6、ブサイクは強くてモテる、美形は弱くてモテない
ご隠居は更に、話を続けた。
「そうそう。
それよりももっと大事な説明をすっかり忘れておった。
大規模魔法“自然の呪い”の効果で美形キャラほど戦闘力や魔力やスキルがマイナス修正されるのじゃった。
逆に外見が醜悪な者、いわゆるブサイクキャラほど戦闘力や魔法やスキルに関してプラス修正されるのじゃよ。
更には、修正に関して追加説明すると暗黒神を信仰しているキャラにはプラス修正されて、光の女神を信仰しているキャラにはマイナス修正されるのじゃよ。フォフォ。」
「マジで?」
「無論マジじゃよ。
具体的な数値で説明してみるかのう。
一般住民の成人男性を例にしてみると…信仰のみの修正の場合は次の通りじゃ。
条件設定:成人男性。信仰は中立神。筋力は…10。
条件設定:成人男性。信仰は暗黒神。筋力は…20。
条件設定:成人男性。信仰は光りの女神。筋力は…5。となるのう」
「はあ?なんだそれ?
信仰する神が違うだけでこんだけ差が出るかよ。
中立神がちょうど中間の平均値としたら、暗黒神と光りの女神の種族の差は4倍になってるじゃないか!」
「要するに、能力値修正が片や2倍、片や半減する!と言う事になるのう。フォフォ」
ご隠居は更に話を進めた。
「次に、美醜度修正のみの場合じゃな。
条件設定:成人男性。美醜度はちょうど中間値。筋力は…10。
条件設定:成人男性。美醜度はブサイク最高値。筋力は…20。
条件設定:成人男性。美醜度は最高の美形。筋力は…5。となるのう」
「でじゃ、美醜度と信仰度を同時適用した場合のそれぞれの最高値は次の通りじゃ。
条件設定:成人男性。信仰は中立神。美醜度はちょうど中間値。筋力は…10。
条件設定:成人男性。信仰は暗黒神。美醜度はブサイク最高値。筋力は…40。
条件設定:成人男性。信仰は光りの女神。美醜度は最高の美形。筋力は…2.5(2~3)。となるのう」
「すげえ能力値格差だなあ…」
「ただ、人族の中にもブサイクもおるし、その一方で暗黒神側の種族、例えば吸血鬼族や悪魔族などの中にはいわゆる美形もおるから必ずしも前述した様な極端な格差となって現れるのは稀なケースと言えるじゃろうのう。
又、高位種族例えば悪魔族などの種族によるプラス修正はピカイチだからのう。
必ずしも“美形イコール弱い“とは限らんのじゃよ。
だが、悪魔族にしてブサイク修正との相性がバッチリの場合は、極めて能力値修正がプラスに天秤が傾いていると言えるであろうのう…」
「はあ~~。これってどうにかなんねえのかよぅ~…。」とクレスは大きなため息を吐いた。