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3/3

3.どうして怒ってるの?

「馬鹿弟子、よくもこのケダモノの世話を一週間も僕に押し付けてくれたな! もう本当に大変だったんだ、暴れるし、何食べるのかとかよく分からないし!」


「グルルルルル……」


「ありがとー、お師匠様! ほらリオ唸らないの、こっちこっち」


「僕はもう帰るからな! これ以上巻き込まれるなんてごめんだ、後は勝手にしてくれ」


 言い捨てるなり、ふわりと箒に飛び乗ってビュンと去っていくお師匠様に庭からひらひら手を振って、空に向かって瞳孔を開かせ毛を逆立てて威嚇しているリオに向き直る。


「リオ」


 呼ばれたリオは弾かれたように私を見ると、薄青の瞳に鋭い光を宿して怒りの形相を浮かべた。


「……ネネ!! お前一体どういうつもりで……ッ」


「──リオ、会いたかったぁー!! やったあ、久しぶりのリオだー!!」


 リオが何か言いかけているのにも構わずぎゅうと抱きつけば、動揺したようにぴたりと声が止まる。

 大人しくなったのをいいことに、胸元にグリグリと額を押し付けた。久しぶりのリオのにおいだ。


「ごめんね、リオ。どうしても一人でやらないといけないことがあって……でももう終わったから大丈夫だよ。怒ってる……?」


 そろりと上目遣いで見上げてみれば、凄く複雑そうな表情をしたリオの綺麗な瞳と目が合った。


「……当たり前だろう……」


 よし、この声は本気で怒ってないときのやつだ。それに、リオのふさふさの尻尾はぶんぶん振られて残像を描いてる。よかった、お師匠様との生活もそう悪くなかったみたいだ。

 ほっと胸を撫で下ろせば、そろりとリオの腕が私の背中に回される。そこに痛いくらい力が込められて、私は目を瞬いた。


「リオ……?」


「……俺も、会いたかった。一人でやらないといけないことって、何だったんだ。一言、相談してくれたら……」


 くぐもった声に、胸がきゅんと締め付けられる。リオ、私に会いたいと思ってくれてたんだ。何をやらかすか分からなくて心配だからだったとしても嬉しいな。


「ごめんね、リオ。ね、先におうちに入ろう? 説明するよ」


 広い背中をよしよしと撫でれば、大人しくそれを受け入れていたリオがようやく顔を上げた。その頬はちょっとだけ赤い。


「……そうだな、やっと戻ってきたんだ。どうせ家の中も酷い有様になってるんだろう? 片付けるからネネは──」


「ううん、それは大丈夫だよ!」


「は?」


 言いながら、私はいよいよこの時が来たと、胸を弾ませて玄関のドアを開けた。


「ほら見て、リオ!」


 私が指し示した家の中を見て、薄青の瞳が、いっぱいに見開かれる。

 玄関から続くのはぴかぴかの廊下に、整理整頓された魔道具。ふわりといい香りが漂って、リビングの机の上いっぱいに並ぶのは作りたての美味しそうなごちそうたち。洗濯物なんて、もちろんとっくに綺麗に畳んで収納してある。


