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M.diary  作者: 何故
8/10

作文能力の無いとある学生の日記ー8

 今日も鐘は鳴る。林崎はやしざきゆかりが死亡しました。と、今日も画面から何の感情も無く伝えられる。残ったのは僕含め五人だけ。もう、後が無い。それが目に見えて明らかだった。そこで僕は一つの決断をした。アダチを追放する。その理由は、ヌマタが守らなかったからだ。彼は渡邊が死んだその日からアダチを守っていないとこっそり教えてくれた。つまりこれはアダチが間違いなく黒陣営だという事だ。いくら真偽が怪しいとはいえ本人から接触が無い限り不安要素は排除するはずだ。それに加えて指導者を消せば参加者を操るのも容易くなる。そこで僕はアダチを追放する事を提案した。ここで何故僕が焦っていたかというと、ここで白陣営を追放する、もしくは誰も追放しないということが起こると、狂人が生存している場合、黒陣営は白陣営を一人殺せば投票による追放は不可能となる。多数決が行えなくなるからだ。それで僕は焦っていた。これを伝えると、アダチを除く全員が賛同してくれた。そして夕方まで待つと、即刻に会議を終了し、アダチに投票した。もちろん何か不備が起こる訳も無く、アダチが追放される事となった。画面には投票により安達あだち弘和(ひろかず)が追放されます。と表示された。そしてあの無数の手が安達を襲った。彼は追放されると決まった時からずっと僕に対して暴言を吐き続けた。だが言ってる事は小学生と変わらないぐらいの内容だった。死ねとかクソとかそんな言葉ばかりだった。だけどもこれに僕は相当堪えた。紛れも無い僕の言葉で彼を殺したのだ。いくら暴言を吐かれようが、僕は目を逸らしてはいけない。方法は変われど人を殺す事には変わり無い。彼が引き摺り込まれるのを見ながら、僕はそう考えた。僕が殺したんだ。それは、絶対に背を向けちゃいけない。見て見ぬふりをしてはいけない。正面から、この現実を見なければいけない。これが、人を殺した者が背負わなければいけない事なのだと、改めて感じた。

 だが、それでもゲームは終わらなかった。つまり人狼は生き残っているということだ。今度はヌマタしか信じられない。残ったのはキドとハルト。奇しくも安達が白出しした者だけが残った。もうどちらを選べば良いのか。僕には分からない。次こそ僕かもしれないその恐怖で眠れる気がしない。じっと僕はベットの上でじっと鐘が鳴るのを待ち続けた。今までは鳴らないでくれと願っていたのに、今は鳴るのを心の奥底から望んでいる。一分一秒と過ぎて行く時間。何時間とある時間を僕は数日が過ぎているのではと思う程に落ち着きがなかった。だが僕が殺される事は終ぞなかった。鐘が鳴った。恐らく僕は今までしたこと無い程鐘に感謝して、講堂へ向かった。

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