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RAIN  作者: もみの木
第三章
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第三章 ⑩

「あっ!すみません!ずっと名乗りもせずに!

“ハル”です。青山ハル。」

「ハルさん、ですか。」

「あっ、“ハル”で大丈夫です!呼び捨てで!」

「“ハル”…いい名まえですね。」

「カタカナだから珍しがられるんですけど…」

「そうなんですか?」

「あ、はい。名まえだけだと、たまに女性に間違われることもあります。

だから、昔はこの名前が嫌いでした。

…でも、この名まえは母が一生懸命考えて付けてくれたんです。

“晴れ”という意味もあるし、僕の産まれた季節の“春”っていう意味もあるし、母(いわ)く、“新しい始まり”を込めたらしいです。

「いつでも、どこからでも新しく始められるって素敵じゃない?」って、よく言ってます。」

「“新しい始まり”…いいですね。」

「あ、ありがとうございます。なんだか照れます。

“ロゼ”もいい名まえです!」

そう僕が言うと、彼女はとても嬉しそうに

「はい!」

そう答えた。




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