「ね、リオ、先にご飯食べよう。お肉大好きでしょ? ステーキにね、ハンバーグにね、それからローストチキンもあって……」


 言いながら、にこにことリオのことを振り仰げば、温度をなくした薄青の瞳と目が合って、私は目を瞬かせた。


「……リオ?」


「──誰だ」


「え? いた……っ」


 乱暴に腕を取られて、家の中に引き摺り込まれる。扉が閉まると、そこに荒々しく背を押し付けられて、両腕は片手で頭の上に押さえつけられてびくともしなくなってしまった。

 こんなことをされるのは初めてで、驚いてリオの顔を見上げて、私はもっと驚いた。薄青の瞳が、温度の高い炎みたいに怒りに燃えていたから。

 ぐる、とその喉から威嚇するみたいに低い音が出て、鋭い牙が剥き出しになる。


「──誰を、この家に入れた。俺がいない間に……っお前の身の回りの世話をさせたのか? お前に、触れさせたのか。答えろネネ、そいつは今どこにいる……!」


 びりびりと空気を揺らすような声に、私は思わず身体を縮こめた。何が何だか分からないけど、リオは変な勘違いをしているらしい。


「リオ、違……っ」


「答えられないのか、なあ。今までずっと、お前の面倒を見ていたのは俺だっただろう? ネネのことを全部分かってるのは俺だけだ、他の奴なんて今更要らないだろう、ネネ、そうだって言えよ」


「~~~もう、違うってば! 私がやったの! ほら、私以外の人のにおいしないでしょ?」


「……は? そんな嘘……」


「嘘じゃないもん、ほら離して!」


 スン、とリオが鼻を動かす。オオカミ獣人のリオの嗅覚は、普通の人の何倍も鋭い。まだ疑わしそうな顔をしていたけれど、腕の力が緩んだ隙に私はするりとそこから抜け出した。

 びっくりした、あんまり近いからどきどきしちゃったよ。


「……確かにお前以外の匂いはしないが、たった数日でこんなにできるようになるわけないだろう。……そのために、俺は今まで……」


「うーん、ご飯食べてから話そうと思ってたんだけど……まあいっか!」


 リオの手を引いて、食事が並べられたリビングまで連れていく。完璧に整えられた室内を見て、リオは薄気味悪そうな顔をした。

 私がやったなんて、信じられないのも無理ないよね。でも、私の話を聞いたら、リオも喜んでくれるはず!


「あのね、私がやったって言ったけど、実際に手を動かしたわけじゃないんだ。これね、全部魔法なんだよ!」


「……魔法?」


「うん、なんと家事の魔法を発明したの! 興味のある魔法だったらもしかしたらうまくいくかもしれないと思って! できないことやってほしい~~って念じながらやったら使えちゃった!」


 まあ、今日みたいに家の中のこと全部を任せるととんでもない魔力を消費するから、何度も使うと寿命が削られていっちゃうんだけど。でも寿命くらい削れたっていい、リオのそばにいられるなら。


 リオの大きな手を両手で握って、私はぱっと明るい笑みを浮かべた。


「ねえ見てリオ、ごちそうだって作れたし、掃除だってお洗濯だって完璧だよ! もう、リオにやってもらわなくても大丈夫!」


「──……」


 リオの顔が、どんどん白くなっていく。けれど達成感で満ち溢れていた私は、それに気が付かなかった。


「……これの、」


「うん?」


「これの、ために、俺を遠ざけていたのか」


 私はきょとんと目を瞬いた。まず、もう面倒な家事をしなくていいことを喜ばれると思ったんだけどな。


「うん、そうだよ。リオにやってもらわなくてもいいように、家事の練習してたの。最終的に魔法頼りになっちゃったけど、結果オーライだよね? だって私、いちおう魔女だし!」


「……何で」


「? リオ?」


「……俺は、お前の、使い魔だろう。今まで通り、俺に任せておけばよかったんじゃないのか。何にもできない、お前のままで……」


 押し殺したような声に、私は眉を下げると首を横に振った。本当は私だって、ずっと今までどおりでいたかったけど。


「それじゃだめなの。だって──……リオは、もう、私の使い魔じゃなくなるんだもん」


 は、と。掠れた声を絞り出して、大きく薄青の瞳を見開いたリオは、呆然とした表情を浮かべた。

 初めて見る表情だ、と思っていたら、私が引いていた方のリオの腕に刻まれていた隷属の証の五芒星が、にわかに強い光を放ち始める。


「な、」


 ……ああ、とうとう時間が来てしまったんだ。寂しいな、でも、間に合ってよかった。身の回りのことなんて何にもできないままの時にこの瞬間が来てたら、泣き出してしまっていたかもしれない。

