大山 駿編 二級冒険者と加齢臭 その7
<異世界(大山 駿)サイド>
拘束した盗賊を王都ベスベスタの衛兵に引き渡した。
(さぁ、シスター・ベルティーアに会いに行こう!! オレは、イケてる!! 今、一番イケてるぜ!!)
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<北条 彩乃サイド>
こんな下らないセリフを聞くために、貴重な水晶のスキルを使ってしまった。
大山くんがあまりにも幸せそうな顔をしていたから、つい…。
巫山戯んなっ!! ムカついてポテチの袋を引き裂いて、思わず…パリッ…。
あぁ…。素敵…。ポテチ最高!!
なぜ大山くんを観察していたかと言うと、貧民街にある孤児院で事件が起きていたから。
いつものように、パメラに言い寄る鍛冶屋と肉屋だったが、この日の肉屋は少し違っていた。
呼吸も荒く、目の焦点が合っていない。会話も出来ないほど興奮していた。
「か〜じぃ〜や〜、死んじまぇ!! デリカテッセン・ソード!!」
デリカテッセン・ソードとは、調理用の包丁をそのまま武器として改良した調理師の武器である。
「薬かよ…。薬でラリって…薬がなきゃ何も出来ねぇのかよ!!」
鍛冶屋も護身用のスミス・ハンマーで応戦する。
「何事ですか!?」シスター・ベルティーアが騒ぎを聞きつけ、面会室に飛び込んできた。
そこには壁に怯えて座り込むパメラ、狂人のように剣を振り回す肉屋の息子バリッドと、それをハンマーで受け止める鍛冶屋の息子ジュークの姿が合った。
「パメラ姉ちゃん!」
ギームスは、室内に入るとパメラの手を取り、孤児院の外に連れ出す。それを追いかける肉屋の息子バリッド。鍛冶屋の息子ジュークもパメラを助けるために外へ出る。
「お止めなさい!!」とシスター・ベルティーアが叫ぶ!!
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<異世界(大山 駿)サイド>
孤児院のある貧民街に急ぐ。だがしかし!! 偶然だ。偶然を装わなくてはならない!!
(いやぁ! 竜を退治してきたんだ。あぁ、ここ通るのも久しぶりだなぁ。はははははっ)
(まぁ! 竜を退治してきたの!? 素敵、結婚して!!)
こんな展開を希望する。マジで。あぁ…完全にオレ異世界にはまってるな…。
この曲がり角を曲がれば、孤児院が見える。しかし…シスター・ベルティーアが外で、通りをお掃除している確率は、限りなく低い。いや…ないよな〜。まぁ、最悪、あの魔法ジジイのウズベェータがいなければ問題ない。いや、あいつは孤児院に近づかないけどな。




