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色欲の罪、プチ修羅場

修羅場楽しすぎて文に気合入れてしまった

「なるほど……手下から聞いた話まんまだな、使えねぇ〜、まぁ裏は取れたか、流石に足を踏み砕かれて嘘つく奴もいないしな……さて…もうお前に用はない……」



アスモデウスはエマに傷を治させる過程で嘘をついたらまた潰すと脅しながら再三訪ね、死なない程度に直し中途半端に塞がった傷の痛みで気絶している勇者。




そんな勇者に自身の期待が裏切られた心情を隠そうともせずに溜息をつきながら淡々と言うが意識がない彼にはもちろん届かない。



メイドのイザベラは余り良い気分では無さそうにしろ仕方ないことと割り切ってていてともかく、ソフィアはまだ納得できていないのか複雑そうな顔をして、勇者とアスモデウスの間に入り立ちはだかる。



「ま、待ってください!やっぱり殺すのはやりすぎだと思います!!」



「ソ、ソフィア様!!」



甘さを捨てきれないのか、勇者の命を助けて欲しいと懇願するソフィア、自身の前で命が奪われるという事態を全身で拒否する。



主人の行動に驚くイザベラ、不安そうに眉を歪めこれでもかと目を見開く。



そんな二人に対してアスモデウスは溜息を吐きつつ参ったという風に両手を挙げる



「………もともとそいつを殺すつもりはないぞ?」



全く気負わずに吐露したアスモデウスの発言は彼女達を一瞬強張らせてた。



「……え?」



年頃の女がしてはいけない間の抜けた表情と漏れた一言、呆然と立ち尽くし彼を見続けている。



彼女達の様子が少しツボに入り、口元を押さえ笑いながら自身の言葉の真意を補足してやるアスモデウス。



「殺すつもりはない……と言うよりは殺せないといった方が良いか………勇者は聖剣と同化していて死なないんだよ、不老不死ってやつ、聖剣が壊れていないなら数年かかるが復活できるのさ………三千年も生きてるのがその証拠………生き返ってしまう奴を殺してもいつか絶対報復されてしまう……それ全てに対応するなんて不可能だからな〜残念ながら見逃すしかない、俺だって好きで人を殺してるわけじゃない、意味がないならやらないさ」



勇者が三千年なんていう人間にとっては永遠にも等しい時間を生きられた秘密を暴露するアスモデウス。



彼の言葉に納得するもその後、自身を笑っている彼に抗議するソフィア。



「な、なるほど…………早とちりをしてすみません……し、しかし笑いすぎでは!!!」



迂闊な自身の発言を謝罪した後、アスモデウスの懐に来て、彼の胸に自身の胸を押し付けて、潤んだ瞳の上目遣いで恥辱に頬を染めあげながら彼の笑いを咎める彼女。



豊満で柔らかさを極限まで極めた果実の感触と上目遣いで見上げられ少し心臓の鼓動が早くなるアスモデウス。



自身の動揺を伝わらないように顔を晒し早口で適当に気のない返事をする。



「あ、わ、悪い悪い……」



背けた視界の先にアスモデウスの魂を心底凍らせる笑顔で笑っているエマ。



彼は数瞬硬直し身動きが取れなくなる錯覚に陥る、凍てつく視線でアスモデウスを貫いた後、他の女に赤くなってる彼を融解しそうなほどの怒りが篭った青筋を浮かべる笑顔と無機質で機械的な声音で話しかけてくる彼女。



「………どうしたのかな?アスモ?」



彼は冷たさと熱さが織り混ざり、一貫性の無い混沌を携えた彼女に対して珠のような脂汗と地震が起きてると錯覚するほどの貧乏ゆすりをする。



アスモデウスの尋常じゃない様子に未だ側に寄り添って下から見上げているソフィアは首を傾げその眼に不思議そうな色を宿す。



何もわかっていないソフィアを無理やり自分から離し、エマに言い訳するように話しかける。




「い、いや、そ、その今のはその、ち、違うんですよエマ様!」



体を震えさせながらエマに近寄り、機嫌を直そうとするアスモデウス。



「…………あんたの能力生かすなら大人数と経験することになるからね、好きにすれば……無理やりよりお互い了承してた方が良いし」




呆れたと言わんばかりの物言いだが、必要な仕方ないことと割り切るエマ。




「ま、まぁそうなんだけど…と、特別はお前だけだぜ!」



否定できずに無い頭を振り絞り慣れない口説き文句を言うアスモデウス。



そんな彼に呆れと少し拗ねたような声音で返答するエマ。



「………どーだかね〜……」



そっぽを向くエマの機嫌をあの手この手直そうとするアスモデウス。


「い、いや、そ、その〜」



そんな二人のやりとりを後ろから切ない色に染める眼と恋慕の熱さが篭った顔で眺めるソフィア、そんな主人を慮り後ろから助言するイザベラ。




「どうやら彼らは付き合ってるようですね、それも深く愛し合っている」



「そうね……」



「ですが、話を聞く限り、どうやら女性経験の豊富さがアスモデウス様の力になるようです、ここは今夜だけ私を愛してくださいと彼に迫るのが上策だと愚考しますソフィア様」




「そうね………え?!!?、な、な、何を言ってるのイザベラ!べ、別にアスモデウス様のことなんてなんとも想ってないけど!!」




「恥ずかしい気持ちはわかりますが、素直になってください……大丈夫です、男なんて彼女がいても女の方から誘ってきたという免罪符があれば途端に襲ってきます、むしろそういう性にだらしない女性の方が好まれ、決まりきってほぼ流れ作業化した彼女との営みより刺激的で罪悪感というスパイスが効いてる浮気相手の方にどんどん本気になってしまうというのはよくある話………ソフィア様が本当に気になっていないというなら別に良いですが、後悔しないようご自身でお決めになってください」



「そ、そうね……わ、わかった……悔いのない道を選ぶわ……」




男を誘惑するための段取りを決めている二人に気づかないアスモデウスとエマ。






次回、ソフィア様女になる、乞うご期待!

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