プロローグ
(この作品は二人で作っています。温かい目でご覧ください)
東京といえど都心から少し離れたこの場所は夜になると人通りが少ない。
そんな中、励は1人財布と携帯だけ持ちコンビニへ向かっていた。
大方、桜と光にでも頼まれて買い物に出ているのであろう。
(あー…寒っ)
3月になり、暖かくなって来てはいるがやはりまだ夜は冷える。
早めに買って帰ろうと足を速める。
店の前まで着くと子供が1人、外に立っていた。
きっと親が買い物しているのを待っているのだろう。
そう考え店内に入り、カゴの中に適当にビールや缶チューハイを放り込む。
会計を済ませ外に出ると子供が蹲っていた。
「おい、大丈夫か?」
面倒事はごめんなはずだが気がついたら声をかけていた。
「1人か?親はどこ行った」
子供は震えながら答えた。
「……僕は…お父様から…逃げて…きました…」
逃げてきたと言うことは家出だろう。
面倒くさくなってきた夜風は携帯を取り出し、警察に連絡しようとすると子供がしがみついて、
「お願いしますっ…!僕が出来ることはなんでもしますから…家に帰さないでください…」
涙目になりながら哀願され同情したのか、夜風は一旦家に連れて帰ることにした。
その時はまだ、目まぐるしくも楽しい日々が待っていることに気がついていなかった。