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天空城の主はこのオレだ!  作者: 日神 衛
28/88

28、助かる様々なスキルの入手

「やっぱ、ライサスの話してくれた情報とほぼ同じだなあ」


クレスは話を続けた。

「あとダンジョンに関して、気を付けるべき点とか注意事項とかってあるのかな?」


「フォフォ。そうじゃのう。

無論、ダンジョンに付き物のマッピングや罠や隠れ扉などもあるが、そこはクレスの場合は、“探索”スキルで対応可能であろう。

又ダンジョン内を徘徊しているモンスターも“索敵”スキルでその存在を暴露できよう♪」


「をを、そこで探索や索敵が役立つんだな♪」


「あと、ダンジョン内で幸運にもアイテムを発見できる場合もあろうが、そこは鑑定スキルで詳細を明らかにできようのう。フォフォ」


「やったぜ!」


「ただ…」


「ただ?」


「罠の解除は現状だとどうしょうもないのう。フォフォ」


「ああ。そう。罠か…」

クレスは不満そうに言った。


「そうじゃて。罠の感知や罠の解除ばかりは今のクレスには些か厳しいのう。フォフォ」


「そうだろうなあ…」

クレスが相槌を打つ様にそう答えた。


すると例のチャイム音が聞こえて来た。


“ピンポーン”


§§§

【個別指令の発令】

詳細

スキル:“罠感知”の入手→“索敵”スキルの拡張仕様への変更。

クリア条件:索敵を発動中に当該存在物(例えば、宝箱)に意識を向ければ、自動的に罠の有無と種類を識別できる。

このスキルは、索敵スキルを所持している段階で自動的に入手され、索敵スキルに吸収される。



“罠感知”の効能:自然の罠・ダンジョン内の罠・魔法的な罠などあらゆる罠を感知可能。

但し、事前に索敵スキルを使用している事。



範囲:視界内。及び、半径1キロ。

基本消費MP2。

持続時間:1時間。

§§§



§§§

【個別指令の発令】

詳細

スキル:“罠解除1”の入手

クリア条件:とにかく、罠を解除すること。

罠の解除に10回成功すれば、“罠解除”スキルを入手できる。



“罠解除1”の効能:簡単な自然の罠・ダンジョン内の罠・魔法的な罠などあらゆる罠を解除できる。

又、解除の難易度が難しい罠は解除1スキルでは解除できない。

ただ、罠解除1を使用中に解除に失敗したとしても、罠の発動だけは無効化できる。


範囲:視界内。及び、半径1キロ。

基本消費MP2。

持続時間:1時間

§§§


“ピンポーン”


§§§

【個別指令の発令】

詳細

スキル:“開錠”の入手

クリア条件:とにかく、鍵を開ける事。自宅の鍵でも何でもOK。10回成功すること。



“開錠”の効能:あらゆる鍵を開ける。

範囲:視界内。

基本消費MP1。

持続時間:一瞬

§§§



「なあ、聞いていいか?」


「何かのう?」


「開錠の入手の条件ってアレ何?」


「さてのう」


「あんな条件でクリアして良いのか?」


「フォフォ。まあサービス指令と思って甘んじておけば良いのう」





帰宅後、クレスは自宅の鍵部分を自前の鍵を使って10回開錠する事により、アッサリと“開錠”スキルを入手したとき、クレスが何とも言えない表情だった事を付記しておく。


話が元に戻る……





「それはさておき、罠感知スキルは索敵の下位バージョンスキルっぽいなあ。

すぐに、吸収された感じだしなあ…」


「そのようじゃのう。フォフォ」


「問題は、“罠解除”の方だな。

このスキルの入手にはまずは、ひたすら罠解除に挑戦するしかなさそうだなあ…」


「考えてみると、あまり危険ではない罠を故意に発動させる事を覚悟しつつ、罠解除に挑むしかなさそうだろう。

例えば、毒針などはクレスにとっては、毒耐性を持っているので、まあ大丈夫だろうしのう。フォフォ」


「だな。大体そういう罠を解除していけば大丈夫っぽいな…」


「フォフォ。話をダンジョンの事柄に戻すとするかのう。

今のクレスは他の冒険者と比べて、とても貧弱であるからのう。

何と言っても弱体化されておる人族だからのう」


「あ、ああ…。然し、ご隠居よ!言いにくい事をズケズケと遠慮なく言ってくれるよなあ」


「まあ仕方あるまい。今更なのだからな。フォフォ」


「話を続けるが今のクレスでは、正面切って戦おうとするならば地下1階のモンスターと言えども苦戦は必至、いや命を落とす危険性も大いに有るからのう」


「あ、ああ…」

クレスは憮然と相槌を打つ。


「それでじゃ。まずは、やはり子守歌で一体ずつ仕留めるしかなかろうのう。フォフォ」


「まあそうなるだろうなあ…。でもよ、敵が複数だった場合はどうするんだよ?」


「その場合は逃げる一手だろうのう。

逃げ切れそうもない場合は、1万ザガネの出費覚悟で遮蔽1を使うしかなかろうのう。

フォフォ」


「かあ~、そうなるのかよ?

