3.うわぁ、じょせい、つよい
なんで内の女性陣は揃いも揃って
主人公より強いポジションなんですかね
尻に引かれるのが趣味ってわけじゃないんだけどね
関係ないけど、コッコロちゃんってかわいない?
あの甘やかしてくれる白髪幼女最高じゃない?
ほんと関係ないけど
呼ぶよりそしれ、なんて言葉を最初に考えたやつは、相当性格がねじ曲がっていたに違いない。そして、俺が大嫌いな奴に違いない。どう考えても、人のいないところで噂なんてするより、直接呼び出したほうが速いし、なにより、そしるような真似をしなければならない話題があるなら呼ぶよりも、さっさと自分から出向けって話だ。それを、わざわざ遠回しな確実性のない手段を使うなんて、そいつは極度の馬鹿か、見当違いのツンデレだろう。
しかしながら、今回は俺の失態で、無意識にそしってしまったツケが早々にやってきたわけで、その反省は重く受け止める必要があるのも確かだった。
「サ キ ナ ――」
今すぐ、両手で耳をふさいで奇声でも上げながら走り逃げたくなるような
素っ頓狂な悪魔の叫び声が玄関の前、要は俺の目の前で響いている。
「部長、うるさい、うるさい、部長」
先ほど、もっと面倒くさいくさい奴と揶揄した。最高に面倒くさい女、
朱鷺無トア部長。
名前の通りというべきなのか、長く白い艶やかな髪にグラデーションでもするかのように
日の光が毛先を朱色に変え、性格には全く見合わない神秘性を持った、この世で最も厄介な女。
「二回も言わなくていいじゃない、こんな美少女が朝から迎えに来たんだよ?
もう少し感謝したらどうかねぇ?ねぇねぇ?」
凛と整った美人顔を近づけ、腰に手を当て、涼〇ハル〇もよろしくな、前傾姿勢で恩着せがましい、有難迷惑を押し付けてくる。あまり短いスカートでお尻を突き出すものじゃありませんよ部長。
「美少女?魔女がリンゴを売りに来た、の間違いでしょ。ちゃんと鏡は見てきましたか?白雪姫なんて、ここにはいませんよ」
「ほー、そうかそうか、そんな口を利くのか君は。傷ついちゃうな~、思わず私が握ってる毒リンゴを皆に分けて回りたくなっちゃうな~」
「すみませんでした、部長」
「わかればよろしい」
これだから厄介なんだ。彼女、朱鷺無部長は俺も成り行きで入部している新聞部の部長なのだ。これが一番の厄介事といっても過言じゃないだろう。
この人は、とことん他人の弱みを見つけ出すことに長けていた。そして、弱みを握った相手に対する対応も完璧にできてしまっていた。そして、学校の情報網を牛耳れるポジションについてしまえば、顧問だろう、担任だろうと、校長だろうと、アニメの生徒会や風紀委員でも止めることはおろか、恐らく逆に取り込まれる。事実、俺が入部しているのは部長に殺されないためである。いつだってナイフは喉元である。
「それで、部長。今日の仕事内容は?」
「おや、優し可愛い先輩が学校までエスコートしに来た、と言う平和な考えはないのかな?」
「そんなに、暇なら部活動でも行ってきてはどうですか?」
「珍しく勘がいいねぇ。そんなに部活動がしたいなら、無駄話もそこそこに、さっさと現場に行こうじゃないか。事件は現場で起きているのだよ」
訂正。
遅刻じゃない。
病欠だ。
え?幼女はどこだ?
俺が言いたいよ!!!
朱鷺無さんが暴走するんだもん仕方ないじゃん!
いつもなら、もっと性癖全開で、クーデレ白髪吸血鬼幼女(無表情)とかかくもん!
すいません、愚痴が過ぎました