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鬼の気持ち

作者: 海月 くらげ
掲載日:2016/02/03

 皆さんこんにちは。

 世間一般では、鬼と呼ばれるものです。


 突然ですが、今日は何の日ですか?

 鬼を退治する日です。

 つまり僕が退治される日です。

 たまったもんじゃありません。

 僕がなにかしたんですか?全くもって酷い話です。そもそもですね、僕たち鬼は人に怖れられる事が仕事なのです。

 なのに、人間と言ったらそんな事情も知らずに鬼を忌み嫌うのです。もう一度言いましょうか?

 僕がなにかしたんですか?


「鬼は〜外!福は〜内!」


 子供が無邪気にはしゃいで、僕に向かって豆を投げます。

 こらこら、食べ物を粗末にしちゃいけないって習わなかったかい?ってまあ、僕が言っても聞き入れてくれないんですけどね。


 僕は走って逃げました。

 本当に怖いのは鬼じゃなくて人間ですね。

 鬼の僕が言うんだから間違いない。


 僕の体力が尽きました。もう無理です。走れませんってば。それでも子供はまだまだ追いかけて来ます。

 や、ヤバイです。もう怖いと言うより、鬼です。

 これも鬼の僕が言うんだから間違いないです。


 ていうか、節分って何なんでしょうね。

 あれですよね、こういう行事って誰かが辛い思いしてますよね。


 お正月は、お年玉を上げなければならないお爺ちゃん、お婆ちゃん。節分は僕たち鬼。バレンタインは、バレンタインとかいう人の命日じゃなかったっけ?

 少し間が空いて、母の日と父の日。子供がプレゼントを用意しなくちゃ。秋には運動会。大人も子供も大変な行事。

 そしてそして、忘れちゃならないのがクリスマス。サンタさん大忙しですね。思えば、サンタさんはプレゼントをどうやって用意しているのでしょう?

 …それ以上考えると辿り着いちゃならない領域に足を踏み入れそうなのでやめときましょう。


「やっと見つけた!鬼ぃ〜!覚悟しろ〜〜。」

 隠れていたのに見つかりました?!


 鬼さん大ピンチですッ。

 やられる……。

 そう思った時、声が聞こえました。


「は〜い、豆まき終わり〜!みんな〜、教室に戻るよ〜!」


 この声は聞き覚えがあります。

 同じ保育園で働く保育士さんですね。


「「は〜い!!」」


 子供が元気良く答えます。


「せんせ〜、鬼役ありがとうね!楽しかったよ〜。」


 ………ハッ!!!!

 そうでした、そうでした。

 僕は鬼じゃありませんでした。

 保育園で働くせんせいだったのでした。

 役に入り過ぎて、忘れてました。


 もしも、本当にもしもの話ですけど、実際に鬼がいたら節分って大変なんでしょうね。

 少し、鬼に同情します。


 いや、でも鬼さんの仕事って一年の内にこれだけなんですよね…。そう考えるとズルいです。


 さて、これで今年の節分も終わりです。

 ほんのちょびっとだけ寂しい気もしますが。


 あ、でも来年も僕は鬼役なんでしょうね…。


 やっぱり鬼さん、同情します…。

ギリギリ間に合いました。

節分です。自分の家では恵方巻きを食べただけですが。

豆まき…懐かしいです。

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― 新着の感想 ―
[良い点]  はじめまして、ユーザーの西尾和也です!   やいむりーな時事ネタで、分かりやすかったです。読みやすい文体で、すぐに物語に入り込むことが出来ました。 [一言]  サンタさんの仕事も何かしら…
2016/02/03 21:52 退会済み
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