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天空城の主はこのオレだ!  作者: 日神 衛
67/88

67、PTでのダンジョン挑戦の結果とサアシアの税

………午後8時頃………




クレス達は無事にダンジョンから帰ってきた。


「いやあ、シアの精霊魔法は或る意味反則だよなあ、遠距離から殆ど一撃で敵を葬るんだからなあ♪」


「それを言うのなら、クレスの防御の方がもっと反則なの。

何アレ?試しにシアの精霊魔法で攻撃してみたら、弾き返されて危うくシアに命中する処だったの。運良く避けられたけど、避けられたのはタマタマ偶然だったの」


「い、いやあ、オレの場合は攻撃手段が貧弱だからなあ。

やっぱ、シアの攻撃力は羨ましいぜ♪」


クレス達はダンジョンを無事に抜けられた安堵感からか、口調の端端に楽し気な様子を感じられた。


「それじゃあ、本日の戦利品を買い取って貰う為にギルドに行こうか」


「分かったの」

シアは軽く頷いた。



ライサスの居るカウンターそば…


「ライサスさん、こんばんは」


「あら、クレス君、サアシアさんこんばんわ」


「早速だけど、通常クエスト達成を兼ねたドロップアイテムの買い取りとコインの預金をしたいんだ」

そういって、クレスは戦利品をカウンターに置いた。


「分かったわ。査定をするから少し待ってね」

そう言うと、ライサスは査定を始めた。


10分後…ライサスは査定結果を告げた。

「そうね。コインの預金分も含めて〆て、40万ザガネと言った処ね」


(結構稼げたな♪)


「分かりました。それでお願いします。

ただ、20万ザガネずつに分けてオレとシアのギルドカードの預金に居れておいて下さい」


「分かったわ。ではお二人ともカードをカウンターの上に置いてね」


それを聞いた二人は、そろってカードを置いた。


「はい、良いわよ。手続き完了したわ」


「ラサイスさん。ありがとう」

二人はほぼハモる様に言って礼を述べた。


「あ、そうそう、サアシアさんにちょっとお話があるの」

ライサスはやや話を切り出しにくそうに言ってきた。


「なんですか?」

サアシアは、訳が分からないので、問い返した。


「え~と、サアシアさんは、ここ数日このラピス村に逗留されておりますよね?」


「はい」


「今現在、クレスさんの家に逗留されておられますよね?」


「その通りなの」


「え~とね、サアシアさんの村への住民登録はされていないで、サアシアは旅人扱いになります。その場合は、入村税が発生する事になります」


(あっ!)

クレスは自分がすっかり失念していた事を思い出した。


「入村税?」

サアシアはクエスチョンが自分の頭上に多数発生した。


「そう。入村税です。

クレス君はラピス村の住民ですので入村税ではなくて住民税が発生します。然し、サアシアさんは旅人ですので、入村税が発生します」


「それって幾らなの?」

サアシアは恐る恐る聞いた。


「入村税は一人一日5千ザガネ発生するの…」


「5千ザガネ…」

サアシアは繰り返した。


「毎日支払っても良いけど、月末に一括支払いも可能です。

サアシアさんはどうされますか?」


「…月末支払いでお願いしたいの」


「分かりました。ではその様に手続きを取っておきますね」

ライサスはそう述べた。


サアシアは幾分気落ちした様であった。

そして「クレス帰ろう」と言った。


「あ、ああ…。帰るか…」

クレスも“不味ったなあ”という表情を浮かべつつ返答した。



…クレスの自宅…


二人はテーブルのそばの椅子に座った。


「悪かったなあ…。すっかり入村税の事を失念していたよ。

そうかあ…シアは村の住民登録できないものなあ。そりゃあ、入村税が発生してしまうかあ…」


一方、サアシアは、ゆっくりと被りを振った。

「いいの。別にクレスは悪くないの。どうしたって、発生してしまう税なの。

まさか、村の外の過酷な環境の砂漠でずっと過ごすわけには行かないの」


「そ、そりゃあそうかも知れないが…」


「大丈夫。ダンジョンの冒険で十分に元は取れているの今日もパーティ全体の稼ぎが40万ザガネだったの。

一方、ダンジョン入場料金の出費は二人合わせて15万ザガネだったの。

差し引き25万ザガネの稼ぎなの。

つまり一人当たりの稼ぎが12万5千ザガネなの。

一日でこれだけ稼げるのなら十分に元は稼げるの。だから大丈夫なの」


そう言ったサアシアは、両手を握りこぶしを作り、万歳の様に両手を挙げて“むん!”と気合を入れて見せた。


何だか、その微笑ましいホッコリする仕草を見たクレスは脱力した。


「そうか…シアはそういうのならば…。

それに確かに十分にこの稼ぎなら、元を取れそうだしな♪」


クレスも気持ちを立て直した様に、そう発言した。

「それじゃあ気持ちを切り替えて、夕飯を腹いっぱい食って明日もまたダンジョンで稼ぐとするか♪」


「そうするの♪」

サアシアも明るく答えた。



クレス達は、それから毎日早朝に起きてダンジョンに潜り、順調に戦利品を得て、稼いだ。

頑張ばった甲斐もあり、クレス達は平均して1日40万ザガネを稼げた。

そういう日をコツコツこなして8月30日となった。


その冒険途中にクレスは様々な個別指令を受諾する事ができた。


例えば、能力値上昇の指令を無事に完了できて、HP+50、MP+100を成しえた。


又、別の個別指令では、何回も何十回もキャリオンクローラーの触手攻撃を受ける事により状態異常耐性の麻痺ランクを3にまで上げられた。


はたまた、何度も収納空間1を使用する事により収納空間2へランクアップできて小脳スペースを100メートル立方体にまで拡張できた。


ときどき、サアシアが遠方故に傘の効果範囲外に位置してしまい、結果として多少の怪我を負う事があり、回復魔法1を何度か使用していたら、回復魔法2へランクアップした。


或いは、遮蔽2を20回使用する事により、遮蔽3を習得できた。

遮蔽3は個人だけではなくパーティ全体を遮蔽できる。

加えて、完全に異空間に潜行できるので、他人がその空間を手探りで探っても、一切触れないのである。

但し、1度の使用料金が5万ザガネなのは結構痛い仕組みである。


などなどを入手できた。


そして、月末の30日にそれぞれの税を支払おうと思い朝早くからギルドのラサイスの元へと訪れた。



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