場にいる誰もが目を奪われた。教師というには、相応しくない格好で男達は皆とある一箇所を見た感想が一致した。


(エッロ!)


入ってきた教師は、作務衣を着て楽な格好なのは、目を瞑るとして胸元が見えているのは、どうにかならなかったのだろうか。目移りして勉強どころじゃないだろう。


彼女の見た目は、長い黒髪を後ろで一本に縛って首筋が隠れるくらいの長さで、身長は165前後といった感じだろう。棒つきの飴を咥え、生徒簿で肩を叩きながら、教室に居る人数を数えていた。


「よし!全員要るな。初日に休む奴はいないみたいで安心だ。休まれたら、先に進めないからな。ハッハッハ!」


教師は豪快に笑い教卓の横に立ち、右手に持っていた生徒簿を軽く投げる様に置き、教卓に寄りかかる。


「ふむ。皆いい顔ではないか。希望に満ち溢れた顔をしておる。だが安心したまえ、このCクラスには無縁のお話しだ。..ようこそ!クズ共ど底辺のゴミクラスへ。」

「「「「はぁ⁉︎」」」」


俺と隣に座った女性以外、立ち上がり教師に向かって反発する。


「あんた何様のつもり?」

「初対面で失礼な奴だ!父上に言いつけてやる!」

「あ、あの..そんな酷い事言わないでください!」

「ふん。底辺というなら、貴方も底辺という事ですよね。こんな教室でしか教育できないのですから。」


各々言いたい放題である。教師はそれを、冷めた目で見つめ眺めていた。


「まだまだ、ガキね。こんなくだらない一言で、感情を剥き出しにするのは。それに、勘違いしてる子も居るみたいだし。君達は、向いていなかったんじゃない?今からでも遅くないから、自主退学して違う道を選んだ方が懸命よ。」

「「「〜〜〜。」」」


皆押し黙り体を振るわせ、今にも飛びかかりそうになっていた所、横槍が入った。


「いい加減になさい!みっともない。それでも栄えあるミズガルズ生徒ですか?先生も先生です。くだらない鎌を掛ける暇があるなら、少し身だしなみを気になさった方がよろしいのでは?」

「スノリット・イズン。スノリット家の御息女か。...。イズンくんの言う通り、ここまでにしておこう。それと、身だしなみについてだが、これは私の好みでね。残念ながら変える気はない。...お前達は、いつまで立っているさっさと座らんか。」


教師とイズンによって、渋々着席する。不満顔で、納得いかないのが伝わってくる。教師は黒板に文字を書き、書き終わると教卓に両手を付き前屈みになる。そして、男子達も気持ち前屈みになると女子生徒達は、そんな男子生徒を睨みつける。


「今年度君達を担当する。巴叶(ともえ かなえ)だ。よろしく。最初の授業は、この学院で学ぶ内容をざっくり話した後、来月行われる林間学校の詳細を教える。二度の説明はしないから、メモをとるか記憶して理解しろ。いいな?...わかってもらえたなら、先にいくぞ。」


黒板に書いた名前を消して、黒板の左側に学業計画と記入して、右側には林間学校と記入したあと教卓の下から背の高い椅子を引っ張り出して、黒板の左側に置いて座る。


「まずは、学業計画だな。君達はこの1年最低限の知識と魔法などの基礎を学んでもらう。2年に進級する際に、1年で学んだ内容を踏まえ自分に合った専門授業を選択してもらう。騎士科・魔法科・魔術科・生産科・総合科の5つの中から1つの選択制であるが、1年生での成績も考慮される。希望したい科に入りたければ、その分野で優秀な成績を残すように。2年生では1年生で学んだ復習を少しした後、専門授業を受けてもらう。3年生では、半年間外に出て様々な経験をしてもらう。4年生になれば、教師と一緒に行動して下級生に教えたりと、教育する立場として経験してもらう。5年生は、学院最後の年になる。今まで学んだ事をまとめ論文として発表して記録に残す。まぁ、やっぱり1番は就職活動が主になるな。これが、この学院での学業計画だ。何か質問はあるかー?」


