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影の進化  作者: アカグラス
25/42

25 運営回 1

誤字報告ありがとうございますm(_ _)m


運営回…25話しか作ってないですが1番難しかったかもです…


拙いですがよろしくお願いしますm(_ _)m

 

≪警告:特殊ボスモンスターが召喚を確認しました≫

≪レイドクエスト:怨念の刻参りが開始します≫

≪ワールドクエスト:罪過の忌まわしが開始されます≫

≪攻略に必要な情報が揃っていません、情報が秘匿されます≫


 それは、リリース初日の動向を見守っていたAI管理システム室にてルビからの通知音声だった。


「主任!例のイベントが開始されました!」


 そういうのはクエスト・イベントのシナリオ担当の田中である


「おいおい、随分早いな!」


 複数のモニターがある中、3つのモニターに巨大スライムと黒狼と1人のプレイヤーが映し出され、主任と呼ばれる男性が覗き込む。


「このプレイヤーがトリガーを引いたみたいです!」


「なにでトリガー引いたんだ?」


「どうも、キャラ作成時の称号の影響で()が動いたことが発端らしいですね!」


「ふむ、ルビから聞き出したのか」


「そうなりますね、実名についてはルビに制限をかけたおかげであかされてませんが…他にも数名は称号を手に入れてますね」


 そういい参照データを見ていく田中を横目に主任が口を開く


「あぁ、称号事態は予想道理の展開だな、だがこんなに早く()()()()が動き出すとはな…」


「どうも称号進化の影響で気に入られたみたいですね」


「なるほど…それでイベント進行か…少し展開は早いが賭けに勝ったな」


「はぁ、そういいますが、一歩間違えば炎上間違いなしですよ?」


 そう、これは一種の賭けだ、人知れず大国含む複数の街が滅びていたかもしれないのだ、今後の第二陣も控えてる中そんなことになれば炎上間違いなしだろう。


「遅かれ早かれトリガーは引かれていたさ、これでオリジナル性も出せていいだろ?」


 確かにこのご時世MMOゲームは無数にあり、オリジナル性を問われているため出だしは好調と言える、主任がいうトリガーとは他にもいろいろ設定はされていため2、3日もすれば引かれていた可能性はかなり高い。


 それに、公式主催のイベントが開催されるのがベータ版との差を埋める意味でも、2週間後の開催となっている、それまでにオリジナル性が見いだせない場合やめてしまうプレイヤーが出てしまうためこの賭けのようなクエストを主任が提案してきた。


「んなっ!しかもこのプレイヤー、エリーゼとも知り会っているじゃねーか!おい!サブを何にした!」


「サブ職は錬金術士ですね…」


「…ルフステに気に入られて、エリーゼと知り合いになるとはな…とんだダークホースが出たもんだ」


「多分、このプレイヤーが最初にタイトル回収しそうですね…」


 最初に進化するのはベータ上がりの現在トップ層にいる誰かだと皆予想していたのだが、一番近くなったのが突然現れた無名プレイヤーになってしまった。


「ん?このプレイヤーさっきからかなり逃げ回っているな」


「まぁ、レベルも低いですしね」


「…それもそうだが…この先にあるのって…」


「なにかありましたっけ?確か研究室がありますが、結界が張られて…あっ!!!」


「称号効果で結界超えられちまうな、そうなるとクエストはどうなる?」


 そう、仕掛けもあるが彼は錬金術持ちだ越えられる可能性がある、このイベントのキーモンスターがそこにはいる、もし狩られでもしたらAIのクエスト自動進行状態に移るため俺にも分からなくなる。


「最悪、討伐された場合はAIの自動進行に移行しますね、そうなればどうなるかはわかりません」


「そうか…そうならないことを祈るしかないか…」


 それからは祈るように画面を見つめる事しか我々にはできなかった


 ――――――――――――――――――――――


「やはり仕掛けを解除してしまったか…」


「あぁ、やばいですよ主任!討伐されてしまいます!」


「落ち着け、まだそうと決まった訳でもないだろ」


「み、み、見つかったああああ」


「ん?魔力水だと?嘘だろ……仲間にしやがった…この場合シナリオはどうなってる?」


「確認したところシナリオに変更はありませんね…」


 進行状況を確認するもシナリオの変更はされていなかった


「ふぅ、なんとか討伐はされなかったな!」


 討伐されなかったことで主任が安心した表情をしている


「討伐はされませんでしたが、仲間になっちゃったじゃないですか!?現実を受け止めてください!」


 このプレイヤーは本来立ち寄ることのできない場所に運よく来てしまい、本来、テイムもとい仲間にできるはずがないイベントスライムを仲間にしてしまった。


 いや、正確に言うならばAIが設定した、仲間にするための条件が、ピンポイントで揃ってしまっていた。


 まず、時間的問題だろう、このスライムは自力でこの研究所から出ることになっていたし、イベント開始早々に訪れなければ、出会うことはなかった、そして称号の有無、自身の魔力を帯びた魔力水、これらが揃って仲間になる非常に厳しい条件だったのだ。


「はぁ~…しかし、なるようになれとしか言えんな、シナリオを今から変える事はできない」


「今のレベル台だとゲームバランスが崩れますよ?それに…このスライムのレベルが上がれば…」


 このスライムはイベント用に用意されたスライムであり他の同レベル台よりステータス値が強設定になっている、レベルが上がるにつれイベント進行に支障が出るかもしれない…


「あぁ、このプレイヤーがどれだけ好感度を上げられるかにもよるが…俺としては…あまり入れ込み過ぎないことを願うよ」


 そう言って、主任は自分の席に戻っていく、もうイベントは動き出し、討伐されなかった事によりシナリオの変更はされなかったが…されなかったことによる被害者が出ようとしている…


 画面を見ればユキと名ずけ可愛がるプレイヤーの姿が映し出されている。


「どうか、このプレイヤーが挫折しませんように…」


 祈りは誰も聞くことのない呟きで終わり、俺も自分の仕事に戻るのだった


読んで頂きありがとうございます!m(_ _)m


物語の1つの章が幕を閉じ、次章に移ります(自分の中の)


次話は15時に投稿予約しました。

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