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第二章:北の大地編 プロローグ
プロローグ
――――おぎゃあ、おぎゃあ!
――――うわあああん!
顔を真っ赤にして泣き声を上げる、まだ生後間もないであろう赤子。
そして、その傍でへたり込み、それ以上に大きな声で泣きじゃくる少女。
駆けつけた戰毅が目にしたのは、そんな光景であった。
「一体何が……」
状況に困惑を隠せない戰毅に、その場にいた男が恐ろしい者を見る目で少女を指さし叫ぶ。
「その娘が赤ん坊を殺そうとしたんだ!」
「‼」
戰毅はその言葉に、少女を驚きの目で見る。
今も尚泣き続けている少女は、とてもそんなことをするような子には見えない。
少女は泣きながら叫ぶ。
「ごめんなさい!ごめんなさい!」
「怖かったの。わたし、わたし……‼」
しばらく辺りには、少女と赤子の泣き声が響き続けた――――。




