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異世界に転移したけど、周りの動物が強すぎる!  作者: ぽん・ぽんぽん・ぼっくり
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地獄から異世界へ

私は、天之川河雨あまのがわ かう

苗字が天之川。

名前が河雨だ。

性別は男。

もう何年も、無機質なこの建物から、出たことがない。

ここで、さまざまな能力を持った人間を研究しているらしい。

らしいいと言うのは、もう何年も私は私と研究員以外にここで人を見かけたことはないから。


私の能力は、動物の言葉を理解し、心を見る能力。

そして・・血を体内に取り入れた人間を操る能力だ。

血以外で、汗や唾液、涙などが使えるらしいが、血が、一番効果が高いと、検証されている。

私は、9歳の時から、この研究所で幽閉され、研究されている。

今年で13歳になるはずだ。


え?なぜ、幽閉されてるかだって?

確かに、能力を持っているってだけじゃ、幽閉されたりしないよ?

実際、8歳の時までは、捕まっていなかった訳だから。

4年前、僕は事故にあった・・・

あ、これは、また後の話にしていいかな?


こちらに向かって足音が近づいてくる。


◆◆◆


加藤

「こんにちわ。元気にしてた?」


ドアを開け、私に声をかけてくれたのは、研究所の職員の加藤さんだ。

加藤さんは研究所の職員なのに、いつも私に優しくしてくれる。


加藤

「今日は、いつも楽しみにしてくれてる、ライトノベルを買ってきたよ。研究が終わったら、読んでみてね。」


河雨

「いつも、ありがとうございます。」


加藤

「ここに置いておくよ。それじゃあ、私はこれでね。何かあったら言ってね!」


河雨

「いつも、いつも、ありがとうございます。」


さっきも言ったが、私は、ここで研究の対象になっている。

私の能力は他者から、妬み嫌われる能力だ。

だから、ここの研究員は加藤さんを除くと、私を蹴り飛ばしたり、罵倒したりする人達ばかりだ。

私はここでは、人間として扱われない。

なのに、加藤さんは苗字を教えてくれた。

普通の人は私を怖がって、苗字すら教えないのが普通だ。

加藤さんは、毎週のように本を買ってきてくれるし、勉強を教えてくれたこともある。


でも、やはりここの生活には耐えられない。

加藤さんが担当している、水曜と金曜以外は苦痛でたまらないんだ。

私は、異世界に行きたい。

加藤さんにもらったライトノベルの主人公みたいになりたい。

これが私の唯一の夢だ。


だから、私は死んでみようと思う。

異世界に行きたい!

加藤さんや、研究員の奴らは異世界なんてないって言うけど、絶対あるはずだ!

私は、指の先を噛んで血をだす。それで、遺言を書く。


『私は、異世界に行きます。』


私は、ご飯の時に研究員の目を盗んで、隠し持っていたナイフで自分の頸動脈を搔き切る。

首が凄く熱くなり、視界が赤く染まっていく。

だんだん体が重くなり、瞼が閉じる。

ゆっくりと意識が遠のいていく中、視界に再び細い光が差した気がした。

次の瞬間、浮遊感が私を襲った。

不思議と体が軽い。


ゆっくりと目を開くと、真っ白な部屋の柔らかなベットの上にいた。ベットからゆるゆると立ち上がり、ベットサイドの横の机の上にあるコップにピッチャーから水を注ぎ飲んだ。

喉が潤う。

いつもは必要最低限しか貰ってなかった水。

ああ、潤う。

・・・これだけで、私は幸せだ。


しばらく幸せに浸った後、部屋を見渡すと、ドアにドアノブが設置されていた。

今まで、私のいた部屋の内側にはドアにドアノブはなかった。

居ても立っても居られない気持ちになり、ドアノブに触れた瞬間、別の場所に立っていた。

見渡す限り白く、何もない空間だ。

地平線が見え、そこには何も障害になるものはない。

異世界には行けなかったが、天国にはつけたのだろうか。


???

「あの〜。すいません。」


河雨

「ボー・・」


???

「あの!すいません!」


河雨

「ボー・・」


???

「起きてください!」


河雨

「え?!」


何もないはずの天国から、誰かの声がする。天使さまだろうか。

後ろを振り向くと・・かわいいケモミミの少女がこちらを見ていた。

ケモミミの少女の身長は165cmほどで、ケモミミ(狐)黄色で、ケモ尻尾(九尾の狐)黄色だ。髪の色は金髪で眼の色は黒。髪は、腰まで伸びている髪は、真っ直ぐ伸びている。金色の髪は光を反射して綺麗に光っている。前髪は、眼に届かないように、クルン。っと、なっている。

かわええ!かわええ!


???

「あ!気づいてくれましたか?なんで、こっちを見てるのに、ボー。っとしてるんですか!起きてください!」


河雨

「ご機嫌、麗しゅう。私の名前は、『黒影騎士=カノン・ルドルフ』!よろしくお願いします!」


???

