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異世界に転移したけど、周りの動物が強すぎる!  作者: ぽん・ぽんぽん・ぼっくり
5/5

五話(仮)

河雨

「助けて〜!!!」


銀狼

「BAUUUUUUUUUU!!!」


私は今、銀狼に襲われている。

なぜ、こうなったか。それは・・


〜30分前〜


「冒険者になろう」

突然だけど、そう決心した。

やっぱり、冒険者の宿『飲み屋』に一晩でも泊まったからには、『冒険者であるべき!』だよね(迷走)。

冒険者になるためにはギルドに行くのがスタンダード。

しっかーし!

ただ冒険者になるだけでは面白くないよね。

最初っからドラゴンでも倒してギルドにドラゴンを持っていって、『飛び級してスタート』を狙うよ!


うーん、だけど、チートものによくある、『無限収納』などの『スキル』は持っていないから、持ち運びに困るな。

流石に、引きずって持って行く訳にもいかないからね。

あ、水でウォータースライダーを作って、運べばいいじゃないか!(迷走中…)


河雨

「と、言うわけで!」


私は森に出発した。


〜数分後〜


河雨

「・・・ここどこ?」


出発して数分で、迷子になってしまった。

でも今なら、能力を使えば町に戻れそうだ(ズル)。


〜長いので時は短縮される〜


という訳で、一回、町に戻ってビックさんに頼ってみると、この国の地図と、この町の地図をくれた。

なぜか、ビックさんがくれた地図は2つとも、漆が塗られた木の板でできていて、金箔が豪快に振りかけられている。

こんな無駄に豪華な地図を、昨日に会ったばかりの私に、惜しげも無く、くれるなんて、ビックさん何者?

ビックさんは、「これが普通」と言うが、私の普通は地図に漆なんて塗らないし、金箔なんて使わないよ? 高価になるし・・

何よりも、 凄く、見辛いもん(そっち?)。


河雨

「ありがとうございます!」


取り敢えず、私は、ビックさんにお礼を言って、『飲み屋』をでる。

未成年者が飲み屋からでる。

お巡りさ〜ん!こっちですよ〜!(コラ!)


ビック

「気をつけて行けよ!」


河雨

「はい!」


私はビックさんに、返事を返して、町を出る。

さっきは、門の上を通っていったけど、今回は門を通ってでよう。

門では・・


ジュワン

「ぐ〜。」


ジュワンは寝息を立て、鼻に鼻ちょうちんを付け、寝ていた。

しかも、門の前に仁王立ちしている。

これじゃ、通れないじゃないか!

だが、私が着くと、


ジュワン

「パチン!

おい!お前!身分証を出せ!」


ジュワンは、鼻提灯が割れ、起きる。

『パチン』って、割れた時には音がしなかったのに、自分で言うんですね。

ここは、私だと言って通してもらおう。


河雨

「私です。」


ジュワン

「身分証は、ちゃんと作ったのか?

お前だけ『特別』と言う訳にもイカン。」


私は無言で、ジュワンの耳に、自分の汗を混ぜた水を流し込む。

血を使いすぎると、貧血になっちゃうからね!


ジュワン

「ん?!なんだ!?」


河雨

「『眠れ』。」


ジュワン

「ぐ〜。」


ジュワンはまた眠る。

こら!仕事サボっちゃダメじゃないか!(お前のせいだろ!)

・・私は無言で抜き足、差し足で門をでる。


私は門からある程度離れた場所にくると、


河雨

「やったー!!」


と叫ぶ。

私はそのまま、森へと歩いて行く。


そして、森に着くと、


◇◇◇◇

ビュッ!

◇◇◇◇


何かが、私の後ろを飛び去った。

私は、転移者が攻撃を仕掛けてきたのか。

それとも、白虎のような魔物が身を潜めているのか。そう思い、思い後ろを向く。

だが、そこには何もいない。


河雨

「よかった〜。空耳か。」


空耳だと思って、一息つき、また前を向くと・・

目の前に、光る銀色の毛を持ち、額に銀色の毛の先に赤い音符のマークが付いている銀狼がいた。

銀狼の体調は、私の3倍ほどだ。

『神目(3日間限定)』でステータスを見てみると、


==================


名前:林火(リンカ)

種族:動物(銀狼・極)

性別:オス

Level:−−

体力:100000

魔力:900000

筋力:300000

魔攻:700000

防御:500000

魔防:5000

俊敏:1000000

運:10


《スキル》

縮地、咆哮


《固有スキル》

氷魔法・極

炎魔法・極

多属性魔法合成

アニマルスキル(爪技)

アニマルスキル(牙)

アニマルスキル(尻尾)

アニマルスキル(足)


《称号》

??の従魔


==================


また、『アニマルスキル』とかいう意味不明な『スキル』があるぞ?

