夏草 優編 ショタっ子、草花を詰む その1
<北条 彩乃サイド>
【流行病について】
異世界オリジナルのウィルスにより感染症が大流行することがある。感染症に有効な魔法はない。原因を特定して魔法を構築できる人間などいないためである。また薬が開発されたとしても、貧民街の人間では到底変えない値段だろう。
なるほどー。感染症怖いな。
現在、王都ベスベスタの商人街を中心に、8日病という感染症が大流行している。名前の由来は、8日間高熱が出続けるため。死亡率も結構高い。
貧民街に広がるのも時間の問題でしょ? これは対処しておかないとね…。
『とあるエルフの国で生まれた人とエルフの子。魔法は不得意だが弓も剣も得意だ。世界を巡る冒険者であり、その途中で覚えた薬草学は奇跡とさえ言われる。しかしその正体は不明な部分も多い。なぜならショタっ子であることを気にして人前に出ないから…。そんなショタっ子がアークと出会う』
えっと…誰にしようかな。名前的に、”夏草 優”でいいや。う〜ん、確か、美術部で、あまり目立たたなかった気がする。まぁ、いいよね? ちょっと投げやりである。
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<異世界(夏草 優)サイド>
ついにきた。俺の時代が!! ここは異世界、俺エルフ!! 魔法使える!!
あれ? 魔法使えない!? エルフでもない、ハーフエルフ!? そしてショタっ子??
■名前:メイダス ■職業:薬草学師 ■性別:男 ■年齢:87 ■Lv:35
弓と剣と薬草学に、世界を巡ることが出来た各冒険スキルか…。
まぁ、いいよ。もう…。しかし王都ベスベスタか、何年ぶりだろう?
おっ! なんか記憶と心が、メイダスと同期している??
日本にいたのが嘘のようだ。あぁ…こっちで世界を巡りながら絵を描くのもいいな〜。
そう、俺は今、王都ベスベスタに入るため、長蛇の列の最後尾に列んだ。
まぁ〜。治安とかのためかもしれないが、正直だるい。
俺の装備は帯剣しているレイピアぐらい。でもレイピアは安物でダミー。本命は指輪型の魔道具達。風のレイピア、風のダガー、風の弓矢、風の魔法を発動できる指輪を4つ付けている。防具は皮の鎧を重要な部分にだけ付けている。だって重たいし。それらを外套で隠しておわり。
ちなみに俺、三級冒険者。冒険実績などを考えると二級に昇格できるのだが、二級以上の魔物討伐依頼とか、戦闘力が三級な俺には辛いので、三級のままだ。
「現在、王都ベスベスタの商人街は流行病のため封鎖されています!」
その言葉を聞いた列んでいた商人たちは、半数が帰り支度を始めた。まぁ、商売できないのに流行病のある街に入りたくないもんな。あれれ? 俺って、何で王都ベスベスタに来たんだっけ??
はて? 謎だ?? 思い出せないまま、入都管理の順番が来たので、冒険者ギルドカードを提出した。
「メイダスさん、冒険者ですか? なら冒険ギルドは、すぐそこです」
「あ、はい。ありがとうございます」