なあご隠居他にもうちょっと良い戦い方ってないものかなあ?」


「クレスの場合は少しでも攻撃を受けたらHPが低いから即座に致命傷に陥り易いのがまずそうだからのう。

だから、肉体的な直接攻撃よりかは、まずは、防御手段の確立を早めに入手するのが先決かも知れんのう。フォフォ」


「HPが低いから防御手段の入手かあ…。何かいい方法ってないかなあ?」

とクレスが呟いたとき、“チャイム音”聞こえてきた。


“ピンポーン“


§§§

【個別指令の発令】

詳細

スキル:“瀕死”の入手

クリア条件:一度の攻撃でHPの半分以上のダメージを10回以上受ける事。



“瀕死”の効能:どれほど強力な攻撃であろうが、必ずHP1点は残る。

手加減の逆バージョンスキルである。


範囲:本人のみ。

基本消費MP0。

持続時間:一瞬

§§§



この情報を見たクレスは思わず突っ込みを入れた。

「な、なんなんだぁ~このスキルは!!」


「フォ。これは何と言ったらいいのやら」

ご隠居も苦笑していた。


「ダメージを受ける事前提かよ?!

加えて、仮にスキル発動しても残りのHPが1点って、ピンチである事に変わりがねえよ!」(怒)


「残りHPが1点とは……」

“フォフォ”とご隠居も背中を向けつつ忍び笑いをしていた。


「おい!ご隠居!!(怒)」

クレスは青筋を立てながら、怒った。


「いや悪かったのう。

然し、このスキルを使えれば最低でも1度はどのような強力な攻撃と言えども、“一度は防げる!”と同義であろう。

これはこれで美味しいスキルであると思うがのう。フォフォ」


それを聞いたクレスも

「まあ、…それもそうかも知れないけどよう…」

と幾分、苛立ちを鎮めたようであった。


「フォフォ。

それにたった一度かも知れないが、一種の防衛手段だ。

この状態になってから高額出費の“遮蔽1”を使えばいいのだからの。ある意味、お金の出費を抑えられるであろう?」


「ま、まあそうとも言えるか…」

クレスも前向きにこのスキル“瀕死”を捉える事にしたのであった。


「う~~ん…」

クレスは暫し考えてから言葉を綴った。


「これは、ダンジョンに潜る前に村の外で一角ウサギ相手に半分以上のダメージをワザと受けて、先にこのスキル“瀕死”を入手した方が得策っぽいなあ…」


「フォフォ。それが無難じゃのう」

ご隠居もそう同意した。


「では、砂漠に行くとするか」



お昼過ぎの村の外の砂漠にクレスは居た。



「索敵を発動させてウサギを見つけてと…」

クレスは、半透明の地図を見ながらも周囲を観察した。


「ふむ。ここから9時の方向に孤立?しているウサギがいるな。

手始めにこのウサギに狙いを定めるか…」


「いたいた♪」


ウサギを前方20メートルの処に発見した。


(一角ウサギは警戒心が強いからな。結構すぐに逃げてしまうからある程度は接近しないとダメなんだよな…)


クレスは内心でそう考えつつ、ジワリジワリとウサギに接近していった。

そして、威嚇して敢えて反撃させるしかない状況にまでウサギを追い込んでワザと竹槍をウサギのそばに突き立てた。


「やああ~~」

“ザシュ”


竹槍はウサギの足元寸前に突き刺さった。


「キュウ~~」

ウサギは驚いた声を上げつつ、クレス目掛けて突進してきた。


(よしここだ!)

クレスは敢えて攻撃を受けた。

“グサリ”

クレスの脇腹に一角ウサギの角が突き刺さって一部の肉片をえぐり取っていった。


(畜生すげえ、痛いぜ!)

クレスは何とかうめき声をあげるのを抑えつつ“ゴロゴロ”と体を転げまわるようにして一角ウサギから距離を取った。


するとウサギは“きゅう~”と一声鳴くと踵を返してクレスから逃げて行った。


「はあはあ。逃げて行ったか…。では」


クレスは患部に手を当て買い“回復魔法1”を使った。


すると患部から光りの様なモノが溢れだし瞬く間に怪我を癒したのであった。


「ふう。ひと段落だな…」


「クレスもなかなかムチャな事をするのう」

ご隠居が心配げに言葉をかけてきた。


「そうは言うが、こうでもしないと他に方法がなさそうだしなあ。

ただ、思ったよりもMPの消費が激しい。

索敵と回復魔法1の使用が必須だからな。」


「そうじゃのう。フォフォ」


「これは、本日一日だけではクエストクリアは無理みたいだな…。

あと2~3日は見積もっていた方が良さそうだ」


 クレスは、これより三日ほど同様の事柄を繰り返して何とか、“瀕死”の個別クエストの完了にこぎつけたのであった。



コンピュータ声で

「個別指令完了。クレスは“瀕死”スキルを入手しました♪」

と聞こえてきた。



「やっとか…。ここまで結構痛かったなあ…」


「クレスは頑張ったと思うぞよ。フォフォ」


「でもまあ、これでスキルの一つ“瀕死”を入手できたんだから、これはこれで“良し“

とするか♪」

クレスは嬉しさ半分と痛い思いをしたので苦しさ半分をいり交ぜた様な表情を浮かべたのであった。


「して、クレスよ本日はこれからどうするのかのう?」


「やっと完了した指令だし、心身共に疲れたから家に帰って休息するわ」


そう言いつつ、クレスは帰路に着いた。




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