 青ざめるリオに、私はふわりと笑いかけた。



「──リオ、今までありがとう。一人でできるから、もう私の面倒見なくていいよ」



 リオの唇が、戦慄いて。何か言葉が紡がれる前に──パキン、と音を立てて、二人の間で隷属の証が砕け散った。


 今まで、二人の間に当たり前にあった主従として繋がれている感覚が断ち切られて、強い喪失感に襲われる。

 ぎゅうと目を瞑って、今にも座り込んでしまいそうなそれに必死で耐えた。


 ──くらくらしてる場合じゃない、これからはリオが私を使い魔にしてってお願いしなきゃ。今までリオが私にしてくれたぶん、一生懸命お返しするんだ。

 リオは何にもしなくたっていい、家事は私が魔法でするし、お金だって魔法薬で頑張って稼ぐよ。奴隷契約だって結ぶし、リオがしてほしいことなら何だってしてあげる。


 ──だから、だから。きっと役に立つから。……お願い、今までどおり、ずっと私のそばにいて、大好きなリオ。



「……は、」


「リオ、」


「──っはは、は、っはははははははは……!!!」


 え、と呟いて、私はふらつく頭を上げた。──だって、今狂ったような笑い声をあげている人が、本当に私のよく知るリオだってことが、咄嗟に信じられなかったから。


 見上げた先で、仄昏い目をした獣が嗤っていた。これは誰だろうなんて、一瞬でも考えてしまうほどに、知らない顔だった。


「……なあ、ネネ」


「り、リオ?」


「──お前が。お前があの日、俺を欲しいと言ったんだ。俺の全てを奪った、俺の全てがあの日お前になった。それを、今更、必要ないから捨てようって? はは、は、……っ」


 ──ふざけるなよ。


 唸るように吐き捨てて、リオが青ざめる私の腕を掴む。悲鳴をあげてしまうほどに強い力だったけれど、リオはそれに構わず私を引きずった。


「痛いっ、リオ、ねえリオっ、……」


 弱々しい声で呼びかけてみても、リオは振り返ってくれない。私の部屋のドアを蹴破って、次の瞬間にはぐるりと視界が回っていた。

 ベッドに放られたのだと気が付いたのは、ぎしりと軋んだ音を立てて、リオが私の上に乗り上げてきてからだった。逆光の中で、薄青の瞳だけがぎらぎらと光っている。


 呆然として身じろぎもできない私を、それでも念入りに押さえつけるように足が絡んで、両腕は頭の上で容易くひとまとめに拘束される。

 ローブの中に仕舞っていた杖は、いつの間にか遠くの床に放られていた。リオの高い体温と重みは生々しくて、けれどとても現実のこととは思えなくて。


「リ、リオ……?」


「ああ、……ネネ、俺の全て、俺の薄情な魔女。無力で、ちいさくて、本当にかわいいなあ」


 聞いたことがない、まるで酔ったみたいな甘い声でそう言って、リオは片手で私の頬を優しく撫でた。触られたところがざわりと粟立って、なんだか変な気分になる。


「リオ、どうしちゃったの……?」


「うん? はは、……俺はずっとどうかしているよ、お前と出会った時から。首輪を外したのはお前だ、ネネ」


 お前は知らないだろう、今まで俺が頭の中で、お前にどれほど酷いことをしていたのか。悲鳴を、泣き顔を、縋る声を、そうしてそれすらも上げられないほどに苛んだお前の姿を、どれほどに夢想したかなんて、何一つ。


