岩下 さくら編 アークと魔法の本 その10
<異世界(岩下 さくら)サイド>
現在、私こと、魔法の本に載っている魔法は、これだけ!!
05:時間:支援:時報(指定):現在の時刻がわかる
06:時間:支援:記録(常時):記憶力が上昇する
10:空間:支援:透視(指定):任意の物を透視する
16:因果:支援:運気(常時):運気が上昇する
18:因果:支援:天気(指定):天気を予想する
23:血書:支援:探知(常時):生命反応を探知する
30:影戯:支援:伝言(指定):影に伝言させる
34:魔鏡:支援:手鏡(指定):手鏡を召喚する
う〜ん…何の役に立つのかな〜??
でも、アークが喜んでいるから、いいかな?? うふふっ…。
ちなみに10番の魔法は、透視する物を目で認識しないと発動しないらしい…。
アークは、孤児院の手伝いで、今はいない。だから私は魔法の本に、もっと沢山の魔法の目次を表示させるべく、必死に修行をするのです。
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<異世界(大山 駿)サイド>
床に敷かれたふとんの上で目を覚ます。仕事柄、目覚めてすぐに、現状を理解した。
くそっ! パメラとベルティーアに迫られて、ギームスが近づいたことに気が付かなかった。オレを刺すぐらいの殺意があったのに!!
しかしメイダスがいてよかった。小さなナイフとはいえ、かなりの出血だったらしい。だが、あのバカ弟子が、衛兵に連絡しやがった。まだ小さな子供だぞ?? 衛兵に捕まれば…いや、もう…この王都で暮らせないだろうな。捕まったら、死ぬまで強制労働か、極刑だ。
ギームスに恨まれる理由がまったくわからんのだが…。
バカ弟子は、恐らく、孤児院の屋根の上だ。そこでギームスが帰って来るのを待ち構えているはずだ。まったく…バカ弟子め…オレが目覚めたら動くと知っていて、全身を麻痺させていやがる…。
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<異世界(夏草 優)サイド>
国が管理する建物を除けば、貧民街にある一番背の高い建物は孤児院だ。俺はその屋根の上にいる。ギームスが帰ってくれば、即捕まえるためだ。
しかし、昨日の夜からまったく帰る気配がない。
おかしい…。あんな小さな子供だ。孤児院に帰ってくるしかないだろうに…。王都を出るにしても…どうやって?? まさか? 手引した者がいるのか!? だとしたら、お師匠様は、狙われたことになるぞ?? 誰に?
俺に剣を教えてくれたお師匠様を狙うなんて、許せぬ!!
「メイダス! ご飯持ってきたよ!!」
うん? 確か…アンダとか言ったな。俺の姿がショタっ子だからと言って…完全に友達扱いっぽいな…。まぁ、いいけど。慣れてるしね。




