通勤を楽しんどけ
松代「ふっふっふっ」
林崎「松代さん、朝から元気が良いですね」
松代「最近、通勤の楽しみを探っていてね」
林崎「なるほど、痴漢のバリエーションを増やしているんですね」
松代「おい、コラ!俺のイメージが崩れるだろ!」
林崎「でも、社蓄らしく、最近は始発で来てらっしゃいますよね?」
松代「社蓄のみんなが、始発と終電に乗ってると思ったら大間違いだぞ!」
林崎「松代さんは週に3日は会社にお泊りするデザイナーですもんね」
松代「法規制のクソもないな」
林崎「通勤の楽しみですか。一体、どんな事をしてるんです?」
松代「それはもちろん、俺は男だ。林崎ちゃんのような可愛い子と、朝から出会わないかなーという調査を駅でしているんだよ」
林崎「やだー。私みたいな可愛い子を朝から捜してるって、すごく気持ち悪い男ですねー。会社で暮らしてください」
松代「子供におっさんと言われる見た目になったら、可愛い子がさらに可愛く見えて気になるもんだよ。お前だって、俺みたいなイケメンを見たら」
林崎「やっぱり、鏡張りの牢屋に収容されて、見つめ直してください」
松代「そいつは随分と豪華な牢屋じゃねぇか。維持費が大変そうだ」
林崎「ま、なんとなく分かります。私、見られてる意識ありますもん」
松代「デカイもんね。男女から見られて大変だろう」
林崎「ナニガですか?」
松代「いや別に」
林崎「で、どんな事を視てるんです?始発に乗ってるくせに、会社には始業時刻20分前に来てますよ」
松代「駅のカフェに嵌ってねー。朝から可愛い店員拝めて、運んでくれるコーヒーとパン、サラダを持って来てもらえれば、よし!仕事やるぞーー!って気持ちになって、アイパッドで仕事するんですよ」
林崎「まずは食えよ」
松代「いやもう。可愛い子だけ見れば、元気100倍。眠気はぶっ飛びなんですよ。朝飯なんていらないんですよ。夕飯食べるの0時頃だし」
林崎「出されたメニューにまったく手をつけないで帰る人って、気分悪いお客様ですよ」
松代「まぁまぁ。コーヒーは飲むよ。野菜好きじゃねぇから、あんま食わないんだ」
林崎「ここにきて、子供アピールもしてどうするんです?」
松代「でも、店員さん。それで、俺のことを見てくれるんだぜ。おぼんで口元隠しながら、同僚と話してるんだよ。きっと、俺のこと話してるんだよ」
林崎「朝から気持ち悪い客だなって、話してるだけです」
松代「ふっ、それでもいいのさ。口にしてもらえれば、いずれは彼女の心の中に住めるのさ」
林崎「ストーカーの素質ある発言です。ところで、パンはどうしてるんです?」
松代「そらもちろん。夢の女子高生の如く、食パン咥えて店を出て、会社着くまでに可愛い子とごっつんこしないかなーって」
林崎「キモッ。絶対、天罰が降りますよ。女子高生の真似した天罰がね!」
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松代「いっけねぇー。遅刻遅刻。急がなきゃー」
ゴツーン
松代「いったー!どこ見て歩いてるんだ!」
おっさん「うほっ、いい男……」
松代「女子高生の真似したら、そーいう出会いが来るもんか……。どうも、ありがとうございまーす!」