表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
39/76

神様の憂鬱

男は深いため息をついた。

見事なリンゴ型肥満の身体を椅子に沈める。

思わず抱えた頭は、毛根が死に絶えたのか、なめらかなゆで卵のようだ。

輝いている。


この男は、第27代創世神、クラウド・ゴッド。

彼のダメンジャーを生んだ「元凶」である。


 そもそもダメンジャーの発足は、彼が「PandoraⅡ」という禁忌の箱を開けてしまったことに始まる。

「パンドラ」の神話同様、悪しきものが次々と飛びだし、下界へと降りて行った。

 さらに質の悪いことに、今回は箱の底に「希望」が残ることもなく、悪しきものは形を無し、下界で暴れまわることとなった。


 このままでは罪は免れない――。


 そう考えたクラウドは、人間界の名簿から適当に3人を見繕い、宥めすかし、脅し、最後には泣き縋り、下界での対処を押しつけた。

 それが、イヌ、ネコ、ウサギの3人である。

 下界のサブカルチャーにいたく傾倒していたクラウドは、どうせならリアルにそれを楽しもう、と三人に戦隊物や魔法戦士的な要素を組み込もうとしているが、目下のところ、その目論見は失敗のようだ。

 恰好好いコスチュームは目の前で引き裂かれ、獣耳は断固拒否された。

 一生懸命考えた登場の台詞も、必殺技の名前も、特にネコやイヌは一言も口にしてくれていない。

 ついこの間は下界の警察とかいう組織の世話になりかけていたし、その前には給料を要求された。

 彼らをヒーローにしてからの数々のことを思い出し、クラウドはまた溜息をついた。


「…失敗だったなぁ」


 クラウドの目線の先。

 そこには下界を覘く鏡があった。

 鏡の中で、三人のヒーローが今まさに敵を倒さんとしている。


「何が何でも、ジャージはやめておくんだった」






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