34、ちょっと嬉しい稼ぎ♪
クレスの自宅
「本日は結構稼げたなあ。ホクホクだぜ♪」
「ほんにそうじゃのう。して戦利品はどんな案配かのう。フォフォ」
「え~と、内訳はこんな感じだな。因みに、もう鑑定は済ませてあるぜ♪」
テーブルの上には昨日と今日、得られた戦利品が並べられていた。
鑑定結果の詳細は次の通りである。
大ムカデの牙:8セット。1セット当たり500ザガネ
大ムカデの魔石:8個。1個当たり1000ザガネ
大サソリの毒針:8個。1個当たり500ザガネ。
大サソリの魔石:8個。1個当たり1000ザガネ。
解毒薬:7本
回復薬:5本
手槍:1本。
品質:平均的な中古品。
シュートソードよりもダメージを与えやすい。投げつける事もできる。
中古品の販売価格:50万ザガネ。
買い取り価格:5万ザガネ。
タンポーポ:1000本(100セット)
アサカオ:1000本(100セット)
ユウカオ:1000本(100セット)
「こういう戦果となったかあ…。とすると、今後のオレの主力武器は手槍で、予備武器として腰に差し易いダガーあればいいなあ。
残りの武器は売るか。
それから魔石とかのドロップアイテムだけど、先日は金欠から売ってしまったけど、よくよく考えたらギルドでのランクアップの為には、ギルドのクエストをこなした方が何かといいはずだ。
ならば、ここは下手に売らずにクエストクリアーの為にギルドに買い取って貰った方が良いだろう。
で、ポーション類は万が一MPが足りなくなった場合に、解毒魔法1や回復魔法1を使えなくなる可能性もあるし…。
ならば、ポーションは売らずに温存だな」
クレスは色々考えて
以下のアイテムを売る事にした。
これまで主力武器だったショートソード:買い取り価格4万ザガネ
手斧:買い取り価格3万ザガネ
ダガー:買い取り価格25000ザガネ
逆に手元に温存しておくのは次の通りとなった。
解毒薬1:10本(買い取り価格8000ザガネ)
回復薬1:10本(買い取り価格4000ザガネ)
ジャイアントバットの魔石:1個(1個150ザガネ)
ジャイアントバットのかぎ爪:1セット(1セット150ザガネ)
大ムカデの魔石:8個(1個1000ザガネ)
大ムカデの牙:8セット(1セット500ザガネ)
大サソリの魔石:8個(1個1000ザガネ)
大サソリの毒針:8個(1個500ザガネ)
クレスは買い取り希望品と温存品を仕分けするとギルドに売りに行くアイテムを持って出かけるのであった。
…ギルド・販売部門…
そこには、以前に回復薬1を慌てて買ったときに居た若いコボルトの兄さんが居た。
その販売員は、クレスが近づいてきたのに気づいたら声をかけてきた。
「いらっしゃいませ♪本日はどの様なご用件で?」
それに対してクレスは買い取り希望品をカウンターの上に置いた。
「えと、これらを買い取ってほしいですけど…」
すると販売員の兄ちゃんは、嬉しそうにほほ笑んだ。
「これはこれは…武器ですね。ショートソードに手斧にダガーですね。品質を確認致しますね」
そういうと、店員は脇にある竹製?の大きめの篭の中にそれらの武器を入れた。
数秒程経ったら、店員は篭の脇にある何かを“チラっ”と確認する視線を走らせた。
「お待たせしました。
ショートソードは4万ザガネ。手斧は3万ザガネ。ダガーは25000ザガネで買い取らせて頂きたく思いますが宜しいでしょうか?」
それを聞いたクレスは(鑑定スキルの評価とピッタリ一致だな)と思った。
「それで構いません」
店員は嬉しそうに
「ありがとうございます。では合計9万5000ザガネとなります。どうかご確認下さい」
それを聞いたクレスは、カウンターにカードを置いて入金されている事を確認した。
「確かに、受取ました」
若い店員の兄ちゃんは未だ嬉しそうにニコニコしていた。
「いやあ助かりましたよ。武器は中古品と言えどもなかなかうちには入ってこないのでねえ…。本当は駆け出しの冒険者の方々にも供給してあげたいのですけどなかなか上手くいかなくてねえ…」
「へえ。そうなんですか?」
「はい。どうしても“餅は餅屋“と思われてしまうのでしょうかねえ?
中古品の武器もどうしても新品のグレードアップした上位の武器を買うときの下取りに出されてしまうようでして…。
結果、うちにはなかなか流れてこないんですよねえ…」
「なるほどねえ…」
「これからも何かありましたらお願いします(ペコリ)」
店員は一礼してきた。
「ああ、できる範囲で頑張ってみるよ」
クレスはそう言いつつ、ギルドを後にした。
7月22日夕刻、クレスの自宅…
「ふう。やっと一息つけるぜ」
「ご苦労じゃったのう。フォフォ」
「まあな。でも何と赤字は免れたぜ」
「え~と、差し引きプラス4万ザガネの黒字だな。
だから…計算通りに銀行残高は31万6900ザガネ。
そこから1か月分の食費1500ザガネを引いて…31万5400ザガネか」
「ほう。遺産だった30万ザガネを追い抜いたのう。フォフォ」
「ああ、それに最悪の場合はポーションを捨て値で捌いても何とか急場の資金繰りは凌げそうだからな。
当面は何とかなりそうだぜ♪」
「なるほど。フォフォ。で今日はこれからどうするのかのう?」
「もう夕方だし、今日は早めに休んで翌日の朝にでもギルドのクエストでも改めて確認に行くつもりだ」
「そかそか♪フォフォ」
その後、クレスは趣味の竪琴を1時間ほど奏でてリフレッシュした後で、寝床についたのであった。




