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プロローグ
【プロローグ】
「雨の音って好きなんだよね。」
雨が降る度に、そう言う彼女の名はロゼ。
僕の同居人。たったひとりの女友達。
「ふぅん」
僕は軽く答える。
「どうして?」
そう言うと
「どうしてだろうね?」
外を見ていた彼女は振り向いた。
窓からの白い光が眩しくて表情は分からない。
「さ、ごはんにしよう。」
並べられたごはんに
「今日もおいしそうね。」
そう言いながらやって来ると、彼女は鼻をくんっとさせて笑う。
これがいつもと変わらない彼女と僕。
雨の日の朝の彼女と僕。