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第二章 ⑪
小さな繁華街を過ぎると、一変して田舎町漂う風景になる。
家はぽつぽつになり、山々に囲まれるように田畑が広がり、長く伸びる川がある。
そのどれもが茜色に染まって、今日の終わりを迎える準備をしている。
僕と彼女は僕らの町がある集落に続く川沿いの堤防を歩いていた。
茜色の夕日が川の水に反射して眩しさを覚えたが、僕は、隣にいる彼女のことばかり気になっていた。
「あ、あのっ!」
自分の緊張をほぐそうと、僕は言葉を発した。
「奥山町には、いつから…?」
彼女の方へ顔を向けたが、夕日が眩しくて表情は分からなかった。