「優しくして、世話を焼いて、依存させても駄目なら仕方ないよなあ……」


 リオはそう言いながらうっそりと笑って、オオカミ獣人特有の鋭い爪をメキメキと伸ばした。万が一にも私を傷つけないようにと、ずっと見せることはなかった爪。

 こちらへ伸ばされたそれに思わずぎゅっと目を瞑ったけれど、その爪が引き裂いたのは私じゃなく、私が着ていた黒いローブだった。


「えぇっ!? わ、わっ、リオ……!?」


「動くな、ネネ」


 低い声で言い捨てて、あっという間に布きれに変わってしまったローブをリオはぽいとベッドの外に放る。

 ぽかんとそれを目で追っていたら、下に着ていたシャツの隙間からするりと熱い手のひらが潜り込んできて、私は思わず身体を震わせた。


「ひゃぁっ……!?」


 感触を確かめるように、くすぐるみたいに指先がお腹のあたりを這う。くすぐったいし、何だかへんな感じがする。どうしてだかリオは怖いし、一体何が起きているのか全然わからない!


「り、リオ、待っ……!」


「なあネネ、お前が想像もできないような、酷くて怖いこと、沢山してやろうな。それで、俺のことしか考えられなくなればいい……何にも分からなくなったら、俺がまた、世話を焼いてやるから」


 頭がぐるぐるとして、何を言われているのかも分からない。けれど思考が追いつく前に、ぶちぶちとシャツのボタンが下からふっとんで、お腹が空気にさらされてひんやりする。

 いっつも服を着ろ、ぽんぽんを冷やすな、と怒るはずのリオは、晒された肌に見たことがないじっとりとした視線を這わせて、それからそこに顔を寄せた。


「──ぴぁっ!? り、リオ、どこ舐めて……や、ひぅうっ、っやめ、」


「グルル……」


 信じられないことに、ぺろ、とまるでオオカミじゃなくてわんちゃんみたいに、リオが私のお腹を舐めている。ジャムとか塗ったっけ、なんて考えてしまうほど熱心に。

 ぶわわと顔に熱が集まって、身を捩ってみるけど全然動かない。解放された両手で必死にリオの頭を押して、三角の耳を引っ張ってみるけど微動だにしない。


 やめなよおなかこわすよ! と叫びたいのに、くすぐったいからか変な声ばっかり飛び出して全然うまく言えなかった。


「や! やあ、リオ、だめっ……やめ、」


 身悶えしても、私なんかよりずっと身体も力も大きいリオに簡単に押さえつけられてしまう。

 暴れたことを咎めるみたいにリオのふさふさの尻尾が私の太ももをつうと辿って、また甲高い変な声が漏れた。


「は……」


 少しだけ顔を上げたリオが、半泣きで真っ赤になっているに違いない私の顔をじっとりと見つめて、酷く嬉しそうに、飢えた獣みたいな瞳でわらう。ずっと待てをされて、我慢できずに飛びついてしまったわんちゃんみたいに。


 リオの息がどんどん荒くなって、とうとう舐められるだけじゃなくて鋭い歯が立てられた。甘噛みだけどびっくりして、何だかぴりぴりして、自分の身体じゃないみたいで。


「やあ! リオ、リオ……っねえ、っん、」


「グル……はぁ、っは、……ネネ、俺のネネ──孕んでしまえば、もう二度と、離れようなんて馬鹿なことは考えられないよなあ……」


 ずっと一緒にいような、というその言葉だけが、パニックになっている私の頭に何故だかすとんと入り込んできた。……だって、それは私が一番望んでいた言葉。

 状況も何もかも一瞬吹っ飛んで、途端に湧き上がってきたのは大きな喜びだった。


 ──リオ、私とこれからも一緒にいてくれるつもりなんだ! 私が便利な小間使いになれるって分かってくれたんだ……!


