23/51
第二章 ⑨ *
*
「えっと、たしかこっちに…」
彼女が曲がった方へ急いで向かったのだが、見当たらない。
ただの見間違いだったのだろうか。
そうだよな、昨日一度だけ会った人だ。
見間違ってもおかしくない。
自分でも、どうして昨日たった一度会っただけの彼女に執着しているのか、分からなかった。
「ここは…このみ町か。電車を待つのもなんだし…歩いて帰るか。」
そう、踵を返した時だった。
「っ?!!!」
びっくりしすぎて声にならなかった。
「なん、な、なん、で?!」
突然、目の前に昨日の彼女が現れた状況を把握できずにいた。
「驚かせてすみません。あなたが見えたので。」
彼女はそう言いながら、頭を下げた。




