第四章:玉璽争奪編 エピローグ
――――ああ、どうして私は。
パチパチと、時折破裂音のような大きな音を立てながら、三十年近く過ごしてきた宮が燃えていく。
油が撒かれたせいで、炎がすべてを吞み込んでいくのは本当にあっという間だった。
もう彼らの周囲は火の海だ。
それなのに雨鳥の膝に頭を預けて寝転ぶ男は、何が楽しいのか、彼女の手を握って弄びながら子どものように無邪気に笑っている。
「嬉しいな。君は最期まで、俺の傍にいてくれるんだな」
それに対して、顔を向けることすらしなかった。
どうせ見えやしないのだから。
……でも、それならどうして。
「(どうして私は、この人のそばにまだいるんだろう)」
逃げればいいのに。
今なら、逃げれる。
どうせこの男の目は見えやしない。
侍女も、兵も、……子ども達も、いない。
それなのに。
「愛している、雨鳥」
「私は…………」
どうして私は。
それが言葉になる前に、大きな音を立てて宮が崩れ落ちた。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます!
とうとう次回から最終章に入ります。
どうか最後までお付き合いいただけますと、幸いです。
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