「え?あ、わ、私は、華夜狐です。よろしくお願いします!って!そうじゃないでしょ!なんでいきなり自己紹介!?

『黒影騎士=カノン・ルドルフ』って明らかに偽名でしょう!?イタイですよ!?

それで、通そうとしたら、周りから変な目で見られちゃいますから!やめてください!」


んー。やけに饒舌だな。この子。どうしたんだろう?

あ、聞かなきゃいけないことを聞き忘れてた。


河雨

「貴女は、神さまですか?」


華夜狐

「いかにも!私が転生を司る(大嘘)神。転生神(大嘘)の華夜狐です!

貴女は前世で悲しいできごとが多かったので、特別(大嘘)に転生させてあげましょう。」


河雨

「それ、大嘘ですね。わかりまよ?」


華夜狐

「え!?なんで!?」


河雨

「私、物心付いた時から、動物の心が読めるんです。」


華夜狐

「私は動物ではなく、神です!ムキー(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾」


河雨

「( ͡° ͜ʖ ͡°)疑いの眼差し」


華夜狐

「嘘じゃありませんもん!

私だって神さま、なんですから!

今日は、転生神が風邪で休みなので、暇な炎狐神である私が転生の手続きをしてるだけですもん!死んだ人は、全員ではありませんが、余程の悪事を働いていない限り転生させますよ?記憶を消して。でも、貴方は本当に特別なんです!(嘘)」


河雨

「(๑╹ω╹๑ )ジー。」


華夜狐

「お願い!異世界行ってくれないと、私、信頼なくなっちゃう(涙目)。

神さまって、信頼関係が凄く重要な仕事だから!貴方を転生させたら、仕事のノルマ終わりだから!お願い!転生神さまは、私の先生で、親みたいな人なの!だから、お願い!」


河雨

「むしろ、信頼関係が大事じゃない仕事なんてなくないですか?

それから、異世界には行きたいのですが、一つ、お願いしても良いですか?」


華夜狐

「それで、異世界に行ってくれるなら・・私にできることなら何でもします。」


河雨

「そこまでのことじゃないですよ。

チートくれませんか?」


華夜狐

「まあ、分かりました。このクジの中から1つとってください。とったクジに書いてある能力が貴方の能力になります。」


河雨

「えー。自分では決められないんですか?」


華夜狐

「これでも、沢山手続きが必要なんですよ?!それに、転生者が、事故を起こさないように、私も貴方について異世界に行かなければなりませんし。」


河雨

「事故なんて起こしませんよ?」


華夜狐

「転生する世界は貴方の世界より荒れています。

例えばギルドと呼べれる場所で、大したことをしていないのに命を奪われたり、少し声を掛けただけで、悪人と勘違いされ、『スキル』を盗られたり、愛人が寝取られ家を追い出され・・そういった事件が、多発してるんです。手続きだってあるし・・。

貴方の記憶を残したまま異世界に転生させると、何かあれば、私の責任になるし。

チートだって、あなたは簡単にもらえると、軽く考えてるみたいですが、私は大変なんですよ!

私の神の力の一部を貴方に譲渡する手続きをし、貴方を監視するため異世界におり、+αで今までの仕事もしなければならない。これだけでも大変なのに、何か起こして、私にこれ以上の無理をしろと?」


