36 とある生産系配信者
木・
ブクマ、いいね、誤字報告、感想等ありがとうございます!!!
拙いですがよろしくお願いしますm(_ _)m
「ブモォォォォ!!!」
「いや、ありえねーだろ!なんだあの動き!!!」
『これがうなクオリティwww』
『でた暴君、PSマジバケモンだよなw』
いや、マジでどうなってんだよっ!体格差的に角で打ち上げられたら、一溜りもないはずなのに、剣で逸らしながら回避とか意味わかんねーよ!浮くどころか軽くバク宙したくらいだし、その間も回避し続けるって猶更意味わかんねーよ!
「それに、うな太郎ってふざけた名前だな!」
『それなwww』
『確かに名前適当すぎるwww』
『なおPSは本物!そこに痺れる憧れる!』
『あれは真似しようとしちゃいけねー代物や!』
『暴君だからしゃーない』
「暴君?暴君と言うより勇者とかじゃないんだな」
『いや、勇者とかありえねーわwww』
『戦えば一方的虐○に終わるからなwww』
『暴君に慈悲はないからねwww』
『かなりのバトルジャンキーだしなwww』
「なるほど、それに女性の方もヤバくないか???」
『剣姫ですね!今日もお美しい!!!』
『あの二人はPSバケモン勢だからしゃーない』
『↑お前いつもしゃーないのなwwwww』
『いや、割と真面目に如何にもならんで、あの動き真似出来たら1万投げるわwww』
「うん、無理だな…ってか生産職に何やらす気だよ!!!」
あの剣姫と呼ばれる女性はアクロバティックな動きこそ無いものの、未来予知にも似た動きで確実に避け続けている。リアルでも剣術を習っている様なスキルなしでの攻撃ですら形がきれいなのだ。戦闘職じゃなくてもあの動きを凡人が出来る動きを軽く超えている事くらいは分かってしまう。他にも動きが上手いプレイヤーは数多く見てきたがこの二人の足元にも及んでいないだろうなと感じてしまった。
暴君や剣姫と呼ばれるプレイヤーに十分にヘイトが溜まった所で俺でも知っているプロゲーマーのマッスルゲームズの人達が戦線に復帰し始めた。
「今なんかタンクの人が戦線に戻った時、何か聞こえなかったか?」
『ベンダー様の!!!!!』
『仰せのままに!!!!!』
『出やがったよ信者www』
『二つに分けるなw』
『こんなとこにも居るのかよwww』
「え?ナニコレ?」
『通称ベン教:優男で声も少し幼く感じる、更におじちゃんロールプレイと言う背伸び感からかっこいいとかわいいとかで一部の熱狂的ファンによって出来た組織』
『説明ニキあざす!』
『真似してタンクスタートしてる人も多いイメージ』
「い、いろんな人がいるんだな…っおい!あれ!タンパクさんテイムモンス出すぞ!!!」
『ふえっ!!!』
『ふぁ!!!』
『脱ボッチじゃん!!!』
『まじじゃん!やっとテイムしたんだな!』
『タンパクさん確かテイムせずにLv20になったら[ボッチ]とか言う称号手に入れた人だよねwww』
マッスルゲームズのテイマーのタンパクさんから召喚スキルのエフェクトが出てくる
「そうそう、ってかあのムキムキなゴブリンモンスなんか!?!?」
「くくっ、笑っちゃダメなのに、ヤバっ、腹が、くくっ」
『ゴブリンとか予想外なのに更に予想外すぎるwww』
『ファンタジー物だとホブゴブリンと出てくるけど、あれただのゴブリンじゃんwwwなんだよあの筋肉量wwwww』
『タンパクさんバフてんこ盛りしてるのに、ひたすら石ころ投げてるのシュール過ぎるわwwwww』
コメントでもある様にタンパクさんがバフを盛りに盛ったゴブリンはひたすら石ころを投げている、ある時は地面の石を、ある時は腰巾着の中から取り出してひたすら投げる、投げる、投げる。見てるとまた笑いだしそうになるので他に目を移すも周りの人も目が点になって視線の先にマッチョゴブリンと無限ループに入りそうになった。
「ん?みんな退避しだしたぞ!?」
『ゴリさんが真面目に詠唱してるだと!?』
『純粋な魔法を放つのか!?』
『初めて見るかもしれん!?』
ゴリさんが詠唱を終えると空が暗くなり始め、暗雲が空に出来上がる。ピカっと光が一帯を照らすとゴォォォンという音と共に雷が落ちた。ゴリさんに。
「な、なにが起きたんだ!?ゴリさんめちゃくちゃバチバチ言ってるぞ!?」
『うわっ!!!結局こうなった!!!』
『魔法(物理)発見しちまったんだな』
『ゴリさんが初発見か!?』
『はやっwww』
コメントのはやっ、がどっちの早いを意味しているか分からなかった、ゴリさんが雷の如き速度でカースドキングボアに突っ込んで行ったからだ。目で追えるハズもなく気が付いたらドォォォォンと言う音と共にカースドキングボアに突撃した後であった。あの巨体のカースドキングボアが宙に浮き転がって行ったのを見てほぼすべてのプレイヤーが固まっていた。すごい技を繰り出すのだろうと予想していたが予想の斜め上をいかれてしまったのだろう。
「ブモオオオオオ!!!!!!」
カースドキングボアのHPを確認すれば全体の2割のHPが削れている。カースドキングボアの怒りの咆哮が響き渡り、いままでのボス戦道理ならギミックが発動する頃合いだろうと身構えていると…
「ブモオオオオオオオオ!!!」
「うそだろっ!!!こっちに来やがった!!!」
『ヘイト無視の後衛から狙うのかよ!!!』
『主ヤバいじゃん!!!』
『はよ逃げっあっもう遅い!!!』
生産職で一塊になって最後方に位置していたこともあり、それが仇になったのか此方に一直線に突撃してくるカースドキングボアを止める手立ては何もない…逃げるにも速度が高く他プレイヤーの助けも期待できそうにない、ゴリさんの先程の技ならと思ったがゴリさんは非常にまずそうな顔をしている点から連続して放てる技でもないのだろう…これは完全に八方塞がりですわ…
「はぁ~、最後まで配信に残しときたかったな…」
他の生産職のプレイヤーも一応投擲武器を投げて見てはいるものの上手く当てられる者もおらず、当てられても怯みすらしない…俺自身諦めの境地にたっていた。
ズドォォォォォォンッ
この音を聞くまでは…
「なんだよこれ…」
『まじでなにこれ?』
『誰かの魔術か!?!?』
『火柱立てる魔術とか聞いたことねーぞ!!!』
目の前に広がる光景は、5つの火柱がカースドキングボアを中心に立ち上がり、今なお消える様子がない。
「おいっ!早く離れるぞ!!!」
「お、おう!」
白髪の頭にマシュマロみたいな何かを乗っけている人が此方に走ってきてそう告げてきた。確かにそうだ、このチャンスを逃せばまた絶対絶命に陥る、そうなれば次はもうないかもしれない。今の内に戦闘職の人たちの近くに行かなくては!
読んで頂きありがとうございます!
次話は間に合えば明後日までには投稿予定ですm(_ _)m




