My crazy friend
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私の友達の山下ナオミははっきり言って変わっていると思う。
友達である私でさえそう言っているのだから相当変わっているに違いないだろうね。
私は高校一年の吉川麻美。ついでにあまり人間が好きではない。
だからあまり人とかかわりを持とうとしないから、いつも一人で行動しているけどクラスメイトに興味がないというわけではないし一応全員の顔と名前はしっかり覚えている。
でも、ナオミちゃんの名前と顔は二学期の終わりごろまで知らなかった。
―――彼女は不登校だったのだ。
そんな彼女がある日突然学校にやって来た。
初雪が降った日だったと思う。私はいつも7:00には教室にいるため、校舎内は静かだったが、あの日はもっと静まり返っていた。たぶん雪のせいで電車とかが遅れているからだろう、そんなことを考えて教室に入ると、私の席に見知らぬ少女が座っていた。その少女は髪の毛を高い位置でツインテールにして、ゴスロリ風のリボンで結んでいた。教室という空間では明らかに異質な存在だ。
「あの、そこ私の席なんですけど・・・」
おそるおそる声をかけてみた。
「あれ、座席表で確認したのに~。間違えちゃったみたい。ごめんね~。おわびにこれ受け取って。」
差し出したのはカリカリ梅。ポケットからカリカリ梅を取り出す女子高生って・・・と思ったけど相手の好意を無駄にしたら悪いからとりあえず受け取った。
「ありがとう。ところであなた誰?」
「山下ナオミだよ、不登校の。」
あっさり言いのけた。
「私は吉川麻美。山下さんは何で学校来たの?」
「いや~。いま、親にパソコン取り上げられちゃってさ。自分で買うお金が無いし暇だから学校来ちゃったw あ、あと私のことは『ナオミちゃん』って呼んでね。」
そしてカリカリ梅をおいしそうにほおばる。変わった人なのかな。
「そうなんだ~。あ、そうそう私のことは『麻美』って呼んで。」
こうして私たちは話すようになった。それまで人とのかかわりを持とうとしなかった私が、だ。不思議なこともあるのね。
きっとナオミちゃんが変人でいろいろ問題行動を起こし、それを見ているのがたのしくて仕方が無いので、私はナオミちゃんが好きなのだ(たぶん)。例えば、ナオミちゃんは授業中にも関わらず、ヘッドフォンデで音楽を聴きながら授業を受ける。(体育の授業は除く)当然先生は怒るが、無視されてしまうので最近は先生もあきらめている。かわいそうに。
でも、あきらめない先生もいる。ある日、学級日誌を持って職員室に行くと学年主任(体育)の先生と数学の先生がナオミちゃんのヘッドフォンのことでいろいろ話し合っているのが聞こえた。謹慎処分にするって聞こえたけど…効果はあるのだろうか?
それにナオミちゃんは授業中にもカリカリ梅を食べている(体育は除く)。食べるのは勝手だが、あの「カリカリ」という音がはっきり言って迷惑だね。クラス全体が「やめろ」という目で見ているのにもかかわらず、やはり無視。
まぁ要するにナオミちゃんに何をいっても無駄だ。こういうの馬の耳になんたらって言うよねー。
ナオミちゃんが変な行動を起こすと考えると、面白いけど、私の平穏なスクールライフが邪魔されてしまうかもと考えると邪魔だ。でも、もう少しでクラス替えだ。この学校は10クラスある。ナオミちゃんはぜんぜん学校に来ていないんだから、留年のはずと私は甘く見考えていた。