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転生物語  作者: 情緒箱
第一章:転生、幼年期
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第六話:誇りと道

 五歳になった。


 誕生日にパーティーが開かれた。


 この世界には毎年誕生日を祝う習慣はない。

 そのためこれまで祝われないと思っていたのだが、5の倍数の歳ごとに祝うらしい。

 そして最後に祝うのが、成人祝いの15歳らしい。


 それぞれプレゼントが贈られた。


 アスロからは二本の剣。

 ロングソードのような細めだが重くしっかりとした剣と、ナイフのような短く軽い短剣の二本だ。


 セレアからは本をもらった。

 食物連鎖などの生態系を纏めた図鑑だ。

 前世の中学生の時はかなりの愛読者だったため、素直に嬉しかった。


 レイラからは人形をもらった。

 俺、アスロ、セレア、ローディス、レイラ、リリアの6人が掘られている。

 手作業で作ってくれたと言うため、感謝した。


 ローディスさんからはペンダントをもらった。

 母親の遺品らしく、そんな大切な物を俺にくれるとは、何とも言えない嬉しさだった。


 リリアさんからは杖をもらった。

 本来は初級を使えるようになったら渡すらしいが、最初から使えたため渡す気を見失い、教渡すことにしたのだそう。

 リリアさんから物をもらうのは初めてだったので、感動というか、そんな気持ちを感じた。



 そんなこんなで俺は五歳になったが、生活が一変した訳では無い。

 いつも同じだ。


 さて、現時点での俺のステータスを再認識しておこう。


 初級→中級→上級→魔級→超級→星級→神級

 このやうに魔術剣術ともに七段階でランク分けされている。


 剣術の流派の名前は、どこが発祥の地から取られているらしい。


 ちなみに、剣士と魔術師ではそれぞれ呼称が違うらしい。

 剣士の場合は(流派の方向)と(ランク)で呼ばれている。

 例:東神

 しかし魔術師は(各属性の魔術)と(ランク)と級で呼ばれている。

 例:火神級


 また、それらの呼称の後に剣士や魔術師をつけたりもするらしい。

 例:東神剣士、火神級魔術師


 ちなみにアスロは北上級剣士、セレアは治癒上級魔術士、リリアさんは水魔級魔術師だそうだ。

 

 現在俺に出来ること。


 攻撃魔術

・火魔術:上級

・水魔術:上級

・風魔術:上級

・土魔術:上級


 神聖魔術

・治癒魔術:中級

・解毒魔術:初級

:神撃魔術:初級

:結界魔術:初級


 オリジナル

・雷撃魔術

・重力魔術


 魔力関連

・無詠唱

・魔力強化:アスロ以下

・魔力出力:高い

・魔力効率:高い

・魔力総量:多い


 剣術

・東剣流:初級

・西剣流:初級

・北剣流:初級


 以上だ。


 正直かなりのハイスペだと思うが、自惚れは静止する。


 なにせローディスはたった2年で東剣流、西剣流、北剣流の三流派が上級に達している。

 更に魔術も攻撃魔術の四種は中級、神聖魔術は解毒と結界が上級、治癒が中級に達している。

 その上魔力強化は俺どころかアスロすらも冷や汗かかせる程に才能があるらしい。


 化け物だと心底思う。

 俺も神聖魔術は鍛えればまだ伸びるとは確信しているが、ローディスもそれは変わらないわけで………。

 ………練習を怠るわけには行くまい。



 剣術の鍛錬の時間。

 俺は基本的に東剣流と西剣流の2種を主に習っているが、思ったことが一つある。


「しかし父様、前に話を聞いた限り、北剣流がバランスがいいと感じたのですが、何故あまり教えてくれないのですか?」

「ルナ、アレは戦うための剣を使った兵法であって、剣術ではない」


 どうやら北剣流は剣士間では、

「我らが至高の剣術を、兵法と同列に扱うな!」

 という感じで嫌煙されているようだ。


 アスロも教えるのは嫌いなようで………。

 だがローディスには教えてるのは何で?


