39 邪念の暴虐 Ⅲ
木・
ブクマ、いいね、誤字報告、感想等ありがとうございます!!!
拙いですがよろしくお願いしますm(*_ _)m
「ユキ…出番みたいだぞ、準備は出来てるな?」
プル!!!(いつでも!!!)
雑魚沸きギミックは予想していた通りやはりきた、俺はユキといち早くボスに近づき、事前に伝えていた魔術をユキに使ってもらう。
プル…プル!!!
これは以前のボス戦でユキが使用した魔術だ、ユキが震えだし一際大きく震えると空高く魔法陣が展開され、魔法陣その物が落ちてくる。
パキンッ
周囲が一帯が一瞬にして氷漬けになるのを見つつ、やっぱりこの魔術は凄いカッコイイと感じる。
「ユキ!まだ魔術撃てるか?」
プル!(あと1回!)
「十分だ!ユキの魔術見せてやれ!!!」
「属性付与風!魔剣解放!」
プルプル!!!
今度はユキが無数の魔法陣を展開し、氷柱の雨をボスに降らせる。レベルアップの恩恵だろうMP総量が増えたお陰で、あの広範囲凍結魔術を使っても次の魔術が放てるみたいだ。俺も風属性を付与した魔剣でボスに斬り掛かる。
最初に俺の魔剣での攻撃が当たり、凍結状態が解除されるがユキによる氷柱魔術が全て命中し、再び凍結状態にすることが出来た。今の攻撃で敵のHPを1.1割程も削り、残りHPバーが半分を切っていた。え?俺の攻撃?0.1割ですけどなにか?
「ちょっと貴方何やってるのよ!1人で突っ込むなんて馬鹿じゃないの?それにこの状況はなに!???」
そう言って来たのはゴスロリ少女だ。そうじゃん皆で攻撃した方が良いじゃん!!!てっきり、俺1人で何とかしようとしてたよ…ってかこのゴスロリ少女、少し見ない間にかなりイメチェンしたな。痛々しい亀裂とか入ってるし…HPとかほぼ無いし…何があったらそうなるんだ?
「今の見てたろ、この状況は長くは持たないから…次は皆も合わせてくれ!」
プル!!!(ふっか〜つ!!!)
「っ!説明になってないわよ!!!!」
「分からないが分かった、やってみよう」
「うん、僕も頑張ろっかな、今しか出来ない技使っちゃお!」
「儂はあまり力になれそうにないが…儂もやってみようかの!」
プル!(がんばる〜!)
「んんっ!もうっ!!!わかったわよ!!!」
そう言いながらユキに魔力水を2本あげMPを回復させる。それとマイラよ、ぶりっ子しても遅いぞ、俺はお前の本性知ってるからな!
「それじゃあ、ユキもう1発頼むな!!!」
プル!(任せて!)
「いまだぁぁあ!」
「ふぇっ!!!」
「ここだな![瞬歩][雷鳴の刃!]」
「タイミングは覚えてるよ![魔輪双撃!]」
「むむっ!ここじゃな![シールドプレス!]」
プルプル!!!
「ブモォッ!………」
約1名出遅れはしたものの、AGIに物を効かせ攻撃を与えていた。全員の攻撃を一斉に喰らい最後にユキの魔術が突き刺さり再び凍結状態になる。今ので残り3割半にまで削ることが出来た。
「ガッハッハ!やってるじゃねーか!俺も混ぜて貰うぜ!」
「ゴリさん!助かります!」
プル!
ボスウルフの時と違ってゴリさんの復帰も少し早くなっている気がするな。だけどそれは敵も一緒見たいだ、雑魚達の氷が溶けるのもかなり早くフクロウに関してはほぼ溶けかかっていやがる。後2回は嵌めれば倒せたのだが…このままでは間に合いそうに無いな…
「もう一度行きますよ!」
「やるならさっさとやりなさい!」
「スキルはもう使えんが…一矢報いてみせよう」
「僕ももう他のスキルは使えないかな…」
「儂も今回は参加出来ん…雑魚共のヘイトを買う為に動かねばなるまい」
「ガッハッハ!ワシにまかせぇ!ベンダーのじっちゃんは自分の仕事に専念してこい!」
三者三様に声が帰ってきて、参加組の殆どはスキルが使えない為準備も必要ないと…ゴリさんも詠唱を始めだし何時でも行けるアピールにサムズアップを送ってきたので、俺もサムズアップを送り返す。
「よっしゃぁ行くぜ![ライトニングフラッシュディスケイション!!!]」
「ユキ頼んだ!」
プルプル!!!
