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第二章 ⑧
はっ。
昨日の寝不足のせいか、電車に揺られ僕はいつの間にか眠ってしまっていたようだ。
時計を確認する。
ふぅ、まだ、あと2駅くらいあるな。
寝過ごしていないことに安堵して、車窓からすっかり茜色になった空を眺めた。
「次は~このみ駅~………」
ぼーっと外を眺めていると、速度を落とした電車がゆっくりと止まった。
「えっ?!」
僕は思わず口に出してしまった。
自分でも思いもよらぬ程の大きな声が出てしまい、車内を振り返ると他の客がこちらをじろじろと見ていた。
苦笑いしながら頭を下げ、すぐさままた窓の外を見る。
そこには、昨日の彼女の歩く姿が遠くに見える。
僕は慌てた。
これまでの人生でこんなにも慌てたことがあるだろうかと思うほどに。
「閉まるドアに~ご注意ください~。」
ピィーーー…プシューーー……
はぁはぁ…はぁ…はぁ…
僕は考える間もなく、電車を降りていた。




