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岩下 さくら編 アークと魔法の本 その6

<北条 彩乃サイド>


【通知:異世界を覗ける水晶がLv2になりました。選択した者(物)の心を覗けます(1日1回5分のみ)】


「うん? レベルアップ?」


寝る間も惜しんで、水晶を観察していたから? う〜ん…。心ね…。


わたしは魔法の本(岩下さくら)を指定してみた。


(絶対アークに私を読んでもらうの!)


えっ! さくらって、異世界に…本に馴染みすぎていない!? 確かに本が大好きだったけど、こっちに戻れないのに…悲しかったり、怖かったりしないのだろうか?


(アークたん、可愛い…。私のタイプかも。石田 悠人くんに似てるし…)


えっ! さくらって、ショタ好きなのっ!? 


(駄目! アークたん、そ、そこは…触っては駄目ぇ〜)


見るんじゃなかった…。指定解除。


親友の見てはいけない部分を見てしまった…。気分転換に孤児院の様子を見ることにした。


アークが積極的に孤児院の手伝いを始めたことにより、登場人物が増えてきた。


孤児院で最年長のパメラは女の子の14歳で子どもたちのまとめ役。パメラの容姿は貧民街でも評判の美人だ。この頃、商人たちからの養子縁組、鍛冶屋や肉屋の息子との縁談など、忙しい毎日を送っている。


ギームスは12歳の男の子。孤児院での教育係。パメラに片思いしているが、叶わぬ恋だと自重している。最近入ってきたアークとシルシーの扱いに悩んでいる。アークの身分が貴族に近いものと理解し、シルシーは元スラム街出身だと直感でわかっていた。


アンダは7歳の男の子。ギームスのことを本当の兄のように慕っている。同い年の7歳のヒルクとも仲が良く、孤児院の中ではムードメーカ的存在でもある。


ブリンダ0歳の女の子。一番新しい孤児院の仲間だ。シスター・ベルティーアの睡眠の敵でもある。


基本的に、孤児院の生活は、完全なるルーティンワークだ。だがそこがいい。健気に頑張っている姿が、見ていて心安らぐのだ。誰も命が危ないような状況に陥って欲しくないのだ。


しかし、ここ数日で、その平穏なルーティンワークに陰りが見え始めた。


貧民街一の美女パメラをめぐる男共の争いが、暴力沙汰に発展してきているのだ。


うん? これは…何かあってからじゃ、遅いよね? リアル時間でカウントされる転送リミットの関係もある…。罪悪感で押し潰されそうになるけど、新しい人を転送しなければ…わたしが死んでしまう。


えっと…どうしようかな…。『とある中年の冒険者が孤児院の目の前を通り過ぎようとしていた。偶然にも美しい少女に伸びる魔性の剣から救ったのだった』


うん。あとは成り行き任せだよね!?


あとは…クラスでしっかりと誰かを守ってくれそうな人物を考える。


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