ゴリさんが少し前に見せてくれた雷を纏い突撃するスキルがカースドキングボアに命中し、吹き飛ばす。空かさずうな太郎さん達による、一太刀、二太刀と斬りつけられ、最後にユキの魔術が突き刺さり、凍結状態にする事が出来た。今の攻撃で2割と少しと、次の攻撃で2割に到達出来るだろう所まで来た。
「どうやら、時間の様だな」
「ワシも、スキルを使いすぎた様だ、ボスとは戦えそうにねぇ…それに仲間も少しピンチ見てぇだから向こうに行かせてもらうぜ」
「イノシシちゃんはまた僕達に任せていいよ!」
他のプレイヤーの氷が溶けるとほぼ同時にフクロウの氷も溶け、あちこちで雑魚との戦闘が始まって行きゴリさんが雑魚戦に混ざりに行く。
「ここで雑魚狩りを少しでも進めてからボスを一斉攻撃するか…ボスを優先するか…また増える可能性もあるか…太郎、ボスに突撃するぞ!」
「そう来なくっちゃ!」
ラミさんの思考が定まり、うな太郎さんがボスに突っ込んで行く。ボスに一太刀浴びせると、凍結状態は解除され、HP残量が2割になる。
「ブモォォォオオオオオ!!!」
本日何度も聞いた一際大きい咆哮をすると。全身に赤黒いオーラが纏い、HPバーの下部分にバフ表記が追加されている。
「ブモォ!!!」
「うぐっ!!!」
「ぐあっ!!!」
う、うな太郎さんとRAMISAKAさんが吹き飛ばされた…被弾した位で何をそんなって思うかもしれないが、今日一度もこの2人は被弾した所を見ていないのだ…それがこのタイミングで当たるようになりましたって、割とマジで洒落にならねーぞ!他にヘイト買える奴なんていねーぞ!!!
なにかないのか…なにか……あっ!あるじゃん!!!
正直賭けに均しいけど、あの二人なら何とかなってくれるでしょ。って信じるしかないんだよな…あの二人以外にボスのヘイト買える人居ないんだし、何とかしてくれよ!!!
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RAMISAKA視点…
「急に早くなるとは…」
「力も強くなってるね、あれ…」
「なるほどSTRとAGIの上昇…他にもあるかもしれないと…太郎…正直な所行けそうか…?」
「今のままだと、キツイかも…と言うか負けちゃうな…」
「そう…か…ここまでかもしれんな…」
太郎がここまで言うのなら私でもヘイトを買う事は自殺行為になるだろう。太郎の回避能力に関しては追いつく事が不可能な領域に居る。切り札も既に切ってしまっている為、ここから巻き返す事は不可能だろうと悟ってしまった…
「太郎…せめて…少しでも時間を稼ぐぞ!」
「そうだね…僕達がやられても、皆が倒せれば遠征自体は成功と言えるもんね!」
「あぁ、そうだな…では、行くぞ!」
ボスを見据えようとして違和感を覚える…こんなにも辺りは暗かったか?と…モヤの様な物が充満し、暗視はあれど、明るいとは言えない視界なのに、更に暗く見えなくなっていく。
「これも、奴の仕業か!?」
「流石にこれ以上は僕にも無理…」
「何だよこれ!変なデバフが付きやがった!!!」
「なにも見えねーぞ!こんなギミックは反則だろ!!!」
どんどんと増していくモヤにより少し先に居たはずのボスの姿は完全に見えなくなり、雑魚戦中と思われるプレイヤー達の焦りの声が聞こえてくるのだった。
という事で主人公仲間を追い詰める回でしたm(*_ _)m
読んで頂きありがとうございます!




