報告
「先生!裏山に雷が…!」
「雷…?雲は無いみたいだし、誰かのイタズラかしら。見たのは何時くらい?他に誰か居た?」
「ううん、私一人だけだった。見たのはついさっき。」
「分かった。ありがとね報告してくれて。後、裏山は一人で行くと危ないわ。せめて友達と一緒に行きなさい!」
「……うん。」
先生はハッとなり
「アイシャ、皆あなたを怖がっている訳じゃないの。ただ、どう付き合えばいいかまだ分からないのよ。」
「私の知り合いにも祝福を受けた人が居るの。その人はなんでも見えちゃう祝福を受けたんだけどね。」
(私の裸を何回も見やがって……次見たら殴ってやる。)
先生の想いが聴こえてくる。
「その祝福で体に異常がないか視る仕事に就いたの。祝福は決して悪い力ではないのよ、アイシャ。」
「うん…分かってるけど…」
「一人で悩まないで。いつでも相談していいからね。それじゃ私は裏山を見てくるわ。あなたはどうする?」
「もう遅いし、帰る。」
「そう、気をつけて帰るのよ。明日また学校でね。」
そう言うと先生は浮かんで裏山へ行ってしまった。
「こんな祝福なんて要らなかったよ…」
そう言い残し、私も家へと帰った。