巴先生は、淡々と説明し終えると皆に向かって問いかけた。質問する者はいなかった為、教室が静かになる。


「まぁ、こうなるよな。それじゃ..本題の林間学校について説明するぞ。ミズガルズ中央学院の生徒として、本当に相応しいのか再確認する場であり課題が出される。達成すれば何の問題もないが、未達の場合退学処分とする。以上。」

「え?それだけ?」

「退学処分とかやりすぎじゃないのか。」

「発言するなら挙手をしなさい。私語は控えるように。」


本題である筈の、林間学校についての説明が短くざわつくと、巴先生は間髪入れず注意すると、おずおずと手を上げた生徒がいた。


「し..質問なんですが、よろしいでしょうか?」

「構いませんよ。シエンくん。」

「林間学校の目的はわかったのですが、林間学校の内容が、いまいち伝わってこなくて..例えば、具体的にどんな課題を出されるのですか?」

「課題の内容は伝えられない。今、この場で伝えると対策されかねないからね。課題は林間学校の前日正午に発表される。」

「あ、ありがとうございます。」


気弱そうな眼鏡女子は、縮こまりながら感謝をして本で顔を隠し俯いた。


「リョウくん。」

「先生。俺らは、難関の入学試験に合格したんだ。今更、再確認する必要ねぇだろ。それとよぉ。あんまり、俺らに舐めた口を聞いてると痛い目見る事になるぞ。」

「...。雑魚はよく吠えると言うが、自分から名乗ってくれて助かるよ。」

「あぁ?」

「リョウくん。何故君が学院に入れたのか疑わしいのだが、親のコネで入学したのかい?」

「ふざけるな!貴様!俺を愚弄する気か⁉︎」

「そのつもりだが。」

「〜〜〜。俺と勝負しろ!身の程を教えてやる!」

「断るよ。弱い者虐めは嫌いでね。私にも立場がある。名がない生徒とは戦えん。噛みつくなら、歯応えのある者になってから挑んでこい。」

「ビビってるのか?」

「...。はぁ。力量も分からんとわ。...まぁ、いい機会だ。分からせるのもありか。」


リョウという男子生徒が、1人熱くなってくると教室の雰囲気が悪くなり、戸惑っている生徒やリョウを持ち上げ煽る生徒と傍観する生徒で分かれ始める。


あ〜あ。俺は知らねぇぞ。


1番高い席に居るおかげで客観的為に、この場を見れていた。巴先生はきっとこうなる様に、わざと煽っているのではないだろうか。時折り生徒簿を開き、レ点を入れたり何かを書いてる動きを見せている。良し悪しは分からないが、記入されないのが無難だろう。


巴先生が生徒簿を閉じて、椅子から腰を上げた時教室のドアが勢いよく開かれる。


「先程から騒がしいですよ!こちらの授業に差し支えます。」

「父さん⁉︎」

「あら、ツヴェイン先生。どうなさいました?」

「どうなさいました?では、ありませんよ。巴先生!貴方のクラスが騒がしくて、隣にいる私達が迷惑しているんですよ。」

「それは申し訳ない。騒がしくしたつもりはないのですが...。」

「...。反省してくださいね。それと、リョウくん。学院では、先生と呼ぶように。いいかね?」

「は、はい。」


パン!と、ドアを強く閉められ教室内は静かになると、手の叩く音で一斉に巴先生に向いた。


「気にせず続きと行こう。」

「...。」

「....。他に何か質問はあるか?」


先程までの勢いが嘘の様に、リョウ少年は大人しくなっており巴先生は、興味を無くしたのか他を指名して質問に答えて行く。


「他は?..いないようだな。とりあえず1時限目は終わりだ。15分の休みを挟んでこの教室で、2時限目を行う。本校ではチャイムが鳴らないから、時間で動くように以上。」


そう言い残して、巴先生は教室を出て行って。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

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