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北条 悠介編 不思議な仲間たち その3

目的地は、霧の都ベスタラだ。馬車での旅も考えたが、このまま敵地に乗り込んでも、弱いままでは返り討ちにあって、そこで異世界生活が終了してしまう。


だからレベル上げを兼ねて、徒歩で向かうことにした。


「でも。ゆっくり行って、ヴァグナーたちに何かがあったらどうしよう?」


吸血姫のハーデェレンは、表情を一切変えずに答えた。


「もしも、ウェリルメルお姉様に何かあるとしたら、今から急いでも同じことです」


(冷たく聞こえるかも知れないけど、この世界は日本と違って、とても命の重さが軽いのよ。殺される時は、捕まって直ぐに殺されるわ)


と言ったものの、暗黒六芒星魔導書は、まだ幼いアークになったばかりの悠介が、この世界に常識に耐えられるか心配だった。


「うん…。わかったよ。まずは街道を外れて、森の中を進むんだっけ?」


「緊急時は私が対処しますので、魔物は、ご主人様が対応してください」


眼は見えないけど…。暗黒六芒星魔導書は、6系統に各6種類の全36の魔法が使える。その中から、行動に関する魔法を発動していく。


時間魔法からは、一分先の危険予知できる予知魔法と、記憶力が上昇する記憶魔法を。

空間魔法からは、空間を把握する調査魔法と、吸血姫のハーデェレンのために直射日光を遮断するように空間を快適にする快適魔法と、隠れる敵を見つけるため任意の障害物を透視する透視魔法を。

因果魔法からは、不運を除外する干渉魔法と、運気が上昇する運気魔法と、触れた危険物を検知する接触魔法と、天気を予想する天気魔法を。

血書魔法からは、生命反応を探知する探知魔法を。


そして、魔法のランプのマナ感知により、千里眼と同等の力を得たため、自分に不意打ちを仕掛ける魔物など存在しないのだ。


「アーク、一応…俺の炎は、火事になるから、森の中だと使えないぞ」


「うん。わかった」


そして、森の中を歩くこと数分後、5匹のオークを発見した。勿論、相手が認識する前である。


さて…と。アークの魔法は…ほぼ単体戦用なんだよな。いろいろ試してみないと。


まずは、予知を使って、気付かれないように近付き、相手の移動と行動を阻害する…”空間:固定”で1匹目を無効化して、”影戯:盲目”で2匹目を一時的に盲目にする。


相手が騒ぎ出したところで、お師匠様であるヴァグナーから貰った短剣を握りしめ突撃だ!!


3匹目が突撃する僕を棍棒で殴り掛かってきたところで、4匹目と僕の位置を”空間:交換”を使って入れ替えると、4匹目の顔面に3匹目が振り下ろした棍棒が命中する。


4匹目と入れ替わった僕は、近くにいた5匹目を”影戯:脅迫”で影を支配し、盲目になって混乱している2匹目と、固定している1匹目を撲殺するように命令した。


仲間を殺して混乱する3匹目には、”魔鏡:複製”で作った短剣を、”影戯:分離”で分離した影に持たせ刺殺させる。


最後の5匹目は、”血書:吸血”で体力と魔力を回復したあと、短剣でとどめを刺した。

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