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3、十年が経ち…

それから十年が経った。俺はいろいろな事を学んだ

剣術、体術、勉強、実戦、家事、魔力操作、等を学んだ。

あれから魔力量も莫大に増えた。

すべてレイチェルさんが教えてくれた。

レイチェルさんは改めて凄い人だと改めて思った。

そして十年が過ぎたある日…

それは朝食を食べている時に言われた。


「クロ!学校行きましょう!」


 レイチェルさんが両手でテーブルをバンッと叩き相変わらずのポジティブさで言った。

ちなみにクロとは俺の名前だ、理由は名前がないからだ。

元親に名前を名乗るのを禁じられている。まぁ、あの名前なんて忘れたほうがいいだろう。あんなゴミ共に貰った名前なんて…


そんな訳で、あの親を思い出したくなかったからレイチェルさんにどうしようかと聞いたら、偽名でクロと付けてくれた。


「え?学校?何で?」

「ちょっと会ってきて欲しい人がいるのよ♪あ、もちろんリンも行かせるから」

「え?誰ですか?」


 俺はレイチェルさんの会ってきて欲しい人を聞いた。

レイチェルさんが会ってくるではなく、会ってきてと言った。

なにか意味があるのだろう。


「会ってきて欲しい人は、ロード・レリエルって人、この手紙を見せてきて~♪」


家名がある…という事は貴族だろう。


「えっと、それで学校に行く理由は?」

「いや、十五歳何だから普通学校行ってる歳よ?」


 言われてみればそうだ。しかし俺はレイチェルさんが勉強を教えてくれて、王都のトップ大学でも普通に通用するレベルまで来ている。

まぁ、レイチェルさんの事だし何かやらせたい事があるのだろう…

俺は手紙を受け取った。


「はい!じゃあ手続きは済ませてあるからリンと行ってきなさい!」

「手続き?」

「えぇ、あなた達はしばらく王都で住むんだから、学生寮の手続きよ」


 ちなみにリンは俺の精神世界にいる。

精神世界世界に使い魔は入る事が出来るらしい。

しかもそれをする事で一度に魔力の受け渡しができる量が増えるのだ。

とりあえず寝てる内に準備を済ませるか――――






「出来ましたよ~レイチェルさん」


 俺は森の魔物で体長一メートルはある【ブラック・ウルフ】の毛皮で作ったブラックレザーコートを纏い、それとショートソードを背中に背負い、バック代わりに収納石のネックレスを首に掛けた。

収納石は亜空間に繋がっており、素材や持ち物を入れられる便利なアイテムだ


「あ、出来たのね、私も準備完了よ!」


何故かレイチェルさんも身支度を整えていた。


「準備ってなんの?」


ようやく起きたのかリンがレイチェルさんに問う。


「あら?言ってなかったかしら?母さんも出掛けるからクロにも出掛けて欲しかったのよ」

「え?レイチェルさんも出かけるんですか?」


えぇ…聞いてない…

でも、どこに向かうのだろう…まぁレイチェルさんならどこでも大丈夫か。


「クロ、準備ってなんの?」


とりあえずリンには後で説明するから気にせず行くか…


「じゃあレイチェルさん!行ってきまーす」

「はいはい、行ってらっしゃい」

「ねぇ!準備って!?」


パタン


・・・


「あの子はまた最後まで母さんって言ってくれなかったわね・・・」


その時のレイチェルさんの悲しみなど俺にはわからなかった。

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