新たな発見
「こんなことができるなんて…」
サイは複製した部品を手に取り、感嘆の声を上げ。
「お前のスキルには大きな可能性がある」ジェイクは言った。
「ところで、そのドックタグを持っているとき、俺の姿が見えるんだな?」
「はい、これに触れた瞬間、ジェイクさんが見えるようになりました」
サイはドックタグを手に取った。
「試しに、そのドックタグを首にかけてみろ」
ジェイクが提案した。
サイは言われた通り、ドックタグを首にかけた。
突然、目の前のジェイクの姿が青白い光に包まれ、その光がサイの体に吸い込まれていった。
「え?ジェイクさん?」サイは驚いて周囲を見回した。
『落ち着け、サイ。俺はここにいる』
サイは驚愕した。ジェイクの声が、自分の頭の中で響いたのだ。
「どういうことですか?」サイは混乱して尋ねた。
「どこにいるんですか?」
『どうやら、お前がそのドックタグを首にかけると、俺はお前の中に入り込むようだ。お前の意識と並存している』
「僕の中に…?」
『ああ。お前の目で見えるものが見え、お前の耳で聞こえるものが聞こえる。だが、お前の意識とは別だ。お前は今まで通り自分の意志で行動できる。俺はただ、お前の中にいるだけだ』
サイは自分の体を見下ろした。
外見は何も変わっていないが、確かに自分の中に別の意識があることを感じた。
不思議な感覚だが、恐怖は感じなかった。
むしろ、心強さを覚えた。
「これは…すごいですね。」サイは言った。
『ああ、予想外だが、これは便利かもしれないな。俺はお前に常に助言できるし、お前の学ぶことをすべて見ることができる。』
「でも、ジェイクさんの姿が見えなくなってしまいました。」
『そうだな…試しにそのドックタグを外してみろ。』
サイがドックタグを首から外すと、再びジェイクの姿が彼の前に現れた。
「おお、戻った!」ジェイクは自分の体を確認するように手を広げた。
「どうやら、ドックタグを首にかけると俺はお前の中に入り、外すと実体化するようだな。」
「これは便利ですね。」サイは目を輝かせた。
「学園では誰にも見られずにジェイクさんと話せるし、必要なときは姿を現すこともできる。」
「そうだな。」ジェイクは頷いた。
「だが、お前の中にいるときは、俺の声はお前にしか聞こえない。周りの人間には、お前が独り言を言っているように見えるだろう。気をつけろよ。」
「はい、気をつけます。」サイは真剣な表情で答えた。