大山 駿編 二級冒険者と加齢臭 その8
<異世界(大山 駿)サイド>
そろりと建屋の角から、孤児院の通りの覗く。するとシスター・ベルティーアが、剣を振りかぶる男から小さな少女を庇う様子が視界に入った。
「スキル:全身強化!!」
その男の剣が、シスター・ベルティーアに届くまで、僅か1秒程度。オレは「スキル:全身進化!!」「スキル:全身神化!!」と次々と強化スキルを発動した。
そして届く、守るべき人、愛するべき人に!!
今のオレの剣筋を見極められるものなど、ここにはいないだろう。暴漢が持つ剣を弾き、素手で殴り倒した。もう1人の男は、「ち、違う」言いながらハンマーを地面に落とした。
「怪我はないか?」シスター・ベルティーアに手を差し伸べる。
グッジョブだぜ!! お前ら!! 最高のシチュエーション、ありがとう!!
駆け寄る少女。抱きしめるオレ。えっ!? 少女!? パ、パメラ??
「ヴァグナーおじさん!! 助けてくれてありがとう…。私、この人と結婚します!!」
「「「「「えっ!?」」」」」
その場に居合わせた通行人も含めて全員が驚く。
貧民街一の美人と、竜殺しの冒険者の結婚??
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<北条 彩乃サイド>
大切なポテチを落としてしまった。いや、なんだよ、こいつ…。
どんだけモテ期がなげーんだよ…。暗殺者でも送り込んでやろうかな? 割とマジで。
うっ、段々ととわたしの性格が歪んできている? いや…気のせいだよね…。
シスター・ベルティーアと貧民街の人たちは、二人の結婚を喜んでいるようだ。
プー…クスクスッ! まぁ、いいよ! 本命に祝福されてやんの!!
その横で、怨みと怒りをグツグツと煮込んでいたのは、叶わぬ片思いっ子のギームス。
あれれ? これって、何かのお楽しみイベントのフラグでしょうか?
大山くんは騒がしい孤児院前から、ダッシュで消えてしまった。
えっと…後始末! どーするの? と、思っていたら、誰かが衛兵を連れてきて、肉屋の息子バリッドと、鍛冶屋の息子ジュークを連行していった。
一見落着でしょうか? 大山くんはシスター・ベルティーアが好き。ギームスはパメラが好き。パメラは大山くんが好き。これって四角関係と言うのでしょうか?
とりあえず、ご飯にしようかな。
「はい、ラーメンひばりです」三日に一回程度出前を頼んでいるラーメン店です。
「いつもお世話になっております。三丁目の北条です。いつもの味噌バターラーメンとチャーハン、あと餃子二人前お願いします」