なんだか、大変そうだなあー。

これ以上、無理を言うのもなんだし、早くクジ引いて異世界に行ーこうっと。


河雨

「じゃあ、引きますね。」


華夜狐

「え!?待って!!」


私がクジを引くと、2枚くっついて出てきた。

瞬間、私達の周りに黄金の魔方陣が現れた。

次の瞬間、私は木に囲まれていた。

周りを見渡すと・・ケモミミの神さま、華夜狐が、気絶していた。


河雨

「大丈夫ですか?起きてください。起きてください。」


華夜狐

「うう・・・」


河雨

「これは、どういう状況ですか?転生するんじゃなかったのですか?」


華夜狐

「え?ここはどこ?あ・・」


また、華夜狐は気絶してしまう。

華夜狐が気絶してしまっているので、なにもしようがない。

私は、とりあえず、握っていた2枚の紙を開いた。


『水の動きに関与する能力』

『神の力から逃れる能力』


うーん。

いまいちだなー。

もう少し派手なのがよかった。地味そう。

でも、せっかく貰ったチートに文句を言うの何だしなあ。

そんなことを思っていると、やっと華夜狐が起きた。

今の状況を聞かないと。


河雨

「すいません。これ、どういう状況ですか?」


華夜狐

「へ?え?ああ、ああ・・やらかしちゃった・・」


河雨

「『やらかしちゃった』ってどういうことですか?」


華夜狐

「貴方のせいですよ!貴方が悪いんですからー!」


河雨

「え?なんで?」


華夜狐

「仕方がないですね。貴方のせいで、私がどのような状況を説明してあげましょう。」


河雨

「唐突ですね。」


華夜狐

「え?今、貴方が『説明しろ』って言ってましたよね?!なんで私がおかしいみたいのなってるんですか?!」



河雨

「よろしくお願いします。」


華夜狐

「え?は、はい。原因は貴方が、クジを引いたことです。」


河雨

「え?でも、華夜狐さんが『引け』って言いましたよね?」


華夜狐

「引く前に、色々と準備があったんです!」


河雨

「すぐに引くような言い方でしたよね。心外な。

しかし、そうですかー、私が原因ですかー。じゃあ、考えてても仕方ないですね♪」


華夜狐

「え?なんで?仕方なくなくないですよね?」


河雨

「私が原因なら、いいかなー。って思っただけですよ。それよりも、説明をお願いします。」


華夜狐

「今、貴方は異世界に転生ではなく、転移してしまいました。なんの準備もなしに。この意味がわかりますか?」


河雨

「これで、無双できますかね?」


華夜狐

「そうじゃありません!ああ、私が一緒で良かった。貴方を一人でこの世界に下ろさなくて良かったです。貴方が何の準備もなしに、転移してくれたおかげで、貴方は魔法も使えませんし、身体能力なども、元の世界のもののままです。」


河雨

「嘘ですよね?ステータスとかは使えるのですか?」


ステータスを見ればわかることだ。ステータスが高ければ、いけるはずだ。


華夜狐

「ほんとですよ?ステータスはこの世界にきたら、誰でも見ることができるはずなので、『ステータス』と言ってみてください。それが、貴方のステータスです。」


河雨

「ステータス・・え?

これは・・いけるんじゃないですか?」


==================

天之川(あまのがわ) 河雨(かう)


種族:人間・能力者

性別:男

Level:7

体力:4000

魔力:4000

筋力:1000

魔攻:2000

防御:1000

魔防:1000

俊敏:1000

運:100


《スキル》

異世界言語(日本):Level5

苦痛耐性:Level9

毒物耐性:Level8

速読:Level3

感情表現(隠):Level MAX


《固有スキル》

異世界への憧れ、完全記憶(破損)

人間操作、多種族語理解

心を覗く目(未完全)

水への関与

勇者への怨み

神をも欺く

力の魔王の証(古)

知の勇者の証(古)

受け継がれる能力

成長可能


《呪い》

成長速度低下


《称号》

長年の苦痛に耐えし者

受け継がれる能力

魔王、勇者、悟り

神をも欺く者

水の能力者

勇者を怨みし者

バケモノ、孤独

感情を隠し生きてきた者

能力者

異世界に憧れし者

夢を現実とせし者

成長する者

??の子

??の子

??の兄


==================

ステータス、低いけど(無双するには、という意味)Levelを上げれば強くなれそうだし、大丈夫でしょ。

成長速度が遅いのは少し嫌だなー。

自分で理解している以上に能力多くてびっくりだなー。

魔王も勇者も僕知らないのに、関わりがある人みたいに書かれてるな。

しかし、『称号』の『??』の部分わかるんですが、それは。

でも、僕は弟も妹もいなっかたから、『??の兄』は少し謎だな。


華夜狐

「どうですか?自分のステータスの低さに驚いて声もでないでしょう。自分の愚かさに気づきましたか?しかも、このままなら貴方のLevelは一生上がることはないのですよ!

さあ、天界に戻りましょう。」


河雨

「いえ、大丈夫そうです。さあ、行きましょう。」


華夜狐

「無理ですよ!それこそ、勇者達でもないと。その、勇者でも、才能のある人達を探し、召喚の際に神々の魔力を少しづつ与えているのですから。悪いことは言わないので戻りましょ。」


河雨

「えー。」


華夜狐

「わかりました。なら、せめてステータスを見せてください。」


河雨

「はい( ̄ー ̄ )ドヤ。」


華夜狐

「え?な、な、な、なんですか?!このステータスは!どうなってるんですか?!」


毎回いい反応してくれるなー。そんな反応してくれて、私は嬉しいよ。


河雨

「取り敢えず、どこ行きましょうか。」


華夜狐

「え?へ?え、えーと、取り敢えず町にでも行って、静かに暮らすか、このまま、この森に篭って一生を全うしてください。私も後の処理がありますので。しかし、貴方を見守る作業もありますから、しばらくしたら戻ってきます。大人しくしててくださいね?」


河雨

「はい。」


振りかな?

何かしらやらかしたいわけじゃないけど、何かしらやらかさんといけないような気がしてきた。


華夜狐

「絶対ですよ?それでは、また。」


そう言って、華夜狐は空に昇って行った。

これから、私は町で何かしらしてこようかな。

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