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4、十年振りの王都

俺は家を出てさっそく上空に跳んだ

風で小さい竜巻を作り、それを踏み台にジャンプした……といった方が正しい。

だいたい二十メートルジャンプし、王都の方角を見つけた。

着地の際は光と闇を同時に発動しようとすると重力が発生するのでその重力で水をまとめてクッション代わりにした。


とりあえず、レイチェルさんの【不死鳥の加護】と言う結界を抜けた。


この結界は家に不死鳥と不死鳥に認められた者しか入れない結界だ。

そのおかげで誰も家をみつける事が出来ない。

おそらく十年も俺がいないので王都では死んだ事になってるだろう。

それと結界を抜けたということはここから先は魔物が出ると言うことだ。


「グガアアアアア!!」


さっそくきた。

お、こいつは………【クレイジー・ボア】だ!鍋にすると美味しいから倒そう!

クレイジー・ボアって見た目、ただのでかい猪だよなぁ……まぁいいか

俺はショートソードを取りだしてクレイジー・ボアが突進して来るのを避けて、頭にショートソードを突き刺した。

リンと契約してるので身体能力がとんでもなく上がって動きがスローに見える。


「グ、グガアァァ……」

「おーいリン聞こえる?」

「(なに~?)」


中で返事をするリン相変わらず歩くのがめんどくさいらしい。

それで以前、「太るぞ?」と言ったら毎日運動してるらしいので大丈夫だと言われ、その後デリカシーの無さに対して怒られた。


「クレイジー・ボア倒したから後で料理お願いできる?」

「(本当!?やったぁ!今日は鍋だね!)」


俺も料理はそこそこできるがリンの方が美味い、それに関して「女子力高いね」と言ったら凄く喜んでいた、なので基本リンが料理担当だ。


収納石を触れた


「収納石を発動、クレイジー・ボアを収納、真空倉庫」


クレイジー・ボアは地面に現れた魔方陣に吸い込まれていく。

なんと言うか地面に沈んでいるようにも見える。

真空倉庫とは文字通り真空の空間だ、食材が傷まない。

その後街に着くまで何本か安全な種類のキノコを採って真空倉庫に放り込んだ―――








王都は周りを壁で囲っており関所は全部で八ツある。

理由は世界の中心に構えてある国なので商業などが栄えるかららしい。

なので毎回関所は混んでいる。

並んでいるのは商人や、旅人だ。とりあえず眺めていては列が長くなるだけなので関所に向かう。

関所には案の定、列ができており、それに並ぶこと十数分。

十数分で列が終わるのは担当の人が凄いからだろうか?


「すいませーん」


俺が声を掛けると鎧を着た俺と同い年位の銀髪のイケメン騎士君が反応した。


「はい、フェニクスへようこそ、ここを通りたいんだね?」


騎士君は手慣れた様子で聞いてきた。こいつはかなりのベテラン…


「おーい、バイト、次で一回休憩だぞ」


じゃなかった。バイトなのかよ。

でも、かなりフレンドリーなので好感がもてそうだ。


「あぁ」

「オーケー、じゃあ、いくつか質問させてもらうよ」

「はーい」


騎士君はアンケート用紙っぽいのとペンを出した


「貴方の名前は?」

「クロです」


ここであの名前を知られるのは嫌だ。

禁じられた、それだけではなく俺自身があの家に恨みを持っているのだ。

なのでレイチェルさんが付けたクロという名前をなんの迷いもなく言う。


「貴方がここにきた目的は?」

「魔法学園高等科の生徒として入学するからです」

「へぇ~実は俺も何だよ~今年からでねその学校の名前は?あ!これは俺個人からの質問だから答えなくても大丈夫だよ!」


「いや、別に知られても困ること無いし言うよえーっと……」


俺はレイチェルさんのくれた学生証をみた。


「王都フェニクス第一学園って書いてある」


俺が答えると騎士君は「おぉ!」と言って驚いていた。


「偶然って凄いね!俺もそこなんだ!」

「マジで?じゃあ同級生かな?」

「そうだといいね~…あ」


その時、騎士君は上司っぽい人にギロりと睨まれ、思わず声を漏らす。

騎士君がハッ!と自分がアンケートしていた事を思い出して質問を再開した。


「コホンッ、では次に危険な物を持ち込んでないか検査するけど申告するものはある?」


「例えば?」

「使い魔とか、爆発物とか、マジックアイテムとか」


爆発物は無いけどリンと収納石はあるから言っとくか。

って爆発物って絶対テロ目的だろ。


「使い魔はいるよ、それと俺の首飾りがマジックアイテム、それ以外は多分無いと思う」

「俺と同い年で使い魔かぁ~凄いね~」


騎士君は検査の道具を目の前に出した。


と、言っても水晶みたいなのに手を乗せるだけだから簡単だ。

水晶を見るとどうしてもあの日の事を思い出してしまう・・・

忘れよう。俺はクロだ。


「うん、反応は二つだし嘘はついてないみたいだね」

「じゃあここ通るけどいい?」


俺は関所の門を通ろうとする。


「あ、ちょっと待って!」

「ん?」

「俺の名前はジル、一応同級生になりそうだから伝えておくよ!」


ジルか……覚えておいた方が良いか.


「あぁ、よろしく、気軽にクロって呼んでくれ」


「クロ、後でまた会おうな!」


そう言い俺は王都に入った。

でも、どうしよう…

俺、レイチェルさんから貰ったお金はあるけど、限りがあるし、収入源が無いとな・・・

収入を得るため冒険者ギルドにでも行くか。

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