加藤 詩音編 メイドインゴーレム その1
<異世界(加藤 詩音)サイド>
スーツ姿の助手っぽい少女がこちらを見る。私が誰だかわからないのだろう…。
「詩音です! 加藤 詩音です…」
「詩音ちゃん!? どうして?」とスーツ姿の助手っぽい少女が駆け寄ってくる。
私はクラスの黒板に”私を上野 栞ちゃんと同じ異世界に連れて行って”書いたことを伝えた。
「どうして!? どうして…そんなことを…。もう、元の世界に戻れないのよ!?」
「いいの…栞ちゃんと一緒が良いの…」
私達の様子を見ていた商人の服装の娘…。この人が奴隷商人であり、栞ちゃんの主人ね。
えっ!? この人って…。
「藤浪 花音さん?」
栞ちゃんも、奴隷商人も驚く。
「おい、加藤。その名で呼ぶな。お前ら、ちょっと来い」
不味いかも…。花音と栞ちゃんは、元の世界だと犬猿の仲だった。余計なことを言ってしまた。
私達は人通りの少ない路地に入る。
「お前ら、異世界に送られたときのヒント覚えてないのかよ!? 転生者だとバレると異端者扱いだぞ?」
「ご、ごめんなさい…」
私は素直に誤り、この世界に来た目的をエーサに話した。
「なるほどな。お前ら出来てたもんな。フェイ、前世では仲が悪かったが、今は関係ないことにしてやる。その代わり、しっかりと働けよ。お前もだぞ、メイ。使えないなら売り飛ばすからな」
私もエーサの奴隷として契約させられた。きっとフェイの事で、私にエーサへの敵意を持たせないためだろう。
「全く、仕事が軌道に乗っていないのに…出費ばかりが増えていく」
「あの…ご、ご主人様は、”帰らずの島”に行くのでしょうか?」と私は聞いてみた。
「あっ!? 行かないわよ? こっちは、こっちで楽しいじゃない」
「私は…帰りたい…」栞ちゃんは泣きそうな声で呟いた。
「恐らくだけどな、あの島は、トップレベルの難易度だと思う。スライム如きで、クリアなんぞ、無理だぞ? 大人しく、異世界ライフをエンジョイした方が良いと思うけどな」
クルッと私の方に向き直ると、ご主人様は質問してきた。
「あと、メイ。こっちに来る前に、誰が転生させられたか、知っている範囲で教えてくれ」
なるほど、情報収集も考えてるのか…。なんだかご主人様が頼もしく見えた。
それに、そうだよ、この世界には、まだ沢山のクラスメイトが来ているはずだ。いつか会ってみたいな…。




