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『曲がり角の鈴』

作者: 謎猫

『夏のホラー2023』締め切りに間に合いませんでした・・・(泣)

けど、投稿します。

数年ぶりの盛大に開かれた花火大会の帰り道

夜風も気持ち良いし、電車は混むので徒歩で帰る事に。


「やっぱり、間近で見る花火は最高だね~♪」


どんなに良いスクリーンと音響設備があっても

再現する事の出来ない感動的なリアル花火っ!


「見に来てよかった~♪」


一応、私の家からでも花火は見えるのですけど

ビルとかマンション隙間からなので全体は見えないのです。

なのでっ!

私史上、珍しく急遽っ! 花火大会に来てみたのです♪


「ふにゃぁ~♪ 夏を満喫って感じ~♪(嬉)」


元々、電車で帰っても駅から家まで10分くらい歩きますし

花火会場から斜め方向に道を進めば徒歩でも40分くらいの距離です。


「綺麗な花火を見て気分も良いし、徒歩も悪くないかもね♪」


そんな事を思いながら歩いていると

少し先に不自然に歩く人影が。


「なんだろ? 足でも挫いたのかな?」


片足を引きずるように体を左右に揺らしながら

一歩一歩を重そうに歩いていく女性の姿が。


「だ、大丈夫なのかな?」


一応、物騒な世の中でもあるので・・・

見える範囲の所持品や両手に何か持っていないかとか

後ろ姿しか見えませんが注視しながら

徐々に近づいてみたのですが

特に、その様な危険性は感じられず

本当に、足をどうかしたみたいですので

声をかけてみる事に。


「あの~? 大丈夫ですか?」

「びくっ!」


急に大きな声で話しかけた訳じゃないのですけど

私が心配していた以上に驚かせてしまったらしく

その人は、すっごい姿勢を正してこれこそ直立不動!

って感じで固まってしまいました・・・


「あわっ! 驚かせてすみません・・・」

「い、いえ・・・(汗)」


見た所、衣類に汚れなどは見られないので

転んだり、事故に巻き込まれたりとか

外傷っぽいのは見られません。


「あの? どこか怪我でも?」

「あぁ~ これは小さい頃の事故で」


あまり詳しく聞くわけにはいきませんが

どうやら小さい頃の事故によって

足に後遺症が残ってしまったそうで

偶然、帰宅方向が途中まで同じらしいので

一緒に歩いても良いか確認してみる事に。


「良かったら途中までご一緒しても?」

「えっ? 見ての通り歩くのが遅いですからご迷惑に」


その人、別に荷物とか持っていませんし

多分、私が居なくても何も心配ないのでしょうけど

暗がりの道でバランスを崩してとかの危険性が

ゼロではないので、途中までと思ったのです。


「こちらこそ、差し支えなければですけど・・・」

「じゃぁ、お願いしても良いですか?」


と言うわけで、この先にある歩道橋まで

ご一緒させていただくことに♪

距離にして、ここから微かに信号機の明かりが

見えるくらいの区間だけになりますが。


「今日の花火、綺麗でしたね~」

「久しぶりでしたから余計にでしょうね♪」


非日常な綺麗さと迫力で気持ちを晴らしてくれる

夏の風物詩はやっぱり必要不可欠な要素なのですね。


「また来年も観られると良いですね~」

「そうですね」


歩幅を合わせ、そんな他愛もない会話をしながら

歩くこと十数分。


「あっ・・・ 休憩とか大丈夫ですか?」

「お気遣いありがとうございます。大丈夫ですよ」


あまり会話を多くして歩行以外で呼吸を乱したり

体力を消耗させてしまう訳にもいかないので

話題も少なめです。


「疲れたら言ってくださいね?」

「えぇ、ありがと」


そこから、また歩くこと十数分。

段差などが無いか女性の足元に気を配りながら

無意識に、ふと歩道橋の方を見てみると


「???」

「どうかしました?」

 

別に、何か問題があるわけじゃないですけど

私が最初に声をかけた場所から見た時の風景と

数十分歩いた場所から見た風景に、あまり変化がなくて

思っていたより進んでいない気が・・・


「な、何でもないですよ? 夜風が涼しいなって」

「そうですね、心地良いですね」


そして、更に歩くこと数十分。

トータルだと30分以上は歩いていますが

相手の歩幅とペースに合わせているので

通常の2~3倍の時間が掛るのは当然なのでしょうけど・・・


「あの・・・ 今も痛みとかは残っているんですか?」

「足ですか? 特に痛みとかはありませんよ?」


痛みに耐えながら無理に歩いている訳ではないらしいので

引き続き歩幅を合わせ、ぽつぽつと会話を挟みながら

再び30分ほど歩くと、ようやく歩道橋のある交差点に到着しました。


「歩道橋まで来ましたね」

「一緒に歩いてくれてありがとうございますね」


私が最初に声をかけた場所から約1時間程が経過してました。

多分、通常なら7・8分くらいの距離でしたので

何となく経過した時間に少しだけ違和感を覚えましたが・・・


「それじゃ、私は右方向なので・・・」

「ありがと。一緒に歩けて楽しかったわ」


そう言うと、女性はポケットからキーホルダのような物を

取り出し、私へ差し出してきました。


「これは?」

「親切にして頂いたお礼に、竹鈴を贈らせてちょうだい」


竹鈴は、竹で編んだ小さな籠の中に鈴を入れたタイプの

とても可愛く優しい音色がする和風の鈴らしいです。


「私は一緒に歩いていただけですからお礼なんて」

「お礼だから遠慮しなくて良いのよ。  それとね?」


女性は私の手をとり、竹鈴を掌にそっと乗せて

贈ったあとに言った一言が、何か異様に感じました。


「どうかしましたか?」

「それとね、私はこの交差点で事故にあったのよ」


そう言われ、反射的に車の行きかう交差点に

目を奪われましたが慌てて視線を元に戻すと・・・


「えっ?」


先程まで一緒にいた女性の姿は何処にもなく

悪戯で物陰に隠れるにしても目を逸らした数秒では

無理な場所です。


「どういうこと?(焦)」


けれど、先程までの事は幻などではないようで

恐る恐る、確かに握られている竹鈴を確認しようと

手を開くと、竹細工の部分が突如割れたのか

静電気のような痛みとともに竹鈴が跳ねて

転がってしまいました。


「な、なんなの!?(怖)」


とりあえず、慌てて転がった竹鈴を拾おうと移動した途端

すぐ後ろで大きな衝突音が鳴り、驚いて見てみると

そこには、植え込みとポールをなぎ倒して歩道に乗り上げる

大破した車がありました。


「!?」


結局、あの女性は何処に姿を消したのか分かりませんし

この交差点で事故に遭ったのかもわかりません。

けれど、頂いた竹鈴によって助けてもらったのは

事実みたいです。

最後までお読みいただきありがとうございました。


ギリギリ書き終わって、締め切り4分前で誤字に気づき・・・

修正していたら投稿内容が最初からになってしまい

時間切れになってしまいました(泣)


なのでっ!

公式企画には参加できていませんが

気持ちだけは参加ということで・・・

許してほしいです(泣)


初めて・・・

投稿の締め切り期限を超えてしまいました。


明日から頑張るぅ・・・

って! もう日付変わってますねっ!(泣)

今日から頑張るっ!(涙)


これって!

夏休みの宿題状態ですねっ!(笑)

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― 新着の感想 ―
[良い点] 掲載日が8月25日0時10分になっている……!  企画参加にならず、残念ですが、お疲れさまでした。 温かみのあるホラーとして楽しく読ませていただきました。 歩道橋までが長くなったのも、気の…
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