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9、クソレビュアーのときめき


 メッセージアプリの通知を見ると――。

















 小川














 の文字が表示されていた。


 ……小川か。





 ――助けて、幸那ちゃん!


 お兄ちゃんのストレスがマッハでやばい!

 一刻も早く幸那ちゃん成分を補給しなければ、頭がおかしくなってしまう!


 俺はスマホの画面に表示された「小川」の文字を見ながら、そう思った。 

 


 ……このまま未読無視をしたい気持ちにかられたが、一応メッセージを開いてみる。



小川:今度の火曜か水曜、良かったら俺と香織と一緒に、遊園地行かね?


 香織とは、小川の彼女の原田のことだ。

 ……うん、なんで俺がお前らのデートの付き添いをしなければいけないんだよ。



 俺はイラっとして既読無視をしようと考えたのだが。



小川:あ、もちろん綾上も一緒で。香織が本部たちと一緒に、ダブルデートしてみたいんだってさ



 間髪入れずに受信した、次のメッセージを見て。

 俺は考えを改める。

 

 ダブルデート……だとぉ!?


 素早くスマホで返事を入力して、送信する。


もとべぇ:綾上に聞いてみる


 ダブルデート。

 もう一度、頭の中で繰り返す。

 つまりそれは、小川・原田ペアと俺・綾上ペアで楽しくデートしよう、ということだ。

 これまで俺と綾上は一対一、もしくは幸那ちゃんを含めて3人で会うということはあったのだが……。


 こういった経験は、まだなかった。 


 何はともあれ……綾上に連絡をする口実ができた!



 俺はウッキウキになっていた。



 小川に、「綾上も一緒に」と誘われたんだ。

 それならば、恋人でもない綾上に連絡を取るのも、仕方ない。

 綾上、執筆頑張っているだろうけど、それでも事情があるからなー。

 

 ほんと、仕方ないな―。


 

 ……それに、だ。

 これはダブルデートというシチュエーション。


 

 よく考えるまでもなく……これって取材じゃね?


 ……取材だよね、これ!?


 うん、取材だ!

 超、取材!!!




 そう、ダブルデートなんて、創作にも十二分に生かせる美味しい経験になるはずだ。

 是非とも、綾上自身のためにも、ここは一緒に行っていただきたい。


 俺はそう判断してから、すぐさまメッセージアプリを操作して、綾上宛に電話を掛ける。


 すると、ワンコールが終わらない内に……


『は、はい! 私です』


 綾上が電話に出た。

 終業式ぶりの綾上の声。

 透き通っていて、電話越しでもよく伝わる、綺麗な声だ。


「あ、急にごめん綾上。今、大丈夫か?」


『だ、大丈夫っていうか……私も今ちょうど君に電話しようと思ってて』


「へぇー、そうだったんだ。ああ、だから異常なほど、電話に出るのが早かったのか」


『う、うん。……なんか、嬉しいかも』


 一週間ぶりの綾上との会話なのだ。

 正直言って、話しているだけで俺も嬉しい。


「今さ、小川から連絡来て。小川・原田と、俺たちとで遊園地行かないって誘われたんだけど……」


『それ、私も原田さんから今聞いた! 君にその件で連絡しようとしてたんだよ!』


 柔らかな声音で言う綾上は、続けて言った。


『なんだか照れくさいけど、すっごく嬉しいです』


「……小川からの連絡があったから、不思議ではないかもしれないけど。それでも、全く同じタイミングで一週間ぶりに連絡を取ろうってしたのは、結構すごく感じるかもな」


 俺が言うと、綾上はスピーカー越しで、柔らかく笑った。


『実は、この一週間。担当さんに提出する企画書が一段落するまで、とにかく頑張ってみようって思ってたんだ。君にも連絡をしないまま、頑張ってたんだけど……えへへ、やっぱり一週間も連絡取れないのは、限界でした。君とお話しできなかった間は、すごく寂しかったです』


 くすぐったくなるようなことを言う綾上。

 小川によって汚染されていた精神が、浄化されていく。

 幸那ちゃん並みのストレス解消効果を発揮してくれる綾上に、俺は感謝と、ときめきしか感じない。


「なんと言うか……ダブルデート、っていい取材になりそうだよな……あ、でも俺と綾上は恋人同士ってわけではないから、ダブルデート風のサムシングだよな!」


 彼女の言葉には答えないまま、俺はそう言った。


『うん、ダブルデート。ラブコメの鉄板ネタだよねー。えへへ、楽しみだなぁ』


 綾上は弾んだ声で、俺に応えた。


 ダブルデート「風」というのは無視されたが、まぁ構わない。

 

 その後、日程は火曜、水曜のどちらでも構わないことをお互いに確認をした。


 そして、他愛ない話を二人で交わす。


 本当になんてことはない世間話だったが、それでも俺の心はときめいていた。


「……それじゃ。当日はよろしくな」


『うん、すっごく楽しみにしてるから! ……素敵な取材にしようねっ!』


 それじゃ、バイバイ


 気づけば、結構な時間が経っていた。

 別れの言葉を互いに交わし、電話を切った。



 ……素敵な取材に、か。

 俺は、最後に綾上が言った言葉を思い返し、確かにそうなれば良いなと考えた。




 その後、メッセージアプリを使って、小川にすぐに連絡を取った。


 参加する旨と、日程を任せることを伝えた。


 後は、小川から再び連絡をもらうだけだ。


 


 ……それにしても、と俺は思う。


 

 一週間会えなかった綾上と会う約束をしただけで、こんなにドキドキするなんて。


 実際に彼女に会うことになったら――、俺は一体どんな反応をしてしまうのだろう?



 残念ながら。

 自分のことなのに、今の俺には全く予想ができなかった――。

【世界一】とにかく可愛い超巨乳美少女JK郷矢愛花24歳【可愛い】です(^3^)/


ここまで読んでくれて、愛花とっても嬉しいです(>_<)!!

ありがとねっ\(^^)/


さて、前回の問題の正解は


④小川


だったね!


今回はあいさんのターンじゃなかったんだよ(´;ω;`)

本当に、ごめんなんだよ……(´Д⊂ヽ

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新作投稿!主人公のイケメンを差し置いて、友人キャラの俺がモテまくる!?!
友人キャラの俺がモテまくるわけがないだろ?
ぜひ読んでください(*'ω'*)

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