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RAIN  作者: もみの木
第一章
13/51

第一章 ⑫ *

                   *


「ただいま。」

僕は学校に行く気持ちになれず、家路(いえじ)についた。

若者一人が住むには古く広すぎるこの家は、祖父母の家だ。

祖父母とも、僕が高校生の時に亡くなった。

僕は二人がとても好きだった。

小さいころからこの家に何度も預けられた。

その度に、祖父母は温かく迎え入れてくれた。

祖父母には娘が二人いる。

長女が僕の母だ。


祖母から聞いた話だと、僕の母は小さい頃からおてんば娘で、18の時に僕がお腹にいることが分かったが、厳格(げんかく)な祖父から結婚を反対され家出同然でこの家を出ていったらしい。

それから4年後に突然僕を連れて

「少しだけ預かってほしい。」

と言って僕を置いていったらしい。

少しだけと言った母は半年後に僕を迎えに来るのだが、その時も祖父とケンカをして泣いていたらしい。

僕は、その時の涙を覚えている。

その時が、僕が覚えている中で初めて見る母の涙だったからかもしれない。




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