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森林エリアにて


 学園の西側に広がる森林エリア。

 豊かな緑と魔力に満ちた自然が広がっている。

 サイは他の生徒たちと共に森の中を歩いていた。

 グループのリーダー格のタクミは、常に先頭を歩き、他のメンバーに指示を出していた。


 「ねえ、サイって何の魔法が使えるの?」ミユキという女子生徒が嫌味たっぷりに振り返って尋ねた。

 彼女の長い髪が風に揺れる。

 彼女は入学時からサイのスキルを知っていて、わざと聞いているのだ。


 サイは少し躊躇した後、答えた。

 「複製…です。知識や構造を理解しているものを複製できるんです。」


 「へぇ、複製ねぇ」タクミが嘲笑うように振り返った。

 「それって戦闘には使えないじゃん。しかも掌サイズのものしか作れないんだろ?本当に役立たずだな。」


 「そうだよね」別の生徒のケンタが笑う。

 「魔法で戦うなら、火や水、風の魔法が基本だろ。複製なんて、何の役にも立たないよ。」


 「役立たずだな」タクミがはっきりと言った。

 「なんでこんなやつがうちのクラスにいるんだ?」


 その言葉に、サイは黙ったまま俯いた。

 心の中では反論したかったが、これまでの経験から、自分の力が直接的な戦闘には向いていないことを認めざるを得なかった。


 一行は森の中をさらに進んでいった。

 やがて、小さな開けた場所に到着した。


 「ここで休憩しよう」タクミが宣言した。

 「それからあっちの方向を調べてくるから、サイはここで待ってて。荷物の番をしてくれ。」


 「え、でも…」サイが反論しようとしたが、


 「君の力じゃ、探索には役立たないからね」タクミは笑いながら言った。

 「ここで大人しく待ってるのが、一番の貢献だよ。」


 そう言って、タクミたちは森の奥へと進んでいった。

 サイは一人取り残され、岩の上に腰掛けた。

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