「では何故義兄様には北剣流を主に教えているのですか?」

「それはローディス君の親父が北剣流の剣士だったからだよ」


 なるほど、北剣流の才能があるかもしれないから伸ばしたというわけか。


 しかし、剣術は習って損はないだろう。

 相手の意表を突いたり、剣士の立ち回りを覚えたり、魔力強化の身体強化ブーストを使えるだけで儲けものだろう。


「ルナ、やっぱり剣術は嫌いか?」


 アスロが聞いてきた。

 俺に魔術の才能があるから、剣術は嫌だと俺がおもつていると考えているのだろうか。


 別に嫌いな訳では無い。

 俺は前世、研究が本分だったのが抜けていないのか、結構インドアだ。

 しかし、こういうどう動くかを考えるのも好きだ。

 なので、全く苦ではない。


「剣術だって魔術と同じくらい上手く、強くなりたいですよ」


 こう言ったら、アスロは感動したのだろうか。

 より熱心に剣術を教えてくれた。


 チョロいな。


「俺も本気で教えやる。

 ただ、その剣術は大切な人を護り、敵を討つ、お前

 の信念だ。

 貴族のような下らないプライドじゃなく、お前だけ

 の、芯をある信念を、お前の誇りとしろ。

 誰にも折られることのない、硬く温かい誇りをな」


 前言撤回。

 ちゃんと考えがあったらしい。

 俺には誇りなんぞの言葉ではあまり良く分からなかったが、心で、理解した。



 剣術は毎日がキツイが、魔術もそれに負けないぐらいhardだ。


 三歳で大体上級を扱えるようになったため、現在まだ上級に達していない神聖魔術を上級にすることを優先に進めている。


 またそれ以外でも混合魔術や魔術の複数同時発動、ラグあり複数発動を、行っている。


 お陰で混合魔術や魔術の同時複数発動は勿論、ラグ有りの複数発動も出来るようになった。


 ちなみに混合魔術とは、自然現象を魔術を組み合わせて発動させることで再現するというものだ。


 例えば霧の発生だ。

 これは水域ウォーターウォールで水分を集め、地熱ヒートアウトで地面を温め、氷結領域アイシクルフィールドで地面から熱を奪って冷やすことで霧が発生する。


 大体の自然現象や物理現象はこの世界でも同じなため、基からある知識を生かせば、混合魔術はあまり苦労しなかった。

 ただ、一瞬で発生させるのは難しかった。



 ここからは研究の成果を発表する。

 一つ、雷撃魔術の出力、効率調整完了。

 二つ、雷撃魔術の威力、範囲調整完了。

 三つ、重力魔術の設定、発動可能。

 以上だ。


 この中で最も進歩したのはやはり、重力魔術の発動が出来たことだ。

 現在はまだ一部分に発生させることしか出来ないが、全身、一点集中、浮遊、吸収、放出、崩壊などに広げていくつもりだ。

 グヘヘ、楽しみだ。



「ルナ、魔術は好きですか?」

「好きですよ」

「そうですか。

 ならいいんですが」


 何だ、魔術が嫌いなわけが無い。

 俺にとっては知的好奇心唆られる大変大事な物だ。


「ルナ、魔術学校には興味はありますか?」

「はい。

 てあうか、そんなのあるんですね」

「大国であれば1、2校位どこでもありますよ」


 それにしても、学校ねぇ。

 魔術学校というくらいだ。

 今の俺でも学べることはたくさんあるだろう。


 そして…。

 学校には嫌な思い出はあるが、トラウマではない。

 それ以前に、どちらかというと………


「ルナ?」

「あぁッ!はい!何でしょう」

「いえ、ただ顔が青くなっていたので、どうしたのかと」

「何でもありません、大丈夫です」


 そんな顔してたのか?

 まあ、あそこで選択を間違えなければ変わってたかもしれないから、辛気臭くなっても当然っちゃ、当然か。


「ルナ、もし魔術学校へ行くなら、アルディア魔術大

 学へ行くことをお勧めします。

 なんと言っても、あそこは魔術学校の中でもトップ

 と言っていいほどの人材がいます。

 その上、他の魔術学校で多い偏見や変なプライドを

 持つ生徒も少ないです。

 そして、新しい魔術理論の構築も進められていま

 す。

 私の母校でもあるので、通うことになったら、是非

 考えてみて下さい」


 母校ということあってか、かなり滑舌良く話していた。


「まぁ、ルナは魔術大学に入るかは当分先だとは思い

 ますが。

 なんならルナには魔術以外にも剣の道があります。

 あまり急ぐのもよくないですよ」


 ま、俺は剣術はあくまでサブ。

 魔術の補助として使うつもりだったのだが、彼女は魔術を嫌っていると思っているようだ。

 アスロと真反対なので逆に面白い。


 最近は魔術の法則性と知識が増え、授業を昔ほど熱心に受けなくなってしまった。

 そもそも、傍から見ればこれは才能を伸ばそうと三歳児に無理矢理学ばされた魔術。

 そして、ここ最近の剣術に対する熱意を見て、心配になったのかもしれない。


 アスロは魔術の才能を、

 リリアは剣術の熱意を見て、

 その中道もあると考えているのだろう。


「まぁ、まだまだ先の話ですけど」

「それもそうですね」


 何か緊張感が漂ってきている。

 何だ?


「ルナ、私が教えられることはもう少ないです。

 卒業も近いですし、道を示すのも師匠としての役割ですよ」


 ………卒業………………………?

 世界基準で言えば、ルナティスもローディスは神童です。

 ちなみにローディスとルナティスはアスロより強いですが、ギリ経験の差でアスロが勝ちます。

 頭おかしい、誰だよ、こんな設定にしたやつ!

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