 心の底から安心して、嬉しいって飛びつこうとしたのにリオが重くてそれができなかったから、ようやく今の状況にちゃんと意識が向いた。……うん、どう考えても異常事態だよね。


 リオ、一体どうしちゃったんだろう。一生懸命舐めたり噛んだりしてるけど、リオは人のお肉は食べないはず。

 出会った頃、オオカミがおばあさんを食べちゃう絵本が怖くて恐る恐る聞いたら全力で否定されたから間違いない。


 ……はっ、もしかして、今まで迷惑ばっかりかけてた私をいざ好きにできるってなってテンション上がっちゃったのかな。これがリオが小間使いができたら真っ先にしてほしいことだったってこと?


 そういえばこんな感じのシチュエーション、お師匠様の秘蔵本で見たことある……!! そうだ、たしかタイトルは──


 ぴんと来て、私は思い出したままに叫んでいた。



「あ、『貴方様だけの性奴隷~一生ご奉仕いたしますご主人様♡~』だ……!!!」


「……は……?」


 リオが呆然とした声を漏らして顔を上げたけれど、再びパニックに陥っていた私は気が付かなかった。


「そ、そうだよねリオ!? これってえっちなやつだよね!!?」


「えっ、……は?」


 ぽかんと口を開けたリオに、私はやっぱりそうなんだ……! と戦慄した。リオにそういう欲ってあったんだ、そんなそぶり一回も見たことないから私てっきり、いや今はそこじゃない!!


 どうしよう、家事とか身の回りのこととかを魔法でできるようになって安心しきってたけど、そういうのは全然考えてなかった!! まさかリオが求めてるのが小間使いじゃなくて、──性奴隷だったなんて……!!


 うまくできなかったら、やっぱり一緒にいられないって捨てられちゃうんじゃ……!? でも無理だよ、経験もないのに私あんな風にあはんうふん楽しませてあげられないよ!!


 何よりも、もう一つ重大な問題があることを私ははっと思い出した。


「リオ……!! どうしよう、私おっぱい小さい!!」


「は?」


「ねえ、ほら!! リオ、これじゃ満足できないよね……!!?」


 リオが口を開けたまま固まっているのをいいことに、私はその手をむんずとわし掴むとむぎゅりと自分の胸に押し付けた。


「……───!?」


 びびび、と金色の毛が逆立って、とうとう一言も発すことなくリオがガチンと固まってしまう。

 何かコメントしてもらえないかと必死にむにゅむにゅ押し付けてみたけど、リオの熱くておっきい手は一揉みもしないし、何か色々喋っていたはずのリオは無反応になってしまって、私は絶望した。


 やっぱり、リオもおっきい胸がいいんだ。お師匠様も常々そう言ってたし。……どうしよう、ならせめて技術を向上させないと!! すぐに一級の性奴隷にならないとリオに捨てられちゃう!!


「リ、リオ、お願い、私のこと捨てないで!! リオの使い魔になるために家事魔法だって覚えられたんだから、えっちなことだって練習したらきっと上達するよ!! すぐに立派な性奴隷になるから!!」


「……は……?」


「リオとずっと一緒にいるためなら、私なんだってする! ま、待ってて、すぐなんか……その辺の人とか、お師匠様とかで練習してくるから! ほんとすぐだから!! ああもうリオちょっとどいてー!!」


 大きくて重い体の下で喚いてじたばたと暴れる私に、けれどリオは一切退いてくれなかった。

 代わりに長い、本当に石になってしまったのかと思うくらいに長い沈黙を落として──それから、がしりと大きな手のひらで私の顔を鷲掴みにした。


「へぶっ……」


「──ネネ」


「え、り、りほ……?」


 ──説明しろ、と。

 地を這うような声でそう言い放ったリオの笑顔はとても綺麗だったのに、どうしてだか背後に地獄の門が見えて、私は竦み上がった。

 これは昔ノリで魔法薬を作って飲んで、調合間違えてて一週間生死を彷徨って漸く目覚めた時に見たタイプの笑顔だ。……つまり、絶対逆らってはいけないやつ。


 青ざめた私はぽんぽんを晒したまま、こくこくと壊れたおもちゃみたいに頷いたのだった。


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