そんなことより、ここを早く脱出せねば・・


河雨

「け、毛の艶がいいですね〜。」


私は、銀狼を褒めながら、ゆっくりと、後ろに退がって行く。

なんだ。追ってこないじゃないか。

これなら、余裕だね。

すると、銀狼が一瞬消えた様に見えた。


◇◇◇◇

ドサ・・

◇◇◇◇


後ろの木が全て倒れ、数秒後に燃え始める。

さらに数秒すると、燃えていた木が炎ごと凍る。

え?強すぎじゃない?


林火

「HURURURURURURU!!!」


河雨

「水よ!私を守れ!」


慌てた私は、水で虹色に輝くバリアを作る。

なぜ、虹色に輝くのかって? 

水のバリアの表面が高速で回転しているからだ。

高速で回転することにより散ってしまう水しぶきが光を反射し、虹を掛けているのだ。

バリアを貼ると、銀狼は、私から距離を取る。

私は、銀狼が離れたことにより、諦めたものだと思い少し安心する。

だが、


◇◇◇◇◇◇

ギュルルル!

◇◇◇◇◇◇


いきなり、銀狼から放たれた巨大な氷と、回転する水のバリアがぶつかり、水のバリアが巨大な氷を削り、大きな音がなった。(お腹の音じゃないよ?)


氷を削りできた氷の破片と、水のバリアから飛び散る水しぶきが、光りを反射し、より強い輝きを発して、眩しくて前が見えない。

しかも、水のバリアはどんどん削られ、薄くなっていく。

このままでは、バリアが破られ、私はやられてしまう。


河雨

「集まれ!」


私は周囲の水を必死に集め、必死で銀狼の攻撃を防ごうとするも・・


◇◇◇◇◇

バリーン!

◇◇◇◇◇


水のバリアが割られてしまう。

私は全力で、巨大な氷の破片を回避した。

いや、回避したと思ってたが、少し掠ってた様だ。

私の右腕から、勢いよく血が噴き出す。


河雨

「う、うわあああああ!!!」


私は驚きながらも、周囲の水を固めて止血する。

水で止血し終えた瞬間、水が凍り始めた。

その時、私の体に寒気が走る。首元に、銀狼の爪が当てられていた。

私の首元から、少し血が垂れる。





〜そして今に至る〜


河雨

「うわあああ!?

た、助けて〜!!!」


林火

「BAUUUUUUUUUU!!!」


私は全力で助けを呼ぶが、銀狼の声に掻き消される。

しかも、ここは町からある程度離れた場所。当然ながら、誰もこない。

私が叫び、誰も来ないことを確認すると銀狼は、スッと首から爪を離す。


河雨

「うおおおおおお!!!」


なぜ、離すのかと、不思議に思ったが、私は今しかないと、銀狼から離れる。

しかし、逃げたところですぐ捕まるのが落ちだ。

私は覚悟を決め、銀狼に突進する。

ただの突進ではない。周りに圧縮した水の球を無数に出して、「刺々の鎧と盾」を持っているのを隠しての突進だ。

私のルールの中に、『満足できる結果を残す』というものがある。

それは、自分が満足できる結果を残せれば後悔しないから。と作ったルールだ。

私では、この銀狼を倒せない。

それでも、この銀狼に傷を一つでも付けることができれば、私は満足できる。

この先に死しか見えなくても、一太刀でも負わせる事ができたら、後悔なんてしない!


林火

「GURURURURURURURU!!!」


銀狼が、お腹が減ったかのような雄叫びをあげ、銀狼がまた一瞬消えたように見えた。

だが、水の球の準備はできている。

水の球を、私の周りに展開する。

だが、いつまで待っても水の球は銀狼に当たらない。


河雨

「!?」


周りを見ると、水の球はどこにもなかった。

あったのは、宙に浮く赤い火の玉だけだった。

私が、火の玉に気付いた時には、火の玉がこちらに向かってくる、直前だった。


林火

「OWARIDAAAAAAAA!!!」


この銀狼、今、喋ったぞ!?

いや、そんなことを気にする時間はない。

私は、自分の周り360度を覆うように、水のバリアを作る。

そして、火の玉の上から水を被せる。

これで、この攻撃は凌いだと思った。


◇◇◇◇◇◇

ジュワアア!

◇◇◇◇◇◇


その音は、水が火の玉を消火した音ではなかった。

火の玉に被せた水が全て蒸発し、そのまま水のバリアも蒸発させながら、突き抜けてくる音だった。

『これで終われるか!』そう思った時・・ピタリ。と火の玉の動きが止まる。

何が起こったんだ?


林火

「BAAAAAAAAAARORORORORO・・」


銀狼は、空を見上げバイクのエンジン音のよう声で唸っている。

私も空を見上げると・・


華夜狐

「大丈夫でしたか?」


河雨

「え?」


そこには華夜狐がいた。


華夜狐

「これが、例の動物ですか?」


華夜狐が、そう尋ねる。


河雨

「そうです・・」


華夜狐

「確かに強そうですね。

でも、私が与えた力があるのですから、勝って欲しかったです。」


河雨

「すいません。

でも、華夜狐が何故ここに?

それに、なんで浮いてるの?

なんで、火の玉の動きが止まってるの?」


華夜狐

「質問が多いですね。

これは、私の『火への関与』と『空への関与』です。」


え!?なにそれ!?

チートすぎない?いっそのこと、華夜狐が『チートバトル』に出ちゃえば?


華夜狐

「何故ここにいるかですって? 『飲み屋』の河雨さんの部屋の前で待っていて、いつまで経っても出てこないので心配になって探していました。

ビックさんから話を聞いてここまできましたが・・前にも言いましたよね?!

勝手な行動はやめてください!」


河雨

「ごめんなさい。」


私は素直に謝っておく。

そんな、やり取りの中、銀狼は覚悟を決めたような目に変わり、私に襲いかかってきた。

『もう襲ってこないだろう』と思い込んでいたので、反応が遅れた。

とっさに右手で対応をしようと手を動かそうとするも、肩が凍っていて、ピクリとも動かない。

『もうダメだ』と思って、目を閉じる。


だが、私が死ぬことはなかった。

銀狼は私を殺さなかった。

銀狼は、私の目の前まで来ているが、腕が震え、私の目で前に爪が固まっている。

まるで、私を庇ったかのように。


しかし、華夜狐は容赦なかった。

銀狼に大きな炎の玉が飛んでくる。

あれ?これ私にも被弾するんじゃないのかな?

私は、怖くなり、また目を瞑る。


◇◇◇◇

ゴオオ!

◇◇◇◇


火の玉が着弾した音がしたが、私は生きていた。怪我もない。

一体、どうなっているのか気になったので、目を開けて見ると、大きな火柱が立ち(危ないな)、その中で銀狼が燃えていた。

私に当たったらどうするんだ!

助けてもらった手前、声には出さないけど、本当に怖かったんだからね。


それに、この銀狼は最後に攻撃を躊躇した。

この銀狼なら、ある程度、話ができそうだったのに・・。

まあ、『動物の言葉』がわかる私でも、この銀狼や白虎の言葉は分からなかったから、本当に話ができるのか分からなかいが。

華夜狐に心の中で文句を言っていると、燃えている銀狼が華夜狐に襲い掛かる。

だが、華夜狐は銀狼の攻撃を躱す。銀狼は攻撃を避けられ、地面に落ちる。


◇◇◇◇◇

ズドーン!

◇◇◇◇◇


林火

「VUAAAAAAAADARUZIGIGA!!!」


銀狼が、苦痛に声を抗え、目には涙が浮かんでいる。

やがて、銀狼は静かになり倒れる。

やっと、『終わった』と思ったとき・・倒れた銀狼が、だんだんと人の形に変わっていく。


華夜狐

「そんな・・これは一体・・」


華夜狐は全力で、『銀狼が人に変わっているのか』考えていた。

河雨は、『なぜ、その人物がこの世界にいるのか』驚いていた。


河雨

「なぜ君がここに!?」


今、燃えているのは、僕が小学3年生・・小学校生活最後の年の唯一の友達。

親友とも言える人物。音師(おんし)閣下(かっか)じゃないか!?


林火

「うう・・痛え、熱い・・」


河雨

「華夜狐!早くこの火をどうにかしてくれ!」


華夜狐

「は、はい!」


音師から、火が咲き散る桜の花弁のように消えた。


音師

「河雨?・・なんでこんなところに・・幻覚か?」


河雨

「幻覚じゃなく、本物だよ。

しかし、一体どうして君がここに?」


音師

「あぁ?・・それより・・俺の話を聞け・・」


音師は静かに、私にキレる(逆ギレ?)。

そして、苦しそうに、言葉を発する。


音師

「俺は・・もう動けそうにない。だから、黙って聞いてくれ。

奴が使う人形と目があってしまうと・・頭がボヤけ初めて・・身体が勝手に、動き・・命を奪っていく・・俺は、それを見ていることしかできなかった。 

俺は、そんな思いをお前にさせたくない・・だから、奴を見つけたらすぐに逃げるんだ。

・・まあ、それでも・・助からないかもしれないが・・兎に角・・このことを・・知らせることができて・・よかった・・。

フッ・・なんて顔してるんだ?・・河雨たちは悪くない。

転移した世界の仲間を殺し・・親友まで殺そうとした・・俺を止めてくれたんだからよ・・。」


河雨

「諦めるな!

華夜狐!治療をして!

音師を助けて!」


音師

「人間・・自分の死期ぐらいわかるもんだぜ・・」


そして、音師はピクリとも動かなくなった。


河雨

「音師?音師!」


音師は、最後に私に親友と言ってくれた。

私が研究所に幽閉されていたことを、地元の人は知ってるはず。

みんな私に恐怖していたのに、彼は私と仲良くしてくれたばかりじゃなく、命の尽きる最後に『親友』とまで言ってくれた。

精神を支配された状態ですら、私の命を取らないように支配に対して抵抗してくれた。

なのに、私は何もできないなんて・・。

音師との思い出をいくつもいくつも思い出す。

あの頃はお互いに笑顔に溢れてて、君がこんな最後を迎えるなんて思いもしなかった。

ああ。胸が痛い。


もしかして・・前に倒した白虎も人間だったのかもしれない。

私はそう思うと、もの凄い罪悪感が心の底から押し上げてきた。


華夜狐

「この人は・・まさか、異世界『マフラ』の代表の音師では?」


河雨

「代表?」


まさか、音師も異世界に転移していたのか。

音師が代表ならなおさら、代表をやる資格がない。


河雨

「私は失格になりますね。」


そもそも、『親友が目の前で死んだ』。

私はそれを『助けられたかもしれないのに、パニックになり、見ていることしかできなかった』。

音師の火だって、私の能力なら華夜狐に頼むよりすぐに、消せたはずだ。

そして、『自分で決めたルール』さえ放棄しようとしている。

そんな奴に代表をやる資格があるわけがない。


華夜狐

「いいえ。今回のことは、しっかりと上に報告しますが、失格にはならないはずです。

先に攻撃を仕掛けてきたのは、音師ですから。」


河雨

「・・少し、休ませてください。

私はもう、疲れました。」


華夜狐

「そうですか・・わかりました。

ゆっくり休んでください。」


私は涙を堪えながら、その場を後にする。

私は門を潜りジュワンを蹴って、『飲み屋』の自分の部屋まで無言で戻る。

その日、部屋には誰も来なかった。

私は一人、部屋の灯りを消し声を殺し、泣いていた。

ぽん

「メリークリスマス!! クリスマスと言えば?」


先輩

「サンタさん!!」


紗輝サマ

「みなさんはサンタさんに何をお願いしましたか?」


ぽん

「ドングリケーキ!!」


先輩

「物置!!」


紗輝サマ

「ぽんさん美味しそうですね!

先輩は謎ですね。庭にビックサイズの倉庫があるじゃないですか。」


先輩

「いや、ぽんさんが倉庫の中に住み着いているから、もう一つ倉庫があったほうがいいかな〜と。」


紗輝サマ

「それは大変ですね。

ぽんさんがチキンじゃないのが少し残念です。」


ぽん

「どゆこと?」

 

先輩

「食べられるんじゃない?」

 

ぽん

「ひええええ!!」


紗輝サマ

「よかったですね。

倉庫が空になりましたよ。」


先輩

「紗輝サマ怖い・・僕は、寒いだろうから暖房付きの倉庫買ってあげようと思ってたのに・・」


結論!! 先輩は優しい!!

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