2、キャラクター作り?
「フォフォ、では話を続けるとするかのう。
お前さんは地球にて交通事故で死んでしまった。
本来であれば、こちらの世界・グランルースに来るはずがないのだが、どういう訳かグランルースへの転生の運びとあいなった。
本来、こちらの世界グランルースでも転生は日常茶飯事で行われておる。
じゃが、その通常の転生は記憶やらなにやら全てをリセットして一からの再出発なのじゃよ。
お前さんの場合の様にワシがワザワザ状況説明することなどまずあり得ないじゃよ。
恐らくは、お前さんの前世が異世界・地球というのは大きな要因ではなかろうか?
とワシは判断しておるよ」
「え?そうなのか?」
「そう言うことになるのじゃよ。
で、どうやらお前さんは独自に転生条件をある程度設定できるようじゃのう。
その証拠に10メートルほど先に大型テレビ50インチほどの画面らしきものが空中に出現してきたじゃろう?
ほれ、お前さんの真後ろじゃよ」
へ?
オレは慌てて後ろを振り向いたら、ご隠居の言う通り10メートルほど先に大型テレビ?のようなものが空中に浮かんでいた。
その画面には様々な文字の羅列が並んでいた。
日本語でもなく英語でもないのだが、なぜか読む事ができた。
「え~と、なになに?“キャラクター作成を開始します。
名前を言って下さい。
“ってオンラインゲームかよ!」
思わず、オレは大声で突っ込みを入れてしまった。
そしたら…どこからか、コンピュータのような声で
「名前は“オンラインゲームかよ!”」で宜しいでしょうか?
との声が聞こえてきた。
え?これって音声入力?
「いやいや、“オンラインゲームかよ!”という名前ではないから。違うから」
と、オレは慌てて否定した。
そしたら、「名前を言って下さい」と再度繰り返す声が聞こえた。
へえ、音声入力とはなかなか凝った作りだなあ…。
にしても名前かあ、 そうだなあ フム …オンラインゲームか…だったら…
「名前は クレス にする」
「名前はクレスで宜しいでしょうか?」
とコンピュータ声が確認してきた。
「ああ、クレスに決める」
「分かりました。名前を クレスに決定しました。次は種族を決めて下さい。」
(種族かあ…なんと言ってもエロフ いやいや エルフだよなあ。
そんでもって綺麗なエロフっ娘とキャッキャウフフのイチャイチャして暮らしたいなあ。で美味しいモノを食べて立派な家に住んで優雅に暮らしたいなあ。
やっぱ、自分もエルフだと同族だから、エルフっ娘との出会いが多そうだし、エルフは不老長寿だから、綺麗な嫁さんは100年、200年経っても、綺麗なままだし、オレも同じく不老長寿だから若いままだし、…よし、ここはエルフの一択だよなあ。
あ、でも待てよ…)
オレは慌てて振り返るとご隠居に質問した。
「グランルースの世界ってエルフって居るの?
というか、どういう世界な訳?もしかしてファンタジー世界ではなくてご隠居がいる位だから和風の江戸時代風?それとも、超未来都市とか?」
するとご隠居は幾分気まずそうにして
「いや、クレスの想像通りにファンタジーの異世界じゃよ。
無論、人は元よりエルフやドワーフもおるよ。
じゃがのう…」
それを聞いたオレは小躍りした。
「やったやったエルフだぜ。
勝ち組だぜ。
人間のように50年たったら老化してしまうのではなくて、不老長寿のエルフ。
あ、そうだ、ご隠居。これから行く世界、グランルースでのエルフの寿命ってどれくらい?」
「あ、ああ。
エルフ族は普通1000年くらいまで長生きするのう。
そして老衰の1年前から急激に老化し始める。
その後、“老衰死“すると言った感じかのう…」
「うっひょう~~、エルフすげえ~超勝ち組じゃないか♪
こりゃあ、エルフで決まりだぜ!」
そう言ったクレスは背後に振り向いて、大型テレビの画面?入力モニター?に話かけた。
「種族はエルフに決める」
そう言ったらモニター?に一瞬“種族:エルフ”と記載されたのだが…
「ブブー、種族エルフを選択できません。ほかの種族を選んで下さい。」
とコンピュータ声で返答された。
それを聞いたオレは数舜硬直してしまった…
ただ、その様子を背後で見ていたご隠居はボソリと“やはりのう”と呟いた…