大山 駿編 二級冒険者と加齢臭 その1
異世界を覗ける水晶がLv2の使用回数を
”1日1回5分のみ”に変更しました!!
<異世界(大山 駿)サイド>
頭に何かが入り込んでくる!!
”王都ベスベスタの貧民街で傭兵の子として誕生する。3歳から父に剣を習い、5歳の時に偶然であったゴブリンを斬り倒した。10歳で冒険者ギルドに入り、10歳7ヶ月で五級、12歳で四級、15歳の夏に史上最年少で三級になった。
(略)
ダイテル王国の第三王子であるサージル・ウルス・ゴールディンと共に、遥か北、前人未到の山脈に広がる竜の聖域に乗り込み、二年の歳月をかけて破壊竜ヴィーネスラストを討伐することに成功したのだ。だが最後の戦いで大怪我を負ってしまったオレは、山脈の麓にあるエルフの里で怪我を癒やしていたのだ。
それから半年、オレは王都ベスベスタまで、あと数日という位置にある村に辿り着いた
「待ってろよ、愛しきシスター・ベルティーア」
(はっ? オレ、何言っちゃってんの??)
てか、オレ、どうなってんの? 夏の糞暑いグランドで、先輩にしごかれて…。
あれ? その後…?
両手を見てみる。物凄くゴツゴツした掌だ。腕の太さも異常だった。サッカー部だったが、筋トレ好きが功を奏して、ありえないぐらい太かったオレの更に倍近くあった。
これ? オレ? オレには、”サッカー部の大山 駿”と”冒険者のヴァグナー”の記憶がある。
”そんなオレに、”大山 駿”が異世界から転生したのだった”
(おい! まだ説明の途中だったのかい!!)
いや、心の中で叫んじまったぜ。い、異世界からの転生? こっちが異世界だろ!!
いや、落ち着け。論点がズレズレだ。
問1.ここは異世界?
見渡す限りの草原、そして一本道。オレが暮らしている日本でもこんな風景はないだろう。
問2.オレ誰?
全身筋肉で覆われている。背の高さも177cmだったオレよりも絶対に高い。でも大人の肉体だ。だって脂ぎってるし!! ちょっと加齢臭? 風呂入ってないだけ? 臭い…。
二級冒険者ってだったか? 王子様とドラゴン退治しちゃう感じの冒険者? すごくね?
問3.なぜ? 異世界に来ちゃったの?
知らん。こういうときって、女神様とか案内人がいるもんじゃねーの??
問4.これから、どーすんの?
知らん。知らんが、シスター・ベルティーアに会いたい。今すぐ会いたい。




