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どんな時も、ずっと私はあなたの傍にいるよ。

作者: 七瀬






僕は、いつからだろう?

肩が重く、何をするにしても“ネガティブに考えるようになった”

僕は元々、テンションが高くあまり細かい事を考えないタイプの

人間だと思っていた。

だから友達も多く、皆でワイワイ騒ぐのが楽しかったのに...。

今では、一人部屋で籠っている方が楽しい。

周りの友達にも、僕の変わりようが気になるのか?

僕を揶揄う友達もいた。



『どうしたんだよ、一馬! お前、最近遊びに誘っても来ないじゃ

ないか!』

『・・・でもさ、用事があって。』

『なんか? 雰囲気変わったよな~お前、一体どうしたんだよ!』

『・・・一馬クン、“背中に女の人の霊が憑いているよ”』

『えぇ!?』

『見えるのか、大下?』

『まあね、霊感強いからさ、見えちゃうのよ』

『だからか~急にテンション低いし、お前らしくないから、おかしい

と思ったんだよ! どうしたら、その霊が離れていくんだよ』

『霊を払わないといけないよ、このままほっておけば! この女の人

成仏しなくなるから。』

『大下、頼む! 払ってやってくれ!』

『いいけど? 一馬クンは、いいの?』

『えぇ!?』

『随分と彼女、一馬クンがお気に入りみたいだから。』

『僕からも頼むよ、彼女を成仏させてあげて』

『分かったわ』





僕は、何処で霊である彼女を連れてきたのか?

それは定かではないが、彼女を大下という同級生の女の子に

成仏させてもらう事に決めた!

僕にとっても、霊の彼女にとってもそれがいいと思ったからだ。




・・・確かに、大下さんに霊に憑りつかれていると聞いた僕は

物凄く、そういう事なんだと理解できた。

何故なら? 急に僕の調子がおかしくなったからだ。

体もだるく、風邪を引いて熱があっても遊びに行く僕が何も

ないのに、家に居たいと思うようになったからだ。

部屋に籠り、誰かと顔を合わせる事が苦痛に感じる。

僕は、心の病気になったんじゃないかとカウンセリングで診て

もらおうと真剣に考えていたぐらい悩んでいた。




それが、あっという間に大下さんのおかげで解決した。

僕は全てを、大下さんに任せることにした。



『・・・ごめんね、後はお願いするよ』

『うん! 彼女が成仏できるように頑張るわ!』

『頼んだね!』

『じゃあー早く! はじめましょう!』

『あぁ!』





大下さんは、僕を部屋の中心に置いて円を描きそこから一歩も

出てはいけないと言った。

僕は、彼女の言った通り円の中から出ないようにしていた。

でも? 僕に憑りついている女性の霊は苦しみだす。

大下さんは、何度も何度もお経を唱え、僕に憑りついてる女性の

霊を僕から引き離そうと必死だった。

女性の霊も負けじと、大下さんに暴言を吐き始めた。



『貴女は、一馬クンが好きだったんじゃないの? だから私に嫉妬

しているのよ! 彼はモテるモノね』

『でも? 一馬クンはアンタみたいな女に興味がないわ! 色気も

魅力もない地味な女に、一馬クンが好きになる訳ないじゃない!』

『今までだって! 好きになった男の子は、他の女性に取られ続けた

んじゃないの? アンタみたいなブス、モテる訳ないのよ!』

『もう、いい加減にしてよ! 諦めな!』

【ギャーーーーーーーアアア、ヤメロ、ヤメロ、ワタシハ、カズマクン

カラ、ハナレタクナイ、アイシテイルノハ、カズマクンダケ】





大下さんは、お経を唱えるのをやめなかった。

ひたすら、何を言われてもお経を唱え続けたのだ。

その甲斐あって、女性の霊は僕から離れて成仏する。






・・・でも? 僕の耳元で最後に女性の霊がこう言った。


『ずっと私はあなたの傍にいるよ。』

僕はゾッとして鳥肌が立ったが、女性の霊はあれから僕に憑りついていない。





最後までお読みいただきありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] 無理に引きはがされると、そのことが執着になるってありそうですね(^^;)
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