作文能力の無いとある学生の日記ー7
今日も鐘は鳴る。人の死と共に鳴り響く。しかも恐れていた最悪中の最悪の事態が起こった。二人死んだのだ。死んだのはニイイとサイトウだった。中心にいた者が死んだ。これで誰も信用出来なくなった。画面には新井日向と斎藤颯汰が死亡しました。と表示される。ここで判明したのだが、ニイイ、いや新井は名前を偽っていたという事だ。だがここは誰も信じられない空間である。偽名を使ってもおかしくは無いと一人でに結論付けた。ここで僕が占い師から白出しされたという事と、まだアダチより信用できるということから新井に代わって指揮を取る事になった。一応アダチの占いを訊くと、キドが白だと言った。だがハルト同様に信用はしていない。アダチが黒陣営だった場合、ハルトとキドのどちらかか両方が黒陣営の可能性がある。あくまで参考程度に気に留めておこく。だがそれ以上に話すことは無い。誰を追放するか。その議題で尽きなかった。これは鐘が鳴り中断しても、夕方でも尽きなかった。そして結果として一番発言していないのが怪しいと、ヌマタを追放しようとなった。だが彼はここでとんでもない事を告白した。自分が白陣営で唯一名乗らなかった騎士だと話した。そして彼は新井や渡邊、アダチを守っていたという。対抗も出てこなかったので、ここへ来て希望が見えてきた。ということは、彼がいなければ早々にここは崩壊していたということである。通りで新井が死ぬのが遅過ぎる訳だった。それでは誰を追放するか、これはヌマタの次に怪しかったアベになった。寡黙な性格なのか、まともに会議に参加しなかった彼に矛先が向いた。そして画面には投票により阿部充が追放されます。と表示された。だがここで彼もとんでもない事を告白した。自分が人狼である。と。これは全員のド肝を抜いた。そして捨て言葉に人狼はまだ一人残っている。せいぜい頑張るんだな。と高らかな笑いと共に扉の中へ引き摺り込まれていった。彼は一切抵抗しなかった。これで疑心暗鬼はより一層激しくなった。そして全員がヌマタに自分を守ってくれと頼み込んでいた。ここで騎士の能力を訊いてみると、人狼は毎晩特別な鍵を入手し、——ただし使わなければその晩の内に消滅するという。——それを用いて部屋に侵入して殺すというらしい。そこで騎士は毎日一人だけ部屋の鍵に特別な細工を仕掛けることが出来、——これも人狼の鍵と同様に、一晩で消滅するらしい。——人狼の入室を防げるというものだという。だが彼は既に仕掛け終わった後だと言い、全員が落胆した。中にはこれで自分が死んだらどう責任を取るんだとか、訳の分からない事を言う者がいた。率直に言って何言ってんだコイツという、何とも馬鹿らしくなった。