岩下 さくら編 アークと魔法の本 その9
<北条 彩乃サイド>
「そのTVを観た日について、何か覚えていることある?」
「えっと…。何かあったかな? 何でそんなこと聞くのでしょうか? 何か重要なことでも?」
「いや、そうじゃないんだけどね。失踪した子が、最後に掲示板を利用していてね。その子と君がやり取りをしているログが、掲示板の運営サーバーに残っていたから」
「そういうことですか…。確かに掲示板は見ましたが、書き込んではいませんよ?」
「そうだったか。浮かない顔をしているが、何か心当たりはあるのかい?」
「TVを観て、ネットで調べて、そこの掲示板を覗いたら、わたしの名前が書かれていて、ちょっと気味が悪いなって。でも…掲示板のことですから、もう気にするのはやめました」
危ない…危うく、”新宮司 純”の名前を出すところだった。でも失敗したかな? 人間って、言い訳する時、正当化するため話が長くなっちゃうんだよね…。
「掲示板とか、怖いからね。色んな意味でさ」
「…」
「失踪している同級生、誰だか知ってる?」
「えっと…。多分、全員わかると思います。正直…学校外の出来事にまで、首を突っ込むのもどうかと考えていまして…」
「そうか。わかった。また来るよ。何か思い出したら、教えてくれ。どんなことでも良い。それが事件解決に繋がるかも知れないからね」
「はい…」
カーテンが閉まると、水晶をかばんから取り出す。
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<異世界(岩下 さくら)サイド>
アークは寝室で興奮していた。
(魔法の本さん、ありがとう! 俺も魔法が使えるようになったんだね!)
(うん。もっと練習しようね。魔法は精神を披露させるから、今日はもう寝ましょう)
(はい。また明日よろしくお願いします)
よっし! アークと会話が出来た!! やっぱりアークは素直で可愛いな。
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<北条 彩乃サイド>
もう夜になってしまったのね。”夏草 優”はどうなったかしら? ギームス捕まえたかな?
ギームスは、影も形も見えなくなっていた。子供が王都から1人で出れるはずがない。そんなことをメイダスが、ベルティーアに報告していた。
ベルティーアは、子どもたちに、ギームスのことは大丈夫と言っていた。だから、こそのアークは自分の魔法を喜んでいたし、アンダとヒルクも安心